Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


付録D.1 クラスタ運用しない場合の接続例と通信設定

複数のLANに接続した環境(ネットワークを分離した環境)で,クラスタ運用しない場合の接続例と通信設定について説明します。JP1/AJS3 - Manager,およびJP1/AJS3 - Agentのそれぞれが,複数のLANに接続されている場合に分けて説明します。

〈この項の構成〉

(1) クラスタ運用しないでJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続する場合

JP1/AJS3 - Managerが複数のLANに接続されている場合,接続されているすべてのLAN上にあるJP1/AJS3 - Agent,JP1/AJS3 - View,またはJP1/AJS3 - Managerと接続してJP1/AJS3を運用できます。なお,各ホストは相互にホスト名が解決できるOSの環境が必要です。

(a) JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Agentと連携する場合

JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続した場合,複数のLAN上のJP1/AJS3 - Agentでジョブが実行できます。JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Agentでジョブを実行する場合の接続例を次の図に示します。

図D‒1 JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続する場合の例(JP1/AJS3 - Agentとの接続)

[図データ]

JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されています。それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Agentがインストールされています。

このシステム構成では,ホストhostXをマネージャーホストとして,管理LANにあるエージェントホストhost10,および業務LANにあるエージェントホストhostA,hostBに対して,ジョブを実行できます。

各ホストでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用していない場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。

(b) JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Viewと連携する場合

JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続した場合,複数のLAN上のJP1/AJS3 - Viewからユニットを操作することができます。JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Viewからユニットを操作する場合の接続例を次の図に示します。

図D‒2 JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続する場合の例(JP1/AJS3 - Viewとの接続)

[図データ]

JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されています。それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Viewがインストールされています。

このシステム構成では,ホストhostXのマネージャーホストに対し,管理LANにあるホストhost10,および業務LANにあるホストhostA,hostBのJP1/AJS3 - Viewからユニットを操作することができます。

ホストhostXでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用していない場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。

(c) JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Managerと連携する場合

JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続した場合,複数のLAN上のJP1/AJS3 - Managerでリモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりできます。

JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Managerでリモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりする場合の接続例を次の図に示します。

図D‒3 JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続する場合の例(JP1/AJS3 - Managerとの接続)

[図データ]

JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されています。それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Managerがインストールされています。

このシステム構成では,ホストhostXのマネージャーホストから,管理LANにあるマネージャーホストhost10,および業務LANにあるマネージャーホストhostA,hostBに接続して,リモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりできます。

ホストhost10,hostA,hostBでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用していない場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。

(2) クラスタ運用しないでJP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続してジョブを実行する場合

JP1/AJS3 - Agentが複数のLANに接続されている場合,接続されているすべてのLAN上のJP1/AJS3 - Managerからジョブを実行できます。なお,各ホストは相互にホスト名が解決できるOSの環境が必要です。

JP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続して,それぞれのLAN上にあるJP1/AJS3 - Managerからジョブを実行する場合の接続例を次の図に示します。

図D‒4 JP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続する場合の例(JP1/AJS3 - Managerとの接続)

[図データ]

JP1/AJS3 - AgentがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されています。それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Managerがインストールされています。

このシステム構成では,ホストhostXをエージェントホストとして,管理LANにあるマネージャーホストhost10,および業務LANにあるマネージャーホストhostA,hostBから,ジョブを実行できます。

各ホストでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用していない場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。

(3) 注意事項

JP1/AJS3 - Manager,またはJP1/AJS3 - AgentがインストールされているホストhostXの受信をIPバインド方式にした場合は,ホストhostXで,管理LAN側のIPアドレスと,業務LAN側のIPアドレスの両方をjp1hostsまたはjp1hosts2に設定する必要があります。この作業をしないと,ホスト間の通信が意図したとおりに行われない場合があります。例えばホストhostXでjp1hostsまたはjp1hosts2に管理LAN側のIPアドレスの記載しかない場合は業務LAN側(hostA,およびhostB)からhostXに対する通信がエラーになることがあります。