21.6.1 物理ホストの設定手順
物理ホストでバックアップ強化機能の設定を変更する手順について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 新規インストール後にスケジューラーサービスと組み込みDBを新規作成する場合
物理ホストにJP1/AJS3 - Managerを新規インストールする場合で,バックアップ強化機能を有効にするときは,インストール時にスケジューラーサービスおよび組み込みDBをセットアップしないでインストールします。
JP1/AJS3 - Managerの新規インストール手順は,OSによって異なります。JP1/AJS3 - Managerの新規インストールの手順については,次の個所を参照してください。
項番 |
OS |
参照先 |
---|---|---|
1 |
Windows |
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2 |
HP-UX |
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3 |
Solaris |
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4 |
AIX |
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5 |
Linux |
JP1/AJS3を新規インストールしたあと,jajs_setupコマンドを使用してスケジューラーサービスと組み込みDBをセットアップします。jajs_setupコマンドに-Bオプションを指定して実行することで,バックアップ強化機能を有効にしてセットアップできます。
物理ホストでスケジューラーサービスおよび組み込みDBをセットアップする手順については,「6.1.1(1) スケジューラーサービスを追加する」(Windowsの場合)または「15.1.1(1) スケジューラーサービスを追加する」(UNIXの場合)を参照してください。
jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
(2) スケジューラーサービス追加時に組み込みDBをセットアップする場合
新しく組み込みDBを作成してスケジューラーサービスを追加する場合で,バックアップ強化機能を有効にするときは,jajs_setupコマンドに-Bオプションを指定して実行します。
物理ホストでスケジューラーサービスおよび組み込みDBをセットアップする手順については,「6.1.1(1) スケジューラーサービスを追加する」(Windowsの場合)または「15.1.1(1) スケジューラーサービスを追加する」(UNIXの場合)を参照してください。
jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
(3) 運用中の組み込みDBのバックアップ強化機能の設定を変更する場合
運用中の組み込みDBで,バックアップ強化機能の設定を変更する場合の手順を,次に示します。
-
バックアップ強化機能の設定を変更する組み込みDBのデータをバックアップする。
組み込みDBで使用していた次の情報をバックアップします。
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実行エージェント情報
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ルートジョブグループ以外のユニットの定義情報※
-
ルートジョブグループの情報※
-
ルートジョブグループのカレンダー情報※
-
ジョブネットの登録予定情報※
- 注※
-
バックアップ強化機能の設定を変更する組み込みDBにスケジューラーサービスが複数セットアップされている場合は,スケジューラーサービスの数だけバックアップの手順を繰り返してください。組み込みDBにセットアップされているスケジューラーサービスは,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
バックアップする手順の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップ」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 3.4 ajsrgexport,ajsrgimportコマンドによるジョブネットの実行登録状態のバックアップ・リカバリー」を参照してください。
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JP1/AJS3サービスを停止する。
論理ホストのJP1/AJS3 - Managerも含め,すべてのJP1/AJS3サービスを停止してください。
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ajsembdbstatusコマンドで設定変更対象の組み込みDBの設定を確認する。
コマンドの実行例を次に示します。
(例)設定変更対象の組み込みDBセットアップ識別子が「_JF0」の場合
ajsembdbstatus -c -id _JF0
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ajsembdbunset -eコマンドで,組み込みDB環境のデータを削除する。
コマンドの実行例を次に示します。
(例)設定変更対象の組み込みDBセットアップ識別子が「_JF0」の場合
ajsembdbunset -e -id _JF0
指定したセットアップ識別子の組み込みDB上にセットアップされているすべてのスケジューラーデータベースの情報が削除されます。ajsembdbunsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。
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ajsembdbbuildコマンドを実行し,組み込みDBを構築する。
バックアップ強化機能を有効にする場合は,-bオプションを指定して実行してください。バックアップ強化機能を無効にする場合は,-bオプションを指定しないで実行してください。
バックアップ強化機能を有効にする場合のコマンド実行例を次に示します。
(例)次の環境の組み込みDBを構築する場合
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データベースモデル:小規模
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データ領域ディレクトリ:C:\Program Files (x86)\Hitachi\JP1AJS2\embdb\_JF0\dbarea
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組み込みDB運用ディレクトリ:C:\Program Files (x86)\Hitachi\JP1AJS2\embdb\_JF0
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セットアップ識別子:_JF0
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ポート番号:22220
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バックアップ強化機能:有効
ajsembdbbuild -s -d "C:\Program Files (x86)\Hitachi\JP1AJS2\embdb\_JF0\dbarea" -i "C:\Program Files (x86)\Hitachi\JP1AJS2\embdb\_JF0" -id _JF0 -p 22220 -b
ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
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ajsembdbsetupコマンドを実行し,組み込みDBをセットアップする。
バックアップ強化機能を有効にする場合は,-bオプションを指定して実行してください。バックアップ強化機能を無効にする場合は,-bオプションを指定しないで実行してください。
バックアップ強化機能を有効にする場合のコマンド実行例を次に示します。
(例)次の組み込みDBに,バックアップ強化機能が有効なスケジューラーサービス「AJSROOT1」をセットアップする場合
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データベースモデル:小規模
-
セットアップ識別子:_JF0
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ポート番号:22220
ajsembdbsetup -F AJSROOT1 -ru s -id _JF0 -p 22220 -b
設定変更対象の組み込みDB上に複数のスケジューラーデータベースをセットアップしている場合は,必要なスケジューラーデータベースがセットアップされるように複数回ajsembdbsetupコマンドを実行してください。ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。
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ajsembdbstopコマンドを実行し,組み込みDBを停止する。
コマンドの実行例を次に示します。
(例)セットアップ識別子が「_JF0」の組み込みDBを停止する場合
ajsembdbstop -id _JF0
ajsembdbstopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstop」を参照してください。
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JP1/AJS3サービスをコールドスタートで起動する。
JP1/AJS3サービスをコールドスタートする手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」を参照してください。
複数の組み込みDBが構築されている環境で,一部の組み込みDBだけバックアップ強化機能の設定を変更する場合は,バックアップ強化機能の設定を変更する組み込みDBにデータを格納しているスケジューラーサービスだけコールドスタートしてください。
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手順1でバックアップした情報を回復する。
スケジューラーサービスが複数ある場合は,スケジューラーサービスの数だけリカバリーの手順を繰り返してください。回復する手順の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のリカバリー」を参照してください。
- 補足事項
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一部のスケジューラーサービスだけコールドスタートする場合の手順を次に示します。
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対象のスケジューラーサービスの起動を抑止する。
jajs_configコマンドを実行して,環境設定パラメーターAUTOSTARTの値を「no」に設定します。
jajs_configコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド jajs_config」を参照してください。
環境設定パラメーターAUTOSTARTについては「20.4.2(36) AUTOSTART」を参照してください。
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JP1/AJS3サービスを起動する。
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対象のスケジューラーサービスをコールドスタートする。
ajsstartコマンドに-cオプションを指定して実行し,対象のスケジューラーサービスをコールドスタートします。
ajsstartコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsstart」を参照してください。
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対象のスケジューラーサービスの起動抑止を解除する。
jajs_configコマンドを実行して,環境設定パラメーターAUTOSTARTの値を「yes」に設定します。
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