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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


7.7 スケジューラーログを交代する

スケジューラーログは,スケジューラーサービス単位またはホスト単位でファイルに出力されます。スケジューラーサービス単位で出力するか,ホスト単位で出力するかは,環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTで設定できます。

スケジューラーサービス単位で出力する場合もホスト単位で出力する場合も,ログファイルは二つあり,一方のファイルが環境設定に指定したファイル容量に達した時点で,もう一つのファイルに出力先を交代します。

スケジューラーサービス単位で出力する場合

環境設定パラメーターAJSLOGFILE1に指定したファイルと環境設定パラメーターAJSLOGFILE2に指定したファイルを交代します。

ホスト単位で出力する場合

環境設定パラメーターHOSTLOGFILE1に指定したファイルと環境設定パラメーターHOSTLOGFILE2に指定したファイルを交代します。

ajsalterコマンドの-cオプションを使うと,この出力先のスケジューラーログファイルを強制的に交代できます。スケジューラーログの交代方法として,次の二つが選択できます。

なお,スケジューラーログの出力中にログ出力障害が発生してログ出力が閉塞した場合,ajsalterコマンドの-cオプションでスケジューラーログファイルを交代すると,ログ出力の閉塞状態が解除されます。ajsalterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsalter」を参照してください。

また,ajsalterコマンドの-oオプションを使用すると,環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTの指定値によって,スケジューラーログファイルを次のように交代します。

表7‒7 環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTの指定値と-oオプションの組み合わせによる-cオプションの対象スケジューラーログファイル

AJSLOGOUTPUTDESTの指定値

ajsalterコマンドの-oオプション

指定あり

指定なし

schedule(デフォルト値)

ホスト単位

スケジューラーサービス単位

host

ホスト単位

ホスト単位

(凡例)

ホスト単位:ホスト単位のスケジューラーログファイル

スケジューラーサービス単位:スケジューラーサービス単位のスケジューラーログファイル

環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(28) AJSLOGOUTPUTDEST」を参照してください。

環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTおよびajsalterコマンドの使用例

次のような環境の場合の,ajsalterコマンドの使用例を次に説明します。

環境(マネージャーホスト:HOST)
ホスト単位のスケジューラーログファイル:

/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log

/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.log

スケジューラーサービスAJSROOT1
  • 環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTの値:「schedule

  • スケジューラーログファイル:

    /var/opt/jp1ajs2/log/schedule/AJSROOT1/ajs-log1.log

    /var/opt/jp1ajs2/log/schedule/AJSROOT1/ajs-log2.log

スケジューラーサービスAJSROOT2
  • 環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTの値:「host

  • スケジューラーログファイル:

    /var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log

    /var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.log

使用例1

スケジューラーサービスAJSROOT1のスケジューラーログファイルを交代する

ajsalter -F AJSROOT1 -c CHANGE

この場合,スケジューラーサービス単位のスケジューラーログファイル/var/opt/jp1ajs2/log/schedule/AJSROOT1/ajs-log1.log/var/opt/jp1ajs2/log/schedule/AJSROOT1/ajs-log2.logが交代します。

使用例2

スケジューラーサービスAJSROOT1が定義されているマネージャーホストHOSTのホスト単位のスケジューラーログファイルを交代する

ajsalter -F AJSROOT1 -o -c CHANGE

この場合,ホスト単位のスケジューラーログファイル/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.logが交代します。

-oオプションを指定してホスト単位のスケジューラーログファイルを交代する場合,同一マネージャーホストで,環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTに「host」を設定しているスケジューラーサービスAJSROOT2のスケジューラーログも交代することになるため,注意が必要です。

使用例3

スケジューラーサービスAJSROOT2が定義されているマネージャーホストHOSTのホスト単位のスケジューラーログファイルを交代する

ajsalter -F AJSROOT2 [-o] -c CHANGE

この場合,ホスト単位のスケジューラーログファイル/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.logが交代します。

スケジューラーサービスAJSROOT2は,環境設定パラメーターAJSLOGOUTPUTDESTの値が「host」のため,-oオプションを指定しても省略しても,ホスト単位のスケジューラーログファイルが交代します。