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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)


7.11 スケジューラーサービスの起動性能について

スケジューラーサービスの起動性能は,保存世代数を管理したり,停止前の状態と起動モードに応じて状態遷移したりするため,主に実行登録したルートジョブネットやその配下のユニット数,世代数,およびスケジューラーサービス停止時のユニット状態に影響を受けます。そのため,スケジューラーサービスの起動性能を検証するには,運用に合わせてルートジョブネットを実行登録し,保存世代数まで世代を保存した状態で,実行中のジョブやジョブネットが多いピーク時に,スケジューラーサービスを再起動して,起動に掛かる時間を確認してください。

スケジューラーサービスの起動開始と起動完了は,統合トレースログに出力される対象スケジューラーサービスのメッセージKNAD3705-IとメッセージKNAD3602-Iで確認できます。

ただし,起動条件付きジョブネットの世代が滞留し続けるなどで,検証時よりも世代数が多い場合は,検証した結果よりもスケジューラーサービスの起動に掛かる時間が増加します。

環境設定パラメーターCONDGENWARNINTや環境設定パラメーターMULTIMONWARNNUMを設定すると,起動条件付きジョブネットの世代が増え続けていることをメッセージKAVS1157-WやメッセージKAVS1156-Wの出力によって確認できます。メッセージを出力しないで確認する場合は,次のようにajsshowコマンドを実行することで世代数を確認できます。

ajsshow -F スケジューラーサービス名 -g a -i "%JJ %## %CC" -ERT /

また,環境設定パラメーターFLSTARTPERFIMPを有効にすることでスケジューラーサービスの起動処理を改善できるため,メッセージの出力やajsshowコマンドによる確認と合わせて設定することを検討してください。環境設定パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2 スケジューラーサービスの環境設定パラメーターの詳細」を参照してください。ajsshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsshow」を参照してください。

補足事項

起動モードによって実行される処理が異なります。ホットスタートでは,保存世代数管理と状態遷移のための処理をするのに対し,ウォームスタートでは,さらにスケジュール再計算をします。また,ウォームスタートに対し,ディザスターリカバリースタートでは,さらに状態遷移がすべて完了してから起動完了します。そのため,使用する起動モードで起動に掛かる時間を確認してください。