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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.8.6 一時ボリュームの作成

機能

OpenStack管理下のボリュームから一時ボリュームを作成します。

このドキュメント内で使用しているOpenStackに関する用語は,OpenStackのDashboardで使用されている表示名です。OpenStackに関する用語を次に示します。

・Identity

 IdentityまたはKeyStoneと記載されています。

・プロジェクト

 プロジェクトまたはテナントと記載されています。

・ボリューム

 ボリュームまたはブロックストレージと記載されています。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・OpenStackサーバ

 OpenStackがインストールされているサーバです。

・KVMサーバ

 Kernel-based Virtual Machineがインストールされているサーバです。

・OpenStack操作サーバ

 OpenStackサーバにREST-APIを実行するサーバです。

・インスタンス

 OpenStackサーバおよびKVMによって管理されているインスタンスです。一般的な仮想サーバのことです。

(1)次の条件のどれか,または両方を満たすCinderによって管理されているボリュームを一時ボリューム作成対象とします。インスタンスおよびイメージは対象にできません。

 ①openstack.instanceNameプロパティに指定されたインスタンスに割り当たっているボリューム

 ②openstack.volumeNamesプロパティに指定されたボリューム

(2)一時ボリュームはバックアップ元のボリュームと同一ボリューム種別に作成されます。

利用場面

この部品は,ボリューム作成のあと,システム保全のためにバックアップを取得する場合の一時ボリューム作成に使用できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-00以降

【実行対象サーバ内前提製品】

(1)OpenStackサーバの前提製品

 ・OpenStack

(2)インスタンスを管理する仮想化環境

 ・Kernel-based Virtual Machine

 ・VMware vCenter Server

 ・VMware vSphere ESXi

(3)OpenStack操作サーバ

 ・Microsoft .Net Framework 3.5以降

(4)インスタンスの前提OS

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

  ただし,Server Coreインストール環境は除く。

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)インスタンスに関する条件

 ・同一プロジェクト内でインスタンス名が重複しないこと。

(2)ボリュームに関する条件

 ・同一プロジェクト内でボリューム名が重複しないこと。

注意事項

(1)インスタンス名,ボリューム名はどちらかもしくは両方を指定してください。どちらの指定も無い場合,この部品はエラー終了します。

(2)この部品は稼働中のインスタンスに対しても実行できます。その際,ゲストOS上でI/Oが発生していると,ゲストOSとバックアップ間に不整合が発生する場合があります。そのため,ゲストOS上のI/Oを停止しておくかゲストOS自体を事前に停止してください。

(3)一度に作成可能な一時ボリュームの最大数は,27ボリュームまでです。28ボリューム以上指定された場合は,この部品はエラー終了します。

(4)一時ボリューム作成先には,一時ボリューム作成元ボリュームと同じ容量またはそれ以上の空き容量を確保してください。一時ボリューム作成先に十分な空き容量が無い場合,この部品はエラー終了します。

(5)ボリュームの状態や種別によっては,一時ボリュームの作成ができずこの部品はエラー終了します。事前に,ボリュームの状態や種別,および使用しているCinderドライバのマニュアルを確認してください。

実行権限

(1)OpenStackサーバにログインするユーザーに次の権限が必要です。

admin権限

バージョン

02.00.00

部品のタグ

Add New Storage,OpenStack

タスクログに表示される部品の名称

openstackCreateTempVolume

戻り値

戻り値

説明

0

正常

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

openstack.identityServerHostName

Identityサーバのホスト名

Identityサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

openstack.userName

Identityサーバにログインするためのユーザー名

Identityサーバにログインするためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

openstack.password

Identityサーバにログインするためのパスワード

Identityサーバにログインするためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

openstack.protocol

Identityサーバ接続用プロトコル

Identityサーバに接続するためのプロトコルを指定します。

− 

入力

○ 

openstack.portNumber

Identityサーバ接続用ポート番号

Identityサーバに接続するためのポート番号を指定します。

− 

入力

○ 

openstack.projectName

プロジェクト名

プロジェクトの名称を指定します。

− 

入力

○ 

openstack.instanceName

インスタンス名

インスタンスの名称を指定します(OpenStackにおけるインスタンスの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

△ 

openstack.volumeNames

ボリューム名

ボリュームの名称を指定します。複数のボリュームを指定する場合は,","区切りで指定してください。

− 

入力

△ 

openstack.tempVolumeName

一時ボリューム名

バックアップを取得する際の一時ボリューム名を指定します。

− 

入力

○ 

openstack.checkVolumeCreationCount

一時ボリュームの作成完了の確認回数

一時ボリュームが作成されたことを確認する際の,確認回数を指定します。一時ボリュームの作成完了の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。

− 

入力

○ 

openstack.checkVolumeCreationInterval

一時ボリュームの作成完了の確認間隔

一時ボリュームが作成されたことを確認する際の,確認間隔を秒単位で指定します。

− 

入力

○ 

openstack.volumeIdWork

一時ボリュームID

一時ボリュームのIDが格納されるワークプロパティです。

− 

出力

△ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△