Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


15.2.13 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定

エージェントホストで実行中のジョブ(キューレスジョブを除くUNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブ)数が,ジョブ実行多重度に達しているために後続のジョブの状態がキューイングのままとなり,ジョブが実行されるまでに時間が掛かることがあります。

注※

フレキシブルジョブの場合,エージェントホストを中継エージェントに読み替えてください。

ジョブ実行多重度に達しているためにジョブが登録できない場合に,次に示すメッセージを統合トレースログに出力するようにあらかじめ設定しておくことで,ジョブの実行に時間が掛かった要因がジョブ実行多重度到達であるかどうかを確認できます。

KAVU4310-I エージェント(エージェントホスト名)で実行中のジョブ数がジョブ実行多重度(ジョブ実行多重度)に達しています(ホスト名:ホスト名,ジョブ番号:ジョブ番号

この設定を行って,ジョブの状態がキューイングになっているにもかかわらず,このメッセージが出力されない場合は,次に示すどれかの要因が考えられます。実行エージェントまたは実行エージェントグループの,ジョブ実行多重度の設定,受付配信制限の状態,およびジョブの実行先ホストの状態を確認してください。

  1. ジョブ実行多重度に「0」が設定されている

    ajsagtshowコマンドで実行エージェントのジョブ実行多重度(CON-EXE)を確認してください。

    ajsagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtshow」を参照してください。

  2. 実行エージェントグループの受付配信制限の状態が「保留」または「閉塞」になっている,もしくは,実行エージェントの受付配信制限の状態が「無効」,「保留」,または「閉塞」になっている

    ajsagtshowコマンドで実行エージェントグループまたは実行エージェントの受付配信制限の状態を確認してください。

    ajsagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtshow」を参照してください。

  3. エージェントホストが停止,または障害状態になっている

    エージェントホストでJP1/AJS3サービスが停止していないか,また,何らかの障害が発生していないかエージェントホスト上の統合トレースログを確認してください。また,マネージャーホストと通信できる状態かを確認してください。

QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用する場合は,次に示すどれかの要因が考えられます。エージェントまたはキューの状態やジョブの実行先ホストの状態を確認してください。

  1. ジョブ実行多重度に「0」が設定されている

    jpqagtshowコマンドでジョブ実行多重度(CUREXECHGNUM)を確認してください。

    jpqagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド jpqagtshow」を参照してください。

  2. キュー(デフォルトキューを含む)の設定でジョブの取出口が閉じている

    jpqqueshowコマンドでジョブの取出口(EXITSTATUS)の状態を確認してください。

    jpqqueshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド jpqqueshow」を参照してください。

  3. エージェントホストが停止,または障害状態になっている

    エージェントホストでJP1/AJS3サービスが停止していないか,また,何らかの障害が発生していないかエージェントホスト上の統合トレースログを確認してください。また,マネージャーホストと通信できる状態かを確認してください。

  4. 排他実行リソースを指定したジョブでリソースの解放待ちになっている

    jpqresshowコマンドでSTATUSがEXECUTINGになっているジョブが存在しないかを確認してください。

    jpqresshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド jpqresshow」を参照してください。

QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用する場合のジョブ実行多重度の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.4 ジョブ実行多重度の検討」を参照してください。

ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力するための設定手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。

    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
    注※

    自動停止の設定がされていることを確認してください。

  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k "定義キー名" "環境設定パラメーター名1"=定義内容1 ["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]
  3. JP1/AJS3を再起動する。

    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表15‒31 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定のための環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

  • スケジューラーサービス(共通)の場合

    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\SCHEDULER\QUEUE\MANAGER\Job]

  • スケジューラーサービス(個別)の場合

    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名\QUEUE\MANAGER\Job]

  • サブミットジョブの場合

    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQMANAGER\Job]

"MaximumExecJobLogOption"=

ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定

"MaximumExecJobLogInterval"=

ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する間隔

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,次の個所を参照してください。