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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


4.3.3 ジョブの実行に関するオプションについて検討する

ジョブを実行するときに,オプションとして設定できるジョブ実行環境の環境設定項目(環境設定パラメーター)の検討について説明します。運用する環境に合わせて設定を検討してください。

ここで説明していないジョブ実行環境の環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5 ジョブ実行環境設定」を参照してください。

また,設定方法の手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 4.2 環境設定パラメーターの設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 14.2 環境設定パラメーターの設定」(UNIXの場合)を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する

JP1/AJS3のインストールパスがジョブの実行先エージェントホストごとに異なる運用をする場合,またはジョブの実行先エージェントホストでJP1/AJS3のインストールパスが環境変数PATHに定義されていない場合,ジョブの実行先エージェントホストでインストールパスを変数として定義すると,インストール先を意識しないでジョブを実行できます。

ジョブとして実行する実行ファイルの保存先が,あるエージェントホストではCドライブ,あるエージェントホストではDドライブというように,異なる環境でJP1/AJS3を運用する場合は,ジョブ実行時のワークパスを変数として定義することを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」(UNIXの場合)を参照してください。

(2) ジョブをロングファイル名で実行させる(Windows限定)

ジョブ実行時,ジョブの実行ファイルの名称は,通常,NTFS(NT File System)およびFAT(File Allocation Table)ボリューム上のファイル用に生成されたショートファイル名に変換されます。ジョブの実行ファイルをショートファイル名に変換しないでロングファイル名で実行したい場合は,このオプションを有効にすることを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.15 ジョブをロングファイル名で実行するための設定」を参照してください。

(3) 転送元ファイルの検索パスを定義する

JP1/AJS3では,ジョブを実行するために必要なテキストファイルをマネージャーホストからエージェントホストに転送して,ジョブを実行できます。例えば,転送ファイルには,実行ファイルの環境(パスなど)を定義した設定ファイル(.iniファイル)などを転送できます。

マネージャーホストからエージェントホストに転送するファイル名を指定する場合,あらかじめ検索するパスを定義しておけば,そのパスに転送するファイルがあるかを探し,あればそのファイルが転送ファイルになります。

転送するファイルのパスを省略して定義したい運用をする場合に,このオプションを有効にすることを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.2 転送元ファイルの検索パスを定義する」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.2 転送元ファイルの検索パスを定義する」(UNIXの場合)を参照してください。

(4) エージェントのパイプ通信タイムアウト値を設定する(UNIX限定)

ジョブ実行制御のエージェントプロセス間通信でパイプ通信のタイムアウトエラーが発生することがあります。その原因として,次のことが考えられます。

これらの発生条件が解消されないでパイプ通信のタイムアウトエラーが頻繁に発生するような状況が考えられる場合は,エージェントプロセスが実行されるホスト上のパイプ通信タイムアウト時間を長めに変更して運用することを推奨します。

重要

パイプ通信タイムアウト時間に長い時間を設定すると,ジョブの障害検知が遅くなることがあるため注意してください。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.15 エージェントのパイプ通信タイムアウト値の変更」を参照してください。

(5) ファイル受信制限を設定する

バージョン11-00以降のJP1/AJS3を新規インストールした場合,ジョブ実行時の結果ファイル(標準出力ファイルおよび標準エラー出力ファイル)や転送ファイルのファイルサイズの上限値として,5メガバイトが設定されます。

注※

PCジョブ,UNIXジョブ,カスタムジョブ,JP1/AJS3で実行するQUEUEジョブ,およびサブミットジョブが対象です。イベントジョブ,引き継ぎ情報設定ジョブ,HTTP接続ジョブ,フレキシブルジョブ,およびキューレスジョブは対象外です。

この上限値を超えると,結果ファイルの場合は上限値を超えたデータが破棄され,転送ファイルの場合は上限値を超えたデータが受信されません。また,上限値を超える標準出力ファイルを使用して引き継ぎ情報設定ジョブを実行すると,情報を正しく引き継げないことがあります。

このような場合は,ファイル受信制限の設定値を調整してください。設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照してください。

(6) ファイル送信制限を設定する

バージョン11-00以降のJP1/AJS3を新規インストールした場合,ジョブ実行時の結果ファイル(標準出力ファイルおよび標準エラー出力ファイル)のサイズの上限値として,3メガバイトが設定されます。

注※

PCジョブ,UNIXジョブ,カスタムジョブ,JP1/AJS3で実行するQUEUEジョブ,およびサブミットジョブが対象です。イベントジョブ,引き継ぎ情報設定ジョブ,HTTP接続ジョブ,フレキシブルジョブ,およびキューレスジョブは対象外です。

結果ファイルの場合,上限値を超えたデータは破棄され,送信されません。また,上限値を超える標準出力ファイルを使用して引き継ぎ情報設定ジョブを実行すると,情報を正しく引き継げないことがあります。

このような場合は,ファイル送信制限の設定値を調整してください。設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.27 ファイル送信制限をするための設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.24 ファイル送信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照してください。