Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


7.10.4 ユニット属性プロファイルの設定変更

ジョブネットの定義中や実行中にユニット属性プロファイルを変更した場合の,上位ユニット属性継承機能と実行ユーザー固定機能の設定内容の変更が有効になるタイミングについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 上位ユニット属性継承機能の場合

配下に複数のユニットを持つジョブグループやジョブネットを新規作成,コピー,またはリリース登録する場合,上位の階層にあるユニットから順に,配下のユニットを定義します。このユニットの新規作成,コピー,またはリリース登録処理中に,上位ユニット属性継承機能の設定を変更する場合,上位ユニット属性継承機能の設定を変更した時点で,順次定義している配下のユニットから,変更した設定が有効になります。

ジョブネットの新規作成またはコピー処理中に上位ユニット属性継承機能の設定を変更する例を,次の図に示します。

図7‒29 ジョブネットの新規作成またはコピー処理中に上位ユニット属性継承機能の設定を変更する例

[図データ]

[図データ]

この例では,ジョブグループ配下にジョブネットAおよびジョブネットBを新規作成し,ジョブネットAをコピーしてジョブネットCを作成することを想定します。ジョブネットA〜ジョブネットCの新規作成またはコピー処理中に,「運用プロファイルの設定変更例」のように,ユニット属性プロファイルの有効/無効の状態,および上位ユニット属性継承機能の設定を変更する場合のジョブのアクセス権の継承方法について説明します。

ジョブネットAを新規作成する場合,ジョブ1の定義処理開始の時点ではユニット属性プロファイルが無効のため,ジョブ1はアクセス権を継承しません。ジョブ2の定義処理開始の時点では,ジョブネットAの上位ユニット属性継承機能の設定が有効であるため,ジョブ2はジョブネットAのアクセス権を継承します。

ジョブネットBを新規作成する場合,ジョブ3の定義処理開始の時点ではジョブネットAの上位ユニット属性継承機能の設定が有効であるため,ジョブネットBの配下であるジョブ3は,上位ユニットのアクセス権を継承しません。ジョブ4の定義処理開始の時点では,ジョブネットBの上位ユニット属性継承機能の設定が有効であるため,ジョブ4はジョブネットBのアクセス権を継承します。

ジョブネットAをコピーしてジョブネットCを作成する場合,ジョブ1の定義処理開始の時点ではジョブネットBの上位ユニット属性継承機能の設定が有効であるため,ジョブネットCの配下であるジョブ1はアクセス権を継承しません。ジョブ2の定義処理開始の時点では,ユニット属性プロファイルが無効のため,ジョブ2はアクセス権を継承しません。

なお,このようにユニットの定義処理中に上位ユニット属性継承機能を変更する場合,作成またはコピーしたユニットの所有者が一意になっていないと,作成またはコピーした一部のジョブが意図しない実行ユーザーで実行されるおそれがあります。このような場合,実行ユーザー固定機能でジョブの実行ユーザーを固定することで,一意の実行ユーザーでジョブを実行できます。

(2) 実行ユーザー固定機能の場合

ジョブネットの実行中に実行ユーザー固定機能の設定を変更する場合,ジョブの実行ユーザーは,ジョブが実行を開始した時点での実行ユーザー固定機能の設定に従って決定されます。

ジョブネットの実行中に実行ユーザー固定機能の設定を変更する例を,次の図に示します。

図7‒30 ジョブネットの実行中に実行ユーザー固定機能の設定を変更する例

[図データ]

この例では,ジョブネットAの実行中に,ユニット属性プロファイルの有効/無効の状態,および実行ユーザー固定機能の設定を変更しています。ジョブ1は,実行開始時にユニット属性プロファイルが無効のため,実行ユーザーは固定されません。ジョブ2は,実行開始時に実行ユーザー固定機能で実行ユーザーをUserAに固定しているため,UserAで実行されます。ジョブ3およびジョブ4は,実行開始時に実行ユーザー固定機能で実行ユーザーをUserBに固定しているため,UserBで実行されます。ジョブ4の実行後にユニット属性プロファイルを削除して無効にしていますが,ジョブ4の実行ユーザーには影響しません。