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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.9.1 OracleDBインスタンスの起動

機能

OracleDBサーバ上のOracleDBインスタンスを起動します。

プロパティ「実行対象サーバのホスト名」(plugin.destinationHost)に指定したOracleDBサーバ(以降,「DBサーバ」と呼ぶ)上で,SQL*PlusのSTARTUPコマンドを実行します。

同コマンドは同期的に実行します。コマンド実行後,OracleDBインスタンスの状態を確認します。

このドキュメント内で使用しているOracleに関する用語を次に示します。

・OracleDBインスタンス

 DBサーバにインストールされているDBのインスタンスです。

同一のDBサーバ上に複数のインスタンスが存在することができ,各々のインスタンスはDBサーバ内でユニークな識別名(後述の「Oracleシステム識別子(SID)」)と個別のインストール先フォルダを持っています。

また,インスタンスはDBのテーブル領域やDBユーザーのアカウント情報や権限設定情報らを束ねる存在でもあります。

・SQL*Plus

 OracleDBに同梱されているユーティリティツールです。

コマンドラインインタフェイス(CLI)でOracleDBを操作・保守する為の独自なコマンドを有しているほか,SQL文を実行するDBクライアント機能を備えています。

・Oracleシステム識別子(SID)

 OracleDBインスタンスの識別名です。

 OracleのマニュアルサイトではOracleシステム識別子またはSIDと記載されています。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・OracleDBサーバ(実行対象サーバ)

 OracleDBがインストールされているサーバです。

利用場面

この部品は,停止中のOracleDBインスタンスを起動する場合に使用できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-00以降

【実行対象システム内前提製品】

(1)OracleDBサーバ

 ・Oracle 11g Standard/Enterprise

【実行対象システム内前提製品の稼働OS】

(1)OracleDBサーバ

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter, Windows Server 2012 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ただし,OracleDBの要求を満たすもの。

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)OracleDBサーバに関する条件

 ・OracleDBが正常にインストール済みであること。

 ・SQL*Plusがインストール済みであること。

 ・指定したOracleシステム識別子(SID)に対応するOracleDBインスタンスが停止していること。

注意事項

(1) この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。

(2) プロパティ「Oracleシステム識別子(SID)」(database.oracleSid)に指定したOracleシステム識別子(以降,「OracleSID」と呼びます)については,英大文字と小文字を区別します。次に示す禁止文字をOracleSIDに含める事はできません。またこれら以外にもOracle側で制限を設けている場合があります。これら以外の制限についてはOracleDBの仕様をご参照下さい。

禁止文字:

・改行文字(¥n)

・半角スペース( )

・セミコロン(;)

(3) OracleSIDに対応するOracleDBインスタンス(以降,「対象のインスタンス」と呼びます)が停止していない場合や,既に起動済みの場合は,この部品が異常終了します。

(4) プロパティ「実行対象サーバのホスト名」(plugin.destinationHost)に指定したOracleDBサーバ(以降,「DBサーバ」と呼びます)の稼働OSがWindowsの場合,この部品はレジストリーを参照して,指定されたOracleSIDと対応するインストール先フォルダを取得します。何らかの事情によってレジストリーがインストール直後の状態から更新されているなど,実際のインストール先フォルダとの対応情報を正しく取得できない場合は,対象のインスタンスが存在しないかまたはOracleDBがインストールされていないと認識してこの部品が異常終了します。

(5) DBサーバの稼働OSがUNIXの場合,この部品はOracleDBのインストーラーが作成した"oratab"ファイルを参照して,指定されたOracleSIDと対応するインストール先フォルダを取得します。何らかの事情によって"oratab"ファイルがインストール直後の状態から更新,移動,或いは削除されているなど,実際のインストール先フォルダとの対応情報を正しく取得できない場合は,対象のインスタンスが存在しないかまたはOracleDBがインストールされていないと認識してこの部品が異常終了します。

(6) 対象のインスタンスに設定しているエンコード種別はDBサーバの稼働OSで選択しているエンコード種別と一致している必要があります。一致していない場合は,エラーや誤動作が発生する事があります。

(7) この部品が異常終了する時,「ORA-」で始まるエラーコードとメッセージがタスクログに表示されることがあります。そのような場合は,OracleDBのマニュアルサイトなどでこのエラーコードを検索して下さい。

実行権限

・Windowsの場合は,ora_dbaグループに属するユーザーであること。

・UNIXの場合は,OSDBAグループに属するユーザーであること。

バージョン

02.00.00

部品のタグ

Control Database,Oracle Database

タスクログに表示される部品の名称

dbStartOracleInstance

戻り値

戻り値

説明

0

正常

1

異常(既に起動済み) 対象のOracleDBインスタンスが起動済み

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

database.oracleSid

Oracleシステム識別子(SID)

対象のOracleDBインスタンスを示すシステム識別子(SID)を指定します。

− 

入力

○ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

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