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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


3.2.1 ネットワーク上を流れるデータ量を見積もる

次のデータ量の見積もりについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量を見積もる

ジョブの実行と,実行結果の転送に関するデータについて見積もります。

JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

なお,キューレスジョブを使用する場合も同様のデータ量を見積もってください。

表3‒5 JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量の見積もり

情報の種類

1ジョブ当たりの転送データ量の見積もり(単位:バイト)

ジョブの実行要求転送

ジョブネットから実行する場合

2,300

+ UNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,およびHTTP接続ジョブの定義情報で定義した内容※1

+(8*指定した環境変数の数

+ ユニット完全名長*2

+ エージェントホスト名サイズ*2

+ マネージャーホスト名サイズ*3

+ 転送ファイルのサイズ※2

jpqjobsubコマンドから実行する場合

2,300

+ jpqjobsubコマンドの各オプションとオプションに指定した値の合計サイズ

+(8*指定した環境変数の数

+ エージェントホスト名サイズ*2

+ マネージャーホスト名サイズ*3

+ 転送ファイルのサイズ※2

ジョブの結果転送

600

+ マネージャーホスト名サイズ

+ エージェントホスト名サイズ

+ 結果ファイル(標準出力,標準エラー出力)のサイズ※3

イベントジョブの

実行要求転送

最小:256

最大:25,600

イベントジョブの

結果転送

最小:512

最大:7,168

注※1

各ジョブの定義情報で定義した内容については,次のマニュアルを参照してください。

  • マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsprint」

  • マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 5.2.6 UNIX/PCジョブ定義情報の記述方法」

  • マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 5.2.26 フレキシブルジョブ定義情報の記述方法」

  • マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 5.2.27 HTTP接続ジョブ定義情報の記述方法」

また,該当ジョブにイベントジョブで受信した情報を引き継ぐ場合には,上記の値にマクロ変数のサイズを追加してください。各イベントジョブで引き継ぐ情報のサイズについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 付録B イベントジョブで引き継ぐ情報」を参照してください。

注※2

転送ファイルのサイズの見積もり式は次のとおりです。

ファイル数
 Σ(ファイル名長ファイルサイズ+(12*ファイル行数)+100)
注※3

結果ファイルのサイズの見積もり式は次のとおりです。

ファイル数
 Σ(結果ファイルサイズ+(12*ファイル行数)+116)

また,上記以外に障害が発生しているエージェントホストを監視したり,実行登録したジョブをポーリング監視したりする場合にも,JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間でデータのやり取りが発生します。これらの1回のポーリング当たりのデータ量を次に示します。ただし,キューレスジョブの場合は,ポーリング監視は行われません。

表3‒6 JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のポーリング監視でのデータ量の見積もり

情報の種類

1回のポーリング当たりの転送データ量の見積もり(単位:バイト)

障害中のエージェントホストの状態確認要求転送

300

実行中ジョブの状態確認要求転送

350 + エージェントホスト名サイズ

(2) JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量を見積もる

ジョブネットの定義などに関するデータ量を見積もります。操作のための通信などは,データサイズが比較的小さいため,ここでは見積もりません。

JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

表3‒7 JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もり

表示ウィンドウ

転送データ量の見積もり(単位:バイト)

JP1/AJS3 - View(メイン画面)

ユニット数*500

JP1/AJS3 - View(サマリー監視画面)

全スケジュール数※1*400

ジョブネットエディタ

ユニット数*250 + 関連線の数*50

ジョブネットモニタ

ユニット数*300 + 関連線の数*50

デイリースケジュール,またはマンスリースケジュール

全スケジュール数※1,※2*150

検索

検索結果数*450

注※1

ルートジョブネット下のすべてのユニットの,実行予定および実行結果の数です。

操作対象がジョブグループの場合は,ジョブグループ直下のルートジョブネット下の,すべてのユニットの実行予定および実行結果の数です。

注※2

[マンスリースケジュール]ウィンドウで未登録ユニットの実行スケジュールを表示する場合は,未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

データ量の見積もり例を次に示します。

JP1/AJS3 - Viewは,指定された間隔で自動的にJP1/AJS3 - Managerから情報を取得します(デフォルトは[ジョブネットモニタ]ウィンドウでは30秒,その他のウィンドウでは300秒です。30秒から設定できます)。ネットワークを流れるデータ量を見積もる必要がある場合には,JP1/AJS3 - Viewの更新間隔と,それぞれのウィンドウに必要なデータサイズから算出します。

(3) Web ConsoleサーバとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量を見積もる

ジョブネットの状態取得などに関するデータ量を見積もります。操作のための通信などは,データサイズが比較的小さいため,ここでは見積もりません。

Web ConsoleサーバとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

表3‒8 Web ConsoleサーバとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もり

情報の種類

転送データ量の見積もり(単位:バイト)

[ダッシュボード]画面の表示に必要な情報

監視対象ユニットごとに使用するデータ量の和※1 + 10,900

[リスト]画面の表示に必要な情報

ユニット数*370 + 2,100

[マンスリースケジュール]画面の表示に必要な情報

18,300 + ユニット数*(全スケジュール数※2 + 1日のスケジュール数※3)*440

[モニタ]ダイアログボックスの表示に必要な情報※4

ユニット数*820 + 関連線の数*50 + 22,430

ユニット一覧の取得APIで取得する情報

ユニット数*4,400 + 3,025

[実行エージェント管理]画面の表示に必要な情報

実行エージェント数*800 + 5,300

[実行エージェントグループ管理]画面の表示に必要な情報

実行エージェントグループ数*(500 + (関連づけされている実行エージェント数*300)) + 5,300

注※1

「監視対象ユニットごとに使用するデータ量の和」の見積もり式は次のとおりです。

ユニット数監視対象日当日の世代数*1,600 + 2,740

注※2

スケジュールエリアで表示される月の実行予定および実行結果の数です。未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

注※3

リストエリアで表示される1日分の実行予定および実行結果の数です。未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

注※4

[モニタ]画面の転送データ量の見積もりは,[モニタ]ダイアログボックスと同じです。

ユニット一覧の取得APIで条件に合うユニット数が20個の場合の,転送データ量の見積もり例を次に示します。

20*4,400+3,025=91,025(単位:バイト)

(4) Web GUIとWeb Consoleサーバ間のデータ量を見積もる

ジョブネットの状態取得などに関するデータ量を見積もります。操作のための通信などは,データサイズが比較的小さいため,ここでは見積もりません。

Web GUIとWeb Consoleサーバ間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

表3‒9 Web GUIとWeb Consoleサーバ間のデータ量の見積もり

表示ウィンドウ

転送データ量の見積もり(単位:バイト)

[ダッシュボード]画面

監視対象ユニットごとに使用するデータ量の合計値※1 + 20,200

[リスト]画面

ユニット数*4,700 + 3,700

[マンスリースケジュール]画面

4,000 + ユニット数スケジュールが存在する日の数※2*1,400 + 1日のスケジュール数※3*1,200

[モニタ]ダイアログボックス※4

ユニット数*4,100 + 関連線の数*70 + 13,200

[操作許可設定の適用]ダイアログボックス※5

[操作許可設定の適用]ダイアログボックスで指定した操作許可設定ファイルのファイルサイズ + 1,700

メッセージダイアログ(操作許可設定ファイルの取得確認)※6

接続先マネージャーホストで適用されている操作許可設定ファイルのファイルサイズ + 1,100

[実行エージェント管理]画面の表示に必要な情報

実行エージェント数*800 + 1,200

[実行エージェントグループ管理]画面の表示に必要な情報

実行エージェントグループ数*(500 + (関連づけされている実行エージェント数*300)) + 1,000

注※1

監視対象ユニットごとに使用するデータ量の見積もり式は次のとおりです。

ユニット数監視対象日当日の世代数*3,900 + 1,590

注※2

スケジュールエリアで表示される実行予定および実行結果が存在する日の数です。未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

注※3

リストエリアで表示されるユニットの1日分の実行予定および実行結果の数です。未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

注※4

[モニタ]画面の転送データ量の見積もりは,[モニタ]ダイアログボックスと同じです。

注※5

Web GUIの操作制限機能が有効な場合に使用するデータです。

Web GUIの[管理]メニューから[操作許可設定]−[適用]を選択すると表示され,適用する操作許可設定ファイルを指定できるダイアログボックスです。なお,操作許可設定ファイルの最大サイズは3メガバイトです。

注※6

Web GUIの操作制限機能が有効な場合に使用するデータです。

Web GUIの[管理]メニューから[操作許可設定]−[取得]を選択すると表示され,操作許可設定ファイルを取得してよいかどうか確認するメッセージです。なお,操作許可設定ファイルの最大サイズは3メガバイトです。

データ量の見積もり例を次に示します。

なお,Web GUIで自動更新が「ON」の場合,Web GUIとWeb Consoleサーバが一定間隔で通信するとともに,Web ConsoleサーバとJP1/AJS3 - Managerも一定間隔で通信します。

(5) ユーザーアプリケーションとWeb Consoleサーバ間のデータ量を見積もる

ジョブネットの状態取得などに関するデータ量を見積もります。操作のための通信などは,データサイズが比較的小さいため,ここでは見積もりません。

ユーザーアプリケーションとWeb Consoleサーバ間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

表3‒10 ユーザーアプリケーションとWeb Consoleサーバ間のデータ量の見積もり

情報の種類

転送データ量の見積もり(単位:バイト)

ユニット一覧の取得API

ユニット数*7,040 + 2,600

ユニット一覧の取得APIで条件に合うユニット数が20個の場合の,転送データ量の見積もり例を次に示します。

20*7,040 + 2,600=143,400(単位:バイト)