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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


3.16.2 仮想サーバのクローン作成

機能

VMware vSphere環境の仮想サーバのクローンを作成します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。

・クローン対象となる仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)によって管理されている仮想サーバです。

・クローン

 クローン対象となる仮想サーバの複製です。クローン名は仮想サーバの複製の名称です。

処理の概要を次に示します。

(1) クローン対象となる仮想サーバの電源状態を取得します。

(2) 仮想サーバの電源状態がOFFになっていることを確認します。

  電源状態がOFFでない場合は,ユーザー応答待ち部品を実行して,電源をOFFにするか・しないかを確認します。

  ユーザー応答待ち部品のメール送信先/送信内容,タイムアウト,画面表示内容はModify権限のユーザーが設定できます。

  ユーザー応答待ちのGUIで"Shutdown"を選択した場合は,仮想サーバのシャットダウンを行います。

  "Cancel"を選択するか,ユーザー応答待ちがタイムアウトになった場合は,仮想サーバには操作を行なわずにサービスが異常終了します。

  仮想サーバを停止する際には,電源状態の確認間隔プロパティ(vmware.checkPowerStateInterval)に指定した秒数待ち合わせ,電源状態がOFFになることを確認する動作を,電源状態の確認回数プロパティ(vmware.checkPowerStateCount)に指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。

(3) クローン対象となる仮想サーバを用いてクローンを作成します。

 クローンを作成するとき,パラメタ(ESXサーバ,リソースプール,データストア,仮想ディスクのフォーマット)を指定できます。

 なお,リソースプールを省略すると,クローン作成先のESXサーバの直下にクローンが作成されます。

なお,仮想サーバ名プロパティ(vmware.vmName)およびクローン名プロパティ(vmware.cloneName)に指定できる最大の文字数は60文字です。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)

 ・VMware vSphere ESXi 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)vCenter操作サーバの前提製品

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.3 Release1,6.0 Release3,6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

 ・VMware PowerCLI 6.5 Release1

 ・VMware PowerCLI 6.5.1,6.5.4

 ・VMware PowerCLI 10.1.0,10.1.1,11.3.0,12.0.0,12.1.0

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 6 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 7 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 8 (64-bit x86_64)

(2)vCenter操作サーバの前提OS

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)同一のvCenterの管理下において,クローン名が重複しないこと。既存の仮想サーバ名とも重複しないこと。

(3)同一のvCenterの管理下において,データストア名は重複しないこと。

(4)クローン対象となる仮想サーバに,VMware Toolsがインストールされていること。

(5)クローン対象となる仮想サーバを管理しているVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)と,クローン作成先のVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)のバージョンは同一であること。

注意事項

(1)同一の仮想サーバに対して,このサービスを複数同時に実行しないでください。

(2)クローン作成中は,他のサービスからクローン対象の仮想サーバ,および作成先クローンの操作を行わないでください。vCenterサーバからも直接操作を行わないでください。サービスが失敗するおそれがあります。

(3)応答入力画面の補足情報プロパティ(UserResponseplugin.dialogText)にHTMLタグを指定する場合,指定できるタグおよび属性はユーザー応答待ち部品と同じです。詳細については,本製品マニュアルの「ユーザー応答待ち部品」について説明しているトピックを参照してください。

(4)クローンの作成先にvAppは指定できません。

(5)作成したクローンは起動しないでください。起動する場合は,クローン対象となった仮想サーバの削除またはリストアが必要です。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,システム管理者ロールの権限が必要です。

バージョン

03.00.00

タグ

Clone VM,VMware vSphere

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

仮想システム環境情報

VMware vCenter Serverの情報を指定してください。

表示されます。

クローン作成元の仮想サーバの情報

クローン作成元の仮想サーバの情報を指定してください。

表示されます。

クローン作成先の仮想サーバの情報

クローン作成先の情報を指定してください。

表示されます。

ユーザー応答待ちオプション

仮想サーバが起動していた場合のユーザー応答のためのオプションです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

実行時オプション

仮想サーバの停止を行う際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.targetHost

VMware vCenter操作サーバのホスト名

VMware vCenter Serverを操作するサーバ(vSphere PowerCLIインストール済みサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

入力

無効

△ 

仮想システム環境情報

vmware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

UserResponsePlugin.toAddress

TOメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(TO)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.ccAddress

CCメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(CC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.bccAddress

BCCメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(BCC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.mailSubject

メール件名

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメールの件名を指定します。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.mailBody

メール本文

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメール本文を指定します。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.encodeType

エンコード種別

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のエンコード種別を指定します。指定可能なエンコード名は次のとおりです。us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8。指定しなかった場合には,utf-8で送信されます。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.dialogText

応答入力画面の補足情報

ユーザー応答待ちになった場合の応答入力ダイアログに表示する補足情報を指定します。テキスト形式,またはHTML形式で指定できます。指定可能なHTMLタグは,アンカータグ,ボールドタグ,ブレークタグ,フォントタグ,イタリックタグ,下線タグです。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.responseTimeOut

応答タイムアウト時間(分)

ユーザー応答待ちになった場合の応答がタイムアウトする時間を分単位で指定します。応答タイムアウト時間が過ぎると,サービスが異常終了します。

入力

無効

○ 

ユーザー応答待ちオプション

vmware.checkPowerStateCount

電源状態の確認回数

仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認回数を指定します。電源状態の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。

入力

無効

○ 

実行時オプション

vmware.checkPowerStateInterval

電源状態の確認間隔

仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認間隔を秒単位で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.cloneName

クローン名

クローンの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおけるクローンの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

クローン作成先の仮想サーバの情報

vmware.vmName

仮想サーバ名

クローン作成元になる仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

クローン作成元の仮想サーバの情報

vmware.vmHostName

ESXサーバ名

クローン作成先のVMware vCenter Serverが管理する[ホストおよびクラスタ]に表示されるESXサーバ名を指定します。

入力

無効

○ 

クローン作成先の仮想サーバの情報

vmware.dataStoreName

データストア名

クローン作成先のデータストアの名称を指定します。

入力

無効

○ 

クローン作成先の仮想サーバの情報

vmware.resourcePoolName

リソースプール名

クローン作成先のリソースプール,クラスタを指定します。

入力

無効

△ 

クローン作成先の仮想サーバの情報

vmware.diskFormat

仮想ディスクのフォーマット

クローン作成先の仮想ディスクのフォーマットを指定します。 クローン作成元の仮想サーバの仮想ディスクと同じフォーマットの場合は「Default」,仮想ディスクをオンデマンドでコミットする場合は「Thin」,仮想ディスクをフルサイズでコミットする場合は「Thick」を指定します。

入力

無効

○ 

クローン作成先の仮想サーバの情報

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.vCenterServerName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.userName

512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。

vmware.password

127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portNumber

1〜65535の整数値。

vmware.protocol

次の値のどれかを選択する。

http,https

UserResponsePlugin.toAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.ccAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.bccAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.mailSubject

256文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.mailBody

1024文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.encodeType

次の値のどれかを選択する。

us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8

UserResponsePlugin.dialogText

512文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.responseTimeOut

1〜9999の整数値。

vmware.checkPowerStateCount

1〜3600の整数値。

vmware.checkPowerStateInterval

1〜60の整数値。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.cloneName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「,」,「%」を除く。

vmware.vmName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「,」,「%」を除く。

vmware.vmHostName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.dataStoreName

42文字以内の半角英数記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.resourcePoolName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.diskFormat

次の値のどれかを選択する。

Default,Thin,Thick

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

電源状態取得

電源状態取得

仮想サーバの電源状態取得

VMware vSphere環境において,仮想サーバの電源状態を取得します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2

電源状態確認

電源状態確認

階層フロー部品

電源状態を調べ,電源状態がOFFでなければ,ユーザーに確認します。

− 

2-3

値判定分岐部品

出力文字列がPoweredOnと等しいか判定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2-4

階層フロー部品

電源をOFFにするか・しないかを確認します。

− 

2-4-1

ユーザー応答待ち部品

電源をOFFにするか・しないかを確認します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2-4-2

戻り値判定分岐部品

Cancelが選択された,またはユーザー応答待ち部品でタイムアウトが発生したかを判定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2-4-3

異常終了部品

ジョブネットをエラーにします。

仮想サーバの電源状態を確認して,サービスを再実行してください。

2-4-4

仮想サーバのシャットダウン

VMware vSphere環境において,仮想サーバのシャットダウンを行い,電源状態をOFFに設定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

3

クローン対象となる仮想サーバのクローン作成

クローン対象となる仮想サーバのクローン作成

仮想サーバのクローン作成

VMware vSphere環境において,クローン対象となる仮想サーバのクローンの作成を行います。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。