Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


21.3.2 ジョブを一斉実行する場合の設定手順

中継エージェントおよび一斉配信エージェントを使用した構成で,クラウド環境でジョブを一斉実行する場合の設定手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - Managerの設定手順

JP1/AJS3 - Managerの設定手順について説明します。

  1. JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/Baseをインストールおよびセットアップする。

  2. マネージャーホストで,次のサービスを起動する。

    • JP1/AJS3サービス

  3. 中継エージェントをセットアップしたあと,マネージャーホストでajsagtaddコマンドを実行して,中継エージェントを実行エージェントとして登録する。

    中継エージェントのセットアップについては,「(2) 中継エージェントの設定手順」を参照してください。

    ajsagtaddコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtadd」を参照してください。

(2) 中継エージェントの設定手順

中継エージェントの設定手順について説明します。

  1. JP1/AJS3 - AgentおよびJP1/Baseをインストールおよびセットアップする。

  2. ajsatsetupコマンドの-mオプションを指定して実行する。

    中継エージェントとしてセットアップされます。同時に,JP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスのセットアップが完了します。ajsatsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsatsetup」を参照してください。

  3. 中継エージェントで,ポート番号「22251/tcp(jp1ajs2atmsg)」の通信がファイアウォールを通過できるように設定する。

    ポート番号の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.3.4 ファイアウォールを設定した環境での通信」を参照してください。

  4. 中継エージェントで,次のサービスを起動する。

    • JP1/AJS3サービス

    • JP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービス

(3) クラウド環境の設定手順

クラウド環境の設定手順について説明します。

(a) 一斉配信エージェントの設定手順

クラウド環境での一斉配信エージェントの設定手順について説明します。

  1. クラウド環境で一斉配信エージェントのインスタンスを作成する。

  2. 作成したインスタンスに,JP1/AJS3 - AgentおよびJP1/Baseをインストールおよびセットアップする。

  3. ajsatsetupコマンドの-gオプションを指定して実行する。

    一斉配信エージェントとしてセットアップされます。同時に,JP1/AJS3 Autonomous AgentサービスおよびJP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスのセットアップが完了します。ajsatsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsatsetup」を参照してください。

  4. インスタンスで次の設定をする。

    • 中継エージェントのホスト名を解決できるようにする。

      中継エージェントを使用しない場合はマネージャーホストのホスト名を解決できるようにします。なお,「jp1hosts」または「jp1hosts2」のホスト名解決は使用できません。

    • ポート番号「22251/tcp(jp1ajs2atmsg)」および「22251/udp(jp1ajs2atmsg)」の通信がファイアウォールを通過できるように設定する。

  5. 次のサービスを起動する。

    • JP1/AJS3 Autonomous Agentサービス

    • JP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービス

  6. クラウド環境で次の設定をする。

    • 中継エージェントからの通信だけを許可するように,セキュリティを設定する。中継エージェントを使用しない場合は,マネージャーホストからの通信だけを許可するように,セキュリティを設定する。

    • 固定IPアドレスを設定する。

    • オートスケールしないよう設定する。

(b) 宛先エージェントの設定手順

クラウド環境での宛先エージェントの設定手順について説明します。

  1. クラウド環境で宛先エージェントのインスタンスを作成する。

  2. 作成したインスタンスに,JP1/AJS3 - AgentおよびJP1/Baseをインストールおよびセットアップする。

  3. ajsatsetupコマンドの-a -pオプションを指定して実行する。

    -pオプションには,一斉配信エージェントのホスト名またはIPアドレスを指定してください。

    一斉配信の宛先エージェントとしてセットアップされます。同時に,JP1/AJS3 Autonomous AgentサービスおよびJP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスのセットアップが完了します。ajsatsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsatsetup」を参照してください。

  4. インスタンスで次の設定をする。

    • JP1/Baseでユーザーマッピングを設定する。

      [サーバホスト名]は,一斉配信エージェントのホスト名または「*(アスタリスク)」を設定します。

    • Linuxの場合,JP1/AJS3 Autonomous Agentサービス,およびJP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスの自動起動を設定する。

      自動起動の設定については,「15.9.1(5) JP1/AJS3 Autonomous Agentサービス,JP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスの自動起動および自動終了を設定する」を参照してください。

      なお,Windowsの場合はJP1/AJS3 Autonomous Agentサービス,およびJP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービスが自動で起動するため,この設定は不要です。

    • 必要に応じて,JP1/BaseおよびJP1/AJS3サービスを自動で起動しないように設定する。

      宛先エージェントではJP1/BaseおよびJP1/AJS3サービスの起動は不要です。不要なサービスを起動したくない場合は,自動で起動しないように設定してください。

    • 一斉配信エージェントのホスト名を解決できるようにする。

    • 実行するプログラム(ユーザープログラム)を配置する。

  5. 次のサービスを起動する。

    • JP1/AJS3 Autonomous Agentサービス

    • JP1/AJS3 Autonomous Agent Messengerサービス

  6. クラウド環境で次の設定をする。

    • オートスケールの設定をする。