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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


4.6.1 Web Consoleサーバの環境設定について検討する

ここでは,Web Consoleサーバの環境設定のうち,事前に検討が必要な項目について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Web Consoleサーバのログのサイズと面数

Web Consoleサーバでは,次の3種類のログを出力します。

それぞれのログの,デフォルトのサイズと面数を次に示します。

表4‒14 Web Consoleサーバが出力するログのデフォルトのサイズと面数

項番

ログの種類

デフォルトのサイズ

デフォルトの面数

1

コマンドログ

128キロバイト

2

2

アプリケーションサーバログ

8,192キロバイト

2

3

アプリケーションサーバ共通ログ

8,192キロバイト

2

コマンドログおよびアプリケーションサーバログは,必要に応じて,出力するログのサイズと面数を変更できます。アプリケーションサーバ共通ログのログのサイズと面数は変更できません。

コマンドログおよびアプリケーションサーバログのサイズと面数は,環境設定ファイル(ajs3web.conf)で設定します。環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(UNIXの場合)を参照してください。

(2) Web Consoleサーバのタイムゾーン

Web GUIまたはユーザーアプリケーションの日時情報は,クライアントホストのタイムゾーンとは関係なく,マネージャーホストのタイムゾーンに従って表示されます。そのため,Web Consoleサーバとマネージャーホストのタイムゾーンが異なる場合,Web Consoleサーバの環境設定ファイル(ajs3web.conf)に,マネージャーホストのタイムゾーンを設定しておく必要があります。

Web Consoleサーバとマネージャーホストのタイムゾーンの例を次の図に示します。

図4‒11 Web Consoleサーバとマネージャーホストのタイムゾーンの例

[図データ]

この例では,Web ConsoleサーバのタイムゾーンはJST,マネージャーホストA〜Cのタイムゾーンは,それぞれJST,Asia/Shanghai,America/New_Yorkです。Web GUIの表示時刻は,それぞれ接続先のマネージャーホストのタイムゾーンになります。

マネージャーホストAに接続する場合は,環境設定ファイル(ajs3web.conf)による設定は不要です。マネージャーホストBまたはマネージャーホストCに接続する場合は,マネージャーホストとWeb Consoleサーバのタイムゾーンが異なるため,環境設定ファイル(ajs3web.conf)にタイムゾーンの設定が必要です。

環境設定ファイル(ajs3web.conf)に指定できるタイムゾーンの種類は,ajswebtz.batコマンド(Windowsの場合)またはajswebtzコマンド(Linuxの場合)で,一覧で表示できます。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajswebtz.bat(Windows限定)」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajswebtz(Linux限定)」を参照してください。

環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),または「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(UNIXの場合)を参照してください。

(3) Web GUIの表示色の変更

Web GUIの各画面およびダイアログボックスで表示されるユニットの,状態を表す色について検討します。Web Consoleサーバ上の表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)の設定を変更することで,表示色を変更できます。

表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.8 表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.8 表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)の設定項目の詳細」(Linuxの場合)を参照してください。

ユニットの状態を示す表示色の変更

Web GUIの各画面およびダイアログボックスで表示されるユニットの,状態を表す色を変更できます。対象となる画面およびダイアログボックスと,表示色を変更できる項目の一覧を次の表に示します。なお,アイコンは背景色だけが変更対象です。

表4‒15 表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)で表示色を変更できる項目

項番

画面およびダイアログボックス

表示色を変更できる項目

1

[ダッシュボード]画面

ルートジョブネットの状態エリア

実行進捗度(ルートジョブネット単位)

2

ルートジョブネット状態アイコン

3

実行進捗度(全ユニット単位)

4

ユニット状態アイコン

5

詳細情報エリア

[リスト]タブ

「状態」列のアイコン

6

[保留設定]ボタンのアイコン

7

[保留解除]ボタンのアイコン

8

[チャート]タブ

実行スケジュール

9

[リスト]画面

リストエリア

「状態」列のアイコン

10

「結果」列のアイコン

11

[モニタ]ダイアログボックス,[モニタ]画面

マップエリア

ユニットのアイコン

12

画面およびダイアログボックス上部

[保留設定]ボタンのアイコン

13

[保留解除]ボタンのアイコン

14

[中断]ボタンのアイコン

15

[強制終了]ボタンのアイコン

16

[再実行]ボタンのアイコン

17

[世代選択]ダイアログボックス

「状態」列のアイコン

18

[マンスリースケジュール]画面

スケジュールエリア

実行スケジュール

19

リストエリア

「状態」列のアイコン

20

画面上部

[保留設定]ボタンのアイコン

21

[保留解除]ボタンのアイコン

JP1/AJS3 - Viewと同じ表示色の設定

モデルファイルajs3web_color_view.conf.modelを使用することで,JP1/AJS3 - Viewのデフォルトの表示色と同じ表示色に設定できます。また,JP1/AJS3 - Viewの表示色を変更している場合は,表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)の定義内容を変更することで,JP1/AJS3 - Viewの変更後の表示色と同じ表示色に設定できます。

遅延の表示

ユニットが遅延状態の場合に,アイコンおよび状態/結果のカラーイメージを「遅延状態」の色で表示するかどうかを指定できます。

また,ユニットの状態で,異常,警告,または遅延の状態が同時に発生した場合,どの状態の表示色でアイコンを表示するかという優先度を,表示色設定ファイル(ajs3web_color.conf)のパラメーター「DELAY_COLOR_PRIORITY」で指定できます。指定できる値は次のとおりです。

  • A-W-D

    異常>警告>遅延の順で優先させて表示します。

  • A-D-W

    異常>遅延>警告の順で優先させて表示します。

  • D-A-W

    遅延>異常>警告の順で優先させて表示します。

例えば,終了遅延し,かつ異常終了したジョブネットの表示色は,「A-W-D」を指定している場合,異常終了の表示色(薄い赤)になります。また,「D-A-W」を指定している場合,終了遅延の表示色(桜色)になります。

優先度は,遅延の状態をどのくらい優先して監視するか,という点から選択してください。デフォルトでは,「A-W-D」が設定されています。業務全体の実行に影響を与えるユニットの遅延を最優先で監視したい場合には,「D-A-W」を指定します。

保留予定の表示

ユニットが「開始時刻待ち」「先行終了待ち」「実行待ち」「起動条件待ち」のような待ち状態で,保留属性が設定されている場合に,アイコンおよび状態/結果のカラーイメージを「保留予定」の色で表示するかどうかを指定できます。

(4) Web GUIを使用するユーザーの操作制限の設定

Web GUIでは,ログインするJP1ユーザーごとに実行できる操作を制限できます。

Web GUIの操作を制限したい場合は,まずWeb Consoleサーバ上の環境設定ファイル(ajs3web.conf)で,次の二つの設定を変更します。

操作制限機能の有効化

操作制限機能を有効にします。デフォルトでは無効になっています。操作制限機能を有効にすると,有効にしたWeb Consoleサーバから接続するすべてのマネージャーホストで,操作制限機能を使用できるようになります。操作制限機能を有効にした直後は,すべてのユーザーにデフォルトの設定(参照だけを許可する)が適用されます。

操作制限を設定できるユーザーの指定

接続するマネージャーホストごとに,各JP1ユーザーの操作制限の設定を変更できるJP1ユーザーを指定します。このJP1ユーザーを設定ユーザーといいます。

JP1ユーザーごとの操作制限の設定は,設定ユーザーがWeb GUIから操作許可設定ファイルを適用することで設定できます。操作許可設定ファイルは,接続するマネージャーホストごとに適用します。

環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Linuxの場合)を参照してください。

また,操作許可設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 17.2.2 ユーザーごとの操作制限のカスタマイズ」を参照してください。

操作許可設定ファイルで制限できる操作の一覧を,次の表に示します。

表4‒16 操作許可設定ファイルで制限できる操作

項番

制限できる操作

説明

1

実行登録

ユニットを実行登録します。

2

登録解除

ユニットの実行登録を解除します。

3

スケジュールの追加

指定した日時にユニットの実行予定を追加します。

4

計画一時変更(日時変更)

実行登録したユニットの実行開始予定日時を一時的に変更します。

5

計画一時変更(即時実行)

実行登録したユニットの実行スケジュールを一時的に変更して,即時実行します。

6

計画一時変更(実行中止)

実行登録したユニットの実行スケジュールを一時的に変更して,実行を中止します。

7

計画一時変更(変更解除)

一時的に変更したユニットの実行スケジュールを,変更前の状態に戻します。

8

遅延監視変更

実行登録したユニットの遅延監視の設定を,一時的に変更します。

9

再実行

実行が終了したユニットを再実行します。

10

中断

実行中のジョブネットを中断します。

11

強制終了

実行中のユニットを強制終了します。

12

ジョブ状態変更

ジョブの状態を変更します。

13

定義編集

ジョブの詳細定義を編集します。ただし,編集できるのはPCジョブとUNIXジョブだけです。

14

保留設定

ユニットに保留属性を設定します。

15

保留解除

ユニットの保留属性を解除します。

(5) Web Consoleサーバからの接続を許可するマネージャーホストの設定

Web Consoleサーバからの接続を許可するマネージャーホストを検討します。Web Consoleサーバ上の環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定を変更することで,Web Consoleサーバから接続するマネージャーホストを制限できます。

環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Linuxの場合)を参照してください。

Web Consoleサーバからの接続を許可するマネージャーホスト

環境設定ファイル(ajs3web.conf)でマネージャーホスト名を指定することで,Web Consoleサーバから指定したマネージャーホストにだけ接続できるようになります。デフォルトでは接続を制限しません。なお,マネージャーホスト名とは,次の方法で確認できる名前です。

物理ホストの場合

マネージャーホスト上でhostnameコマンドを実行すると出力されるホスト名。

論理ホストの場合

論理ホスト環境をセットアップしたときの論理ホスト名。

Web GUIのログイン画面に表示する[接続ホスト名]の入力方式

接続するマネージャーホストを制限する場合,Web GUIのログイン画面に表示される[接続ホスト名]の項目を,接続が許可されたマネージャーホスト名だけ表示するドロップダウンリスト方式にできます。デフォルトでは,ユーザーが接続先ホスト名を入力するテキストボックス方式です。

JP1/IMとの連携

JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/IMを連携して使用する場合,JP1/IMで監視するJP1/AJS3のマネージャーホストへの接続を許可しておく必要があります。

(6) ユーザーアプリケーションからのAPI実行の制限

JP1/AJS3 - Web Consoleでは,APIを利用して,ユーザーアプリケーションからユニットを操作できます。Web Consoleサーバ上の環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定を変更することで,APIの実行を制限することもできます。デフォルトでは制限しません。APIの実行制限を有効にした場合,ユーザーアプリケーションからのすべてのAPIの実行が制限されます。

環境設定ファイル(ajs3web.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.4.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.3.3 環境設定ファイル(ajs3web.conf)の設定項目の詳細」(UNIXの場合)を参照してください。