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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.11.29 仮想サーバのOS初期設定&IPアドレス設定(Linux)

機能

VMware vSphere環境の仮想サーバ(Linux)に対してOSの初期設定(コンピュータ名,タイムゾーン),およびIPアドレス設定を行います。

新規作成された仮想サーバを起動して,OSの初期化とカスタマイズ処理を行います。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・ESXサーバ

 VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESX(またはVMware ESX Server)によって管理されている仮想サーバです。

仮想サーバは最大4個までIPアドレスを設定することができます。1個目のIPアドレス(管理用)には,デプロイした仮想サーバを管理するためのIPアドレスを設定してください。2〜4個目のIPアドレス(2個目用)・IPアドレス(3個目用)・IPアドレス(4個目用)については,管理用・業務用IPアドレスをユーザーの運用に合わせて設定してください。仮想サーバが持つNICの数によってIPアドレスの設定順序は次のようになります。

 ・仮想サーバがNICを1個持つ場合

  NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたIPアドレスを設定します。その他のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。

 ・仮想サーバがNICを2個以上持つ場合

  NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順でIPアドレスを設定します。IPアドレスの指定に空きがある場合,詰めて設定します。例えば,指定するIPアドレスがIPアドレス(管理用),IPアドレス(2個目用),IPアドレス(4個目用)の場合(IPアドレス(3個目用)がない場合),IPアドレス(4個目用)は仮想マシンの3つ目のNICに設定します。入力したIPアドレスの数が仮想サーバが持つNICの数より多い場合,超えた分のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。

DNSサーバのIPアドレスはNICごとではなく,仮想サーバに対して設定されます。仮想サーバには,DNSサーバのIPアドレス(管理用)>DNSサーバのIPアドレス(2個目用)>DNSサーバのIPアドレス(3個目用)>DNSサーバのIPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたDNSサーバのIPアドレスを設定します。

指定可能なタイムゾーンは次のとおりです。

  America/Adak

  America/Anchorage

  America/Boise

  America/Chicago

  America/Denver

  America/Detroit

  America/Indiana/Indianapolis

  America/Indiana/Knox

  America/Indiana/Marengo

  America/Indiana/Petersburg

  America/Indiana/Tell_City

  America/Indiana/Vevay

  America/Indiana/Vincennes

  America/Indiana/Winamac

  America/Juneau

  America/Kentucky/Monticello

  America/Los_Angeles

  America/LouisVille

  America/Menominee

  America/Monterrey

  America/Montevideo

  America/New_York

  America/Nome

  America/North_Dakota/Beulah

  America/North_Dakota/Center

  America/North_Dakota/New_Salem

  America/Phoenix

  America/Shiprock

  America/Tijuana

  America/Vancouver

  America/Yakutat

  Asia/Chongqing

  Asia/Hong_Kong

  Asia/Kolkata

  Asia/Macau

  Asia/Shanghai

  Asia/Singapore

  Asia/Tokyo

  Etc/UTC

  Europe/London

  Pacific/Honolulu

指定がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。このため,タイムゾーンプロパティのリストに設定したい値が存在しない場合は,事前にテンプレートにタイムゾーンを設定してください。

利用場面

Linuxの仮想サーバを作成する場合に利用できます。部品vsphereCreateVMの実行後に呼び出すことで,OSの初期設定を行うことができます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-10以降

【実行対象システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)ESXサーバの前提製品

 ・VMware vSphere ESXi 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)(vCenter4.1以降。vCenter4.0では未サポート)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 6 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 7 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 8 (64-bit x86_64)

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)上の設定に関する条件

 ・データストアが登録済みであること。

 ・ポートグループが設定済みであること。仮想サーバに設定するポートグループは,標準仮想スイッチ(vNetwork 標準スイッチ/vSphere 標準スイッチ)を使ったネットワーク上のポートグループを指定してください。

(3)仮想サーバに関する条件

 ・VMware Toolsがインストール済みであること。

 ・リモートコマンドが実行可能な設定であること(仮想サーバにおいてSSHが有効になっていること)。

 ・NICが設定してあること(最大4個まで)。

(4)仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下で,仮想サーバ名が重複しないこと。

【実行対象サーバ内前提製品】

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.3 Release1,6.0 Release3,6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

 ・VMware PowerCLI 6.5 Release1

 ・VMware PowerCLI 6.5.1,6.5.4

 ・VMware PowerCLI 10.1.0,10.1.1,11.3.0,12.0.0,12.1.0

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

注意事項

(1)作成する仮想サーバがLinuxの場合,ドメイン名,DNSサフィックスが必須となります。指定がない場合,"localdomain"が設定されます。

(2)IPアドレス,サブネットマスク,デフォルトゲートウェイは,3つの情報を同時に指定してください。どれかの指定がない場合,3つとも設定は行われません。

(3)OS情報取得の繰り返し回数の指定がない場合,"72"が設定されます。

(4)OS情報取得の繰り返し実行間隔の指定がない場合,"5"が設定されます。

(5)仮想サーバのOSに設定するIPアドレスについて,IPアドレスとして設定できない値は入力しないでください。例えば,ネットワークアドレスやブロードキャストアドレス,「0.0.0.0」や「255.255.255.255」などの特殊なアドレスは指定できません。入力した場合,仮想サーバのデプロイはエラーとなります。また,IPアドレス(管理用)には,JP1/AOサーバと通信できるIPアドレスを入力してください。正しいアドレスであっても,デプロイに失敗するおそれがあります。

(6)IPアドレスは「機能」に記載のとおり設定されますが,仮想サーバのOSにNICを設定した順番によっては,意図どおりIPアドレスが設定されない場合があるため,仮想サーバ作成後はIPアドレスが意図どおり設定されているか確認してください。もし設定されていない場合は,手動で変更してください。

(7)Linuxのデプロイを行う場合,テンプレートOSのrootパスワードはLinux.adminPasswordプロパティで指定可能な文字で設定してください。

(8)仮想サーバに設定するIPアドレスは,他のサーバと重複しないようにしてください。他のサーバとIPアドレスが重複していると,仮想サーバのNICが無効状態となり,タスクが異常終了します。

(9)仮想サーバのOSがRed Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)の場合,VMware Toolsはopen-vm-tools 9.10以降のものを使用してください。open-vm-tools 9.10より前のバージョンの場合,ホスト名が変更されず,OS情報取得の繰り返し回数×OS情報取得の実行間隔の間,部品が終了しません。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 システム管理者ロール

バージョン

02.11.00

部品のタグ

Modify VM,VMware vSphere

タスクログに表示される部品の名称

vsphereSetOsinfoLin

戻り値

戻り値

説明

0

正常

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

28

異常(ネットワーク起動不正) 電源起動後のネットワーク起動確認不可

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

VMware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

common.computerName

コンピュータ名/ホスト名

OSのコンピュータ名(ホスト名)を指定します。Windowsの場合,最大15文字まで,Linuxの場合,最大63文字まで指定します。

− 

入力

○ 

OS.ipAddressMan

IPアドレス(管理用)

仮想サーバに設定する管理用LANのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMaskMan

サブネットマスク(管理用)

仮想サーバに設定する管理用LANのサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGWMan

デフォルトゲートウェイ(管理用)

仮想サーバに設定する管理用LANのデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dnsMan

DNSサーバのIPアドレス(管理用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress2

IPアドレス(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask2

サブネットマスク(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW2

デフォルトゲートウェイ(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns2

DNSサーバのIPアドレス(2個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dnsSuffix

DNS サフィックス名 :Linux固有

DNSサフィックス名を指定します(Linuxの場合だけ)。入力がない場合,"localdomain"が設定されます。

− 

入力

△ 

OS.workgroupNameDomainName

ドメイン名

仮想サーバが所属するドメイン名を指定します。

− 

入力

△ 

Linux.adminPassword

OSのrootユーザーのパスワード :Linux固有

OS設定の確認をするためのOSのrootユーザーのパスワードを設定します。作成するOSがLinuxの場合に必ず指定します。

− 

入力

○ 

VMware.checkOSInitCount

OS情報取得の繰り返し回数

OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の繰り返し回数を指定します。OS情報取得の実行間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。

72

入力

△ 

VMware.checkOSInitInterval

OS情報取得の実行間隔(分)

OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の実行間隔を指定します。

5

入力

△ 

VMware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

443

入力

△ 

VMware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

https

入力

○ 

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

OS.timeZone

タイムゾーン

仮想サーバのOSに設定するタイムゾーンを指定します。入力がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress3

IPアドレス(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask3

サブネットマスク(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW3

デフォルトゲートウェイ(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns3

DNSサーバのIPアドレス(3個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress4

IPアドレス(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask4

サブネットマスク(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW4

デフォルトゲートウェイ(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns4

DNSサーバのIPアドレス(4個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△ 

common.flag2IPsSetup

仮想サーバに複数のIPアドレスを設定したかどうか

仮想サーバに複数IPアドレスを設定したとき(TRUE),それ以外のとき(FALSE)を格納するプロパティです。

− 

出力

△