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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


3.6.2 組み込みDBのデータ領域の使用量を削減するための設定

バージョン10-00以降のJP1/AJS3 - Managerでは,組み込みDBのデータ格納効率が改善され,データ領域の使用量が削減されています。バージョンが10-00より前のJP1/AJS3 - Managerで構築した組み込みDBで,データ領域の使用量を削減するためには,組み込みDBの再セットアップが必要です。

再セットアップは,組み込みDBごとに実施します。JP1/AJS3で使用している組み込みDBについては,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。

JP1/AJS3が自動的に構築する組み込みDBについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.6.5 JP1/AJS3でセットアップされるデータベース設定」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 組み込みDBのデータ領域の使用量を削減するための設定手順

組み込みDBのデータ領域の使用量を削減するための設定手順を次に示します。

補足事項

クラスタ環境の場合は,実行系ホストで手順を実施してください。待機系ホストでの実施は不要です。

  1. 組み込みDBに含まれる実行エージェント情報およびユニット定義情報をバックアップする。

    バックアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3(2) 実行エージェント情報のバックアップ」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3(4) ユニット定義のバックアップ」を参照してください。

  2. JP1/AJS3 - Managerの物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS3サービスを含め,組み込みDBにアクセスするすべてのサービスを停止する。

    クラスタ環境の場合,以降の手順は次の状態で実施してください。

    • 実行系物理ホストで共有ディスクにアクセスできる状態

    • 論理ホストのIPアドレスを有効にした状態

  3. ajsembdbunsetコマンドを実行して,組み込みDBを削除する。

    ajsembdbunsetコマンドの実行例を次に示します。

    ajsembdbunset -e -id セットアップ識別子

    ajsembdbunsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。

  4. ajsembdbbuildコマンドを実行して,組み込みDBを構築する。

    ajsembdbbuildコマンドの実行例を次に示します。

    JP1/AJS3が自動的に構築した組み込みDBの場合

    ajsembdbbuild {-s|-m|-l} -d データ領域ディレクトリ名 -p 組み込みDBポート番号 -i 組み込みDB運用ディレクトリ名 -id セットアップ識別子 [-mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 -r -ld 作業領域ディレクトリ名] -ext_db -ext_log

    注※ 組み込みDBで使用していたスケジューラーサービスの環境設定パラメーターRDBPORTの値です。

    高度なセットアップで構築した組み込みDBの場合

    ajsembdbbuild バージョンアップ前に構築した時のオプション

    ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。

  5. ajsembdbsetupコマンドを実行して,組み込みDBをセットアップする。

    ajsembdbsetupコマンドの実行例を次に示します。

    JP1/AJS3が自動的に構築した組み込みDBの場合

    ajsembdbsetup -ru {s|m|l} -F スケジューラーサービス名※1 -p 組み込みDBポート番号※2 -id セットアップ識別子※2 -tp テーブル名プリフィックス※3 [-mh 論理ホスト名]

    注※1 使用していたスケジューラーサービス名を指定します。

    注※2 手順4.でajsembdbbuildコマンドに指定した値と同じ値を指定します。

    注※3 該当するスケジューラーサービスの環境設定パラメーターTABLENAMEPREFIXの値です。

    高度なセットアップで構築した組み込みDBの場合

    ajsembdbsetup バージョンアップ前にセットアップした時のオプション

    ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。

  6. JP1/AJS3サービスをコールドスタートで起動する。

  7. バックアップした実行エージェント情報およびユニット定義情報をリカバリーする。

    リカバリー方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4(8) 実行エージェント情報のリカバリー」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4(9) ユニット定義のリカバリー」を参照してください。