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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


7.1.10 JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定

ジョブ情報削除処理は,環境設定で指定したジョブ情報削除の基準時刻,およびJP1/AJS3サービス起動時に実行されます。ジョブ情報削除の基準時刻に実行される場合は基準時刻を基点として保存日数を超えたジョブ情報が削除の対象です。また,JP1/AJS3サービス起動時に実行される場合,JP1/AJS3起動時刻を基点として保存日数を超えたジョブ情報すべてが削除の対象です。ジョブを大量に実行している状況でクラスタ構成によるフェールオーバーや,システム障害などによってJP1/AJS3サービスが再起動された場合,ジョブ情報の削除処理と競合してジョブの実行性能が低下することがあります。

次に示すどちらかのオプションを使用してJP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報の削除処理を抑止することで,ジョブ情報の削除処理とジョブ実行の競合を回避できます。

ジョブ情報の保存日数を1日以上設定している場合に,JP1/AJS3サービス起動時にジョブ情報の削除処理を抑止するように設定する手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。

    Windowsの場合

    Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止します。

    ・JP1/AJS3サービス

    UNIXの場合

    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop

    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※ 自動停止の設定がされていることを確認してください。

  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
  3. JP1/AJS3を再起動する。

    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表7‒7 JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定の環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQMANAGER\Database]

"StartUpDelete"=

JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する定義

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5.2(9) StartUpDelete」を参照してください。

(3) JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定と動作

JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定と,削除処理を行うかどうかの関係について次に示します。

表7‒8 JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定と削除処理を行うかどうかの関係

JP1/AJS3起動時にジョブ情報削除処理を抑止する設定

JP1/AJS3起動時のジョブ情報削除処理

削除対象のジョブ情報の基点となる時刻

0

基準時刻

1

JP1/AJS3サービス起動時刻

2

×

(凡例)

○:削除処理を行う

×:削除処理を行わない

−:該当なし

注※

前回のジョブ情報削除の基準時刻にジョブ情報が削除されていれば,JP1/AJS3サービス起動時のジョブ情報削除処理ではジョブ情報を削除しません。