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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)


7.9 HTTP接続ジョブ使用時の注意事項

HTTP接続ジョブ使用時の注意事項を,エージェントホストのOSごとに次に示します。

なお,HTTP接続ジョブが起動失敗したり,異常終了したりする場合の要因や注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.6.2 標準ジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブのトラブルへの対処」もあわせて参照してください。

エージェントホストがWindowsの場合の注意事項
  • システムのリソース不足の発生を少なくするための対応

    ある数以上のジョブを同時に実行すると,システムの環境によってはシステムのリソース(デスクトップヒープ領域)不足が発生し,エラーになることがあります。こうした場合の対応として次のことを検討してください。

    ・JP1/AJS3サービスのアカウントをユーザーアカウントにしてください。JP1/AJS3サービスのアカウントを,ほかのサービスのアカウントやログオンユーザーと異なるユーザーアカウントにすれば,デスクトップヒープ領域を共用しないで運用できます。

    ・HTTP接続ジョブを実行するときによく使用するOSユーザーを,JP1/AJS3のサービスのアカウントと同じにすることで,デスクトップヒープ領域の消費を少なくできます。

  • HTTP接続ジョブが「起動失敗」状態にならないようにするための注意

    JP1/AJS3サービスの起動ユーザーに次に示す権限がないと,HTTP接続ジョブが「起動失敗」状態になることがあります。そのため,JP1/AJS3サービスの起動ユーザーに,次に示す権限を設定してください。

    ・HTTP接続ジョブの標準出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限

    ・HTTP接続ジョブの標準エラー出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限

  • ジョブで指定するファイル名を254バイト以内にする

    次に示すファイル名に文字数が255バイト以上のファイル名を指定した場合,ジョブが「起動失敗」状態または「異常検出終了」状態になることがあります。

    ・ジョブの標準出力ファイル名

    ・ジョブの標準エラー出力ファイル名

    ・ジョブの終了判定のファイル名

    上記のファイル名には,254バイト以内のファイル名を指定してください。

エージェントホストがLinuxの場合の注意事項
  • HTTP接続ジョブが「起動失敗」状態にならないようにするための注意

    JP1/AJS3サービスの起動ユーザーおよびHTTP接続ジョブの実行OSユーザーに,次に示すファイルおよび格納先ディレクトリに対する書き込み権限および読み込み権限がないと,ジョブが「起動失敗」状態になることがあります。そのため,JP1/AJS3サービスの起動ユーザーに,次に示すファイルおよび格納先ディレクトリに対する書き込み権限および読み込み権限を設定してください。

    ・HTTP接続ジョブの標準出力ファイル

    ・HTTP接続ジョブの標準エラー出力ファイル

    ・実行OSユーザーのホームディレクトリ

    ・ジョブ実行制御のログファイル

注※

ジョブ実行制御で使用するログファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.5 ログファイルおよびディレクトリ一覧」を参照してください。

  • ジョブ実行時のリソース制限値についての注意事項

    UNIX版JP1/AJS3では,JP1/AJS3起動時のリソース制限値がジョブ実行時にも有効になります。そのため,リソースの制限値を設定したい場合は,JP1/AJS3の起動ユーザーであるrootユーザーに対して設定してください。ただし,実行するHTTP接続ジョブに制限値を指定した場合は,指定した値が有効になります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5 ジョブ実行環境設定」を参照してください。

    ファイルサイズの制限値を変更する例を次に示します。

  1. rootユーザーのログインプロファイル(通常は[/.profile]($HOME/.profile))に次に示す記述を設定する。

    fsizeには必要なファイルサイズを設定します。無制限にする場合は,unlimitedを設定してください。

    ulimit -f fsize

  2. rootユーザーでログインする。

  3. JP1/AJS3サービスをrootユーザーで起動する。

    fsizeの値が有効になります。

注意事項

OSのリソース設定ファイル(/etc/security/limits.conf)の値は,telnet接続などで起動されるloginコマンド経由のプロセスでだけ有効になります。JP1/AJS3から起動されるHTTP接続ジョブは,サービスから起動されるプロセスであるためOSのリソース設定ファイルの設定は有効になりません。

  • JP1/AJS3サービスを自動起動している場合の注意

    JP1/AJS3サービスを自動起動している場合,rootユーザーのログインプロファイルは読み込みません。そのため,ログインプロファイルでrootユーザーのリソース制限値を変更する設定にしても,手動でログインしてJP1/AJS3サービスを起動した際に設定されるリソース制限値と値が異なることがあります。この場合,ジョブ実行環境の環境設定パラメーターでリソース制限値を設定してください。ジョブ実行環境の環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5 ジョブ実行環境設定」を参照してください。

    また,リソース制限値はJP1/AJS3の自動起動スクリプト(/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start)にも記載できます。その場合は,十分な検証を実施した上で運用してください。

    なお,HTTP接続ジョブ実行時のグループIDは,rootユーザーでログインしたときに設定されるグループIDと異なります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 5.4.12 ジョブ実行時のグループID(UNIX限定)」を参照してください。

  • OSユーザーを登録または更新する場合の注意

    HTTP接続ジョブ実行中に,システム管理者権限でpasswdコマンドなどによってOSユーザーを登録または更新しないでください。OSユーザーの登録または更新が終了したあとにHTTP接続ジョブを実行してください。