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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


7.1.8 ジョブ情報削除処理非同期オプションの設定

JP1/AJS3では,ジョブ情報削除基準時刻,およびJP1/AJS3起動時にジョブ実行環境で使用するISAMデータベースからジョブ情報保存日数を経過したジョブを削除します。通常は,データファイルの更新モードオプションで同期が設定されています。同期の場合,JP1/AJS3が書き込み処理を終了するたびにメモリーにあるバッファーの内容をディスクに書き込むため信頼性は向上しますが,ディスクI/Oが頻繁に行われるために処理に時間が掛かります。したがって,この処理と並行してジョブを実行すると,ジョブの実行性能にも影響するおそれがあります。ジョブ情報保存日数を1日以上とした場合は,ジョブが多量に実行されていない時刻を見積もってジョブ情報削除の基準時刻として設定してください。

ジョブが多量に実行されていない時刻を見積もれない場合は,次のオプションを設定すると,ジョブ情報の削除については非同期で行うことができ,ジョブ情報削除処理に掛かる時間を削減できます。非同期にするとJP1/AJS3での処理とは同期を取らないでOSのバッファーリングによってディスクに書き込むため,ディスクI/O回数が減少します。このため,削除処理と並行してジョブが実行された場合にジョブの実行性能に与える影響を抑えることができます。ただし,RAIDシステムの場合は,性能差があまり出ないおそれがあります。また,非同期はメモリー上で管理されている情報とディスクに書き込まれた情報が不一致になるタイミングが発生しやすく,信頼性が低下するためクラスタ構成には向きません。運用する環境を十分検討した上で使用してください。

このオプションは,データファイルの更新モードオプションで同期が指定されている場合に限り有効です。

ジョブ情報の削除処理を非同期で行う場合の設定手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。

    Windowsの場合

    Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止します。

    ・JP1/AJS3サービス

    UNIXの場合

    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop

    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※ 自動停止の設定がされていることを確認してください。

  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
  3. JP1/AJS3を再起動する。

    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表7‒5 ジョブ情報削除処理非同期オプション設定の環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQMANAGER\Database]

"DeleteFlashOption"=

ジョブ情報削除処理非同期オプション

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5.2(7) DeleteFlashOption」を参照してください。