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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


2.5.4 ジョブ実行多重度の検討

JP1/AJS3では,エージェントホストで同時に実行できるジョブ数の最大値としてジョブ実行多重度を設定できます。ジョブ実行多重度に設定した値以上のジョブをエージェントホストで同時に実行しようとした場合,ジョブは実行待ち状態となります。ジョブ実行多重度を設定することによって,時間帯を分けてジョブ数を制限して負荷を分散させたり,複数のエージェントホストを接続している場合に複数のエージェントに負荷を分散させたりして運用できます。

ジョブ実行多重度は実行エージェント単位に指定します。実行エージェントグループ単位では指定できません。また,ジョブ実行多重度で同時実行数が制限されるジョブは,キューレスジョブを除くUNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,および引き継ぎ情報設定ジョブです。

QUEUEジョブ,サブミットジョブのジョブ実行多重度の指定方法,および注意事項については,「7.1.1(4) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の検討時の注意事項」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブ実行多重度設定時の注意事項

ジョブ実行多重度の設定時の注意事項を次に示します。

(2) ジョブのキューイング状態が続く場合にジョブ実行多重度に達しているかを確認する

エージェントホストで実行中のジョブ数が,ジョブ実行多重度に達しているために後続のジョブの状態がキューイングのままとなり,ジョブが実行されるまでに時間が掛かることがあります。現在実行中のジョブ数がジョブ実行多重度に達しているかを確認するには,ajsagtshowコマンドを実行し,現在実行中のジョブ数(JOB)と,ジョブ実行多重度(CON-EXE)を確認してください。ajsagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtshow」を参照してください。なお,この操作はJP1/AJS3 - Web Consoleからも実行できます。

また,ジョブ実行多重度に達しているためにジョブが登録できない場合,次に示すメッセージを統合トレースログに出力するようにあらかじめ設定しておくことで,ジョブの実行に時間が掛かった要因がジョブ実行多重度到達であるかどうかを確認できます。

KAVU4310-I エージェント(エージェントホスト名)で実行中のジョブ数がジョブ実行多重度(ジョブ実行多重度)に達しています(ホスト名:ホスト名,ジョブ番号:ジョブ番号

設定方法の詳細については,次の個所を参照してください。

Windowsの場合

マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.2.13 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定」

UNIXの場合

マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.2.13 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定」