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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)


2.4.8 異なるジョブネットにあるユニット同士の実行順序を制御する(待ち合わせ条件を使ったジョブネットの定義例)

〈この項の構成〉

(1) 異なるジョブネットにあるユニット同士を連携する

異なるジョブネットにあるユニット同士の実行順序を制御するには,待ち合わせ条件を使用してユニットを定義します。

次のようなジョブネットを,待ち合わせ条件を使って定義することを想定します。

なお,「業務A」および「業務B」は,1日1回,月曜日〜金曜日に実行するように定義済みであるとします。

このようなジョブネットを,待ち合わせ条件を使って定義する例を,次の図に示します。

図2‒95 待ち合わせ条件を使用したユニットの定義例

[図データ]

この例の場合,まず,集計処理をするルートジョブネット「集計処理」を作成し,「ジョブ1−ジョブ2−ジョブ3」の順序で実行するようにジョブを定義します。ジョブ2は「業務A」および「業務B」の実行終了後に実行を開始する必要があるため,ジョブ2には待ち合わせ条件を定義します。待ち合わせ対象ユニットには「業務A」および「業務B」を,待ち合わせ方法には「AND」を指定します。待ち合わせ対象ユニットに実行予定世代がない場合の設定は,運用に合わせて決定します。

次に,「集計処理」のスケジュールを定義します。「集計処理」は「業務A」および「業務B」と同じ日に実行する必要があるため,スケジュールルールは「業務A」および「業務B」に合わせて定義します。この例の場合,「業務A」および「業務B」は月曜日〜金曜日に実行するように定義されているため,「集計処理」も月曜日〜金曜日に実行するように定義します。

ユニットの定義,待ち合わせ条件の設定,およびスケジュールの定義が完了したら,「業務A」,「業務B」,および「集計処理」を実行登録します。実行登録すると,ジョブ2は「業務A」および「業務B」が実行終了するのを待ち合わせ,「業務A」および「業務B」が実行終了すると実行を開始します。

実行開始後の待ち合わせ条件付きユニット,および待ち合わせ対象ユニットの運用方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 8.3 待ち合わせ条件に関する運用方法」を参照してください。

(2) ジョブフローに繰り返し処理を組み込む(起動条件と待ち合わせ条件を組み合わせた定義例)

繰り返し処理を行うユニットをジョブフローに組み込むには,起動条件と待ち合わせ条件を組み合わせてユニットを定義します。

次のような業務を,待ち合わせ条件を使って定義することを想定します。

なお,スケジュールはそれぞれのルートジョブネットで定義済みであるとします。

このような業務を,起動条件と待ち合わせ条件を使って定義する例を,次の図に示します。

図2‒96 起動条件と待ち合わせ条件を組み合わせたユニットの定義例

[図データ]

この例の場合,まず,ルートジョブネット「集計処理」を定義します。「集計処理」で実行するジョブを定義したあと,ルートジョブネットが一定間隔で実行するように設定します。設定手順を次に示します。

  1. 起動条件を作成し,実行間隔制御ジョブを定義する。

  2. 実行間隔制御ジョブの[待ち時間]に60分を設定する。

  3. スケジュールルールを作成し,次のように定義する。

    • [開始時刻]:絶対時刻で18:00

    • [起動条件]:使用する

    • [起動条件の有効範囲]の[回数]:6回

次に,ルートジョブネット「データ整理」を定義します。「データ整理」で実行するジョブを定義したあと,「集計処理」の実行終了を待ち合わせるために,待ち合わせ条件を定義します。待ち合わせ条件の設定項目を次に示します。

ユニットの定義,スケジュールの定義,および待ち合わせ条件の設定が完了したら,「集計処理」および「データ整理」を実行登録します。実行登録すると,「集計処理」は18:00から1時間おきに6回実行します。「集計処理」のすべての実行世代が実行終了すると,実行世代が異常終了したかどうかに関係なく,「データ整理」が実行を開始します。

実行開始後の待ち合わせ条件付きユニット,および待ち合わせ対象ユニットの運用方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 8.3 待ち合わせ条件に関する運用方法」を参照してください。