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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


3.14.1 Windows更新プログラムのインストール

機能

このサービステンプレートは,CSV(Comma Separated Values)ファイルまたはMicrosoft Excelによって作成されたOSを更新するマシンの一覧情報(これ以降,OS更新情報ファイルと呼びます)を使用して,Windows Update機能による更新プログラムの自動インストールを行います。

更新プログラムの自動インストール実行したあとは,除外リスト,更新プログラムの検索結果,インストールした更新プログラム,インストールできなかった更新プログラムの結果情報をファイル(これ以降,結果情報ファイルと呼びます)に出力します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・更新情報ファイルサーバ

 OS更新情報ファイルが格納されたWindowsサーバです。

・実行対象サーバ

 前提条件に記載されたバージョンのWindowsがインストールされたサーバです。

処理の概要を次に示します。

(1) OS更新情報ファイルから,更新を行う実行対象サーバの情報を取得します。

 以降の処理は取得した対象数分繰り返します。

(2) 実行対象サーバに対し,次の条件をすべて満たす更新プログラムを検索します。

 ・Microsoftが自動更新の対象としている更新プログラム

 ・未インストールの更新プログラム

 ・インストール済みソフトウェアの更新プログラム

(3) 検索した結果から次の対象を除外します。

 ・除外リストに該当(完全一致)する更新プログラム番号を持つ更新プログラム

 ・ユーザー入力が必要な更新プログラム(例:サービスパック等)

(4) (2)と(3)の結果よりWindows Updateから必要な更新プログラムをダウンロードします。

(5) (4)でダウンロードした更新プログラムをインストールします。

 また,OS.updateResultOutputFolderNameRemoteプロパティに指定する実行対象サーバ上のフォルダに,結果情報ファイルをテキストファイルとして出力します。ファイル名は「<年月日時分>.txt」です。

 例:201312312345.txt

このサービステンプレートで使用するファイルの留意点を次に示します。

・OS.updateInfoFilePathプロパティに指定するOS更新情報ファイルの指定方法を次に示します。

 指定する項目は次の通りです。

 ・N列目

  実行対象サーバ:IPアドレス,もしくはホスト名を記載します。IPv6アドレスには対応していません。

  OS.updateServerInfoColumnプロパティに列番号Nを指定します。

 ・M列目

  除外リスト:インストールしない更新プログラム番号(完全一致)を記載します。更新プログラム番号が複数ある場合は,コンマ区切りで記載します。コンマも含めて1024バイト以下で記載してください。

  OS.updateExcludeListColumnプロパティに列番号Mを指定します。

 NおよびMは,CSVファイルの左から数えた列の番号またはExcelファイルの左から見て最初にデータが記述されている列から数えた列の番号を1〜255の値で指定します。

 例:(N=1,M=2の場合)

  "実行対象サーバ","除外リスト"

  "host001","KB000001,KB000002"

  "host002",""

・OS.updateResultOutputFolderNameRemoteプロパティに指定した実行対象サーバ上のフォルダに出力されるファイルの内容について,次に示します。

 (a)ホスト名

 (b)除外リスト

 (c)検索結果の更新プログラムタイトル一覧

  検索結果は,1更新プログラムごとに1行記述されます。

  各プログラムごとに,その更新プログラムがadding(インストール対象)なのか,skipping(インストール非対象)なのかが記述されています。

  skippingの場合は,ユーザー入力が必要なためなのか,除外リストによって除外されたためなのか,その理由が記述されています。

 (d)更新プログラムインストール全体のResultCode

  ResultCodeの意味は次のとおりです。

   0:インストール処理未実行 1:インストール処理中 2:正常終了 3:処理は完了したが一部エラー 4:インストール処理エラー 5:インストール処理キャンセル

 (e)インストールした更新プログラムタイトル一覧

  各プログラムごとに,更新プログラムのResultCodeが記述されています。

 (f)再起動要否

  再起動について必要(Necessary)か不必要(Unnecessary)かが記述されています。

 (g)スクリプト自体の終了コード

  スクリプト自体の終了コードが出力されます。

  終了コードの意味は次のとおりです。

   0:正常 27:異常(エラー内容はタスクログで確認) 41:異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

 (h)検索したが除外された,もしくはインストール処理がエラーになったためインストールできなかった更新プログラムのタイトル

OS更新情報ファイル読み込みに失敗した場合は,OS.fileOpenRetryIntervalプロパティに指定した秒数待ってファイル読み込みをリトライする処理を,OS.fileOpenRetryCountプロパティに指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。

JP1/AOサーバ,実行対象サーバのOSがWindowsの場合,このサービステンプレートの実行にはAdministratorユーザ(ビルトインAdministratorアカウント)が必要です。各サーバにadministratorユーザ(ビルトインAdministratorアカウント)が存在しない場合,または,無効の場合,システムアカウントで実行を行うサービス「Windows更新プログラムのインストール(SYSTEM)」を実行してください。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】/【実行対象サーバの稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

 更新情報ファイルサーバに,次に示すMicrosoft社のプログラムがインストールされていること。

  ・2007 Office system ドライバ,または

   Microsoft Access データベース エンジン 2010(32bit版),または

   Microsoft Access Database Engine 2016(32bit版)

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

 (1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 (2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 (3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 (4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter

【実行対象サーバの稼働OS】

 (1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

  ただし,Server Coreインストール環境は除く。

 (2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

  ただし,Server Coreインストール環境は除く。

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

 (1)実行対象サーバが起動していること。

 (2)実行対象サーバがプロキシサーバーを使用せずにWindows Update機能を行うためのWebサイトにアクセス可能であること。

 (3)実行対象サーバがInternet Explorer(ブラウザー)からWindows Update機能を行うためのWebサイトにアクセス可能であること。

 (4)次に示すサービスが起動していること。

  ・Windows Update

 (5)更新情報ファイルサーバ上に,次に示す内容を記載したOS更新情報ファイルを格納していること。

  ・列数

   最初に列名またはデータが記述されている列から数えた列数が255列以内となるようにしてください。

  ・列名

   ・CSVファイルの場合

    ・列名が必要な場合は,ファイルの1行目に記載してください。なお,列名が不要の場合は,列名の記載は必要ありません。

    ・列名の記載有無に関わらず,データの読み取り開始行は2行目からとなります。

   ・Excelファイルの場合

    ・列名は必ず記載してください。1行目以降で最初に記述がある行が列名となります。

    ・データの読み取り開始行は列名が記載されている行の次の行からとなります。

   列名の指定の際は(7)を参照してください。

  ・実行対象サーバ情報

   OS更新情報ファイルの各行でユニークなキー情報を格納した列です。キー情報の内容はホスト名またはIPアドレスです。キー情報には「"」および「'」以外の文字を使用してください。「すべてのキー情報の合計バイト数+データの行数」が1017バイト以下になるようにしてください。各行への値の指定は任意です。省略した場合,該当する行は処理されません。

  ・除外リスト情報

   インストールしない更新プログラムの更新プログラム番号(例:KB9999999)を格納した列です。更新プログラム番号が完全一致した更新プログラムを除外します。複数ある場合はコンマ「,」区切りで記述します。各行への値の指定は任意です。

 (6)このサービスを実行する場合,エージェントレス接続先として更新情報ファイルサーバおよび実行対象サーバを設定する必要があります。更新情報ファイルサーバとしてローカルサーバを使用する場合,"localhost"で解決されるループバックアドレスを設定する必要があります。

 (7)OS更新情報ファイルに列名を指定する際は次に示す内容を指定してください。

  ・必ず文字列で指定してください。数値データは指定しないでください。

  ・次の文字は列名に使用できません。

   ・キー情報の列名の先頭には次の文字を使用できません。

    「!」「"」「#」「$」「%」「&」「'」「(」「)」「-」「=」「^」「~」「¥」「|」「`」「;」「+」「*」「[」「]」「{」

    「}」「,」「.」「<」「>」「?」「_」「/」「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「0」「1」「2」

    「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」

   ・キー情報の列名の2文字目以降には次の文字を使用できません。

    「"」「#」「%」「&」「'」「(」「)」「-」「=」「^」「~」「¥」「|」「@」「;」「:」「+」「*」「[」「]」「{」「}」

    「,」「.」「<」「>」「?」「/」

   ・キー情報以外の列名には次の文字を使用できません。

    「!」「[」「]」「`」「,」「.」

   ・文字数は半角全角混合で64文字まで指定できます。

注意事項

【OS更新情報ファイルに関する注意事項】

(1)Excelファイルのセルが結合されている場合,数式がエラーとなっているときは取得される値が空になります。また,書き込みパスワードが設定されているときはタスクが異常終了します。OS更新情報ファイルからはこれらの状態を取り除いてください。

(2)読み取る列は,文字列型データと数値型データを混在させないでください。混在していると,ODBCドライバの仕様によって,正常に値を取得できない場合があります。

 (a)数値型データとは次の形式の文字列のことです。

   符号付き整数値(10 進数) 例:-12345

   固定小数点数(10 進数)  例:3.1415

   浮動小数点数(10 進数)  例:6.543E+10

 (b)文字列型データとは上の数値型以外の形式の文字列のことです。

(3)異なるデータ型が混在する列を取得する場合は,次の対処が必要です。

 ・Excelファイルの場合は数値型データの先頭に「'」を付けてください。

 ・CSVファイルの場合は数値型データを「""」で囲んでください。

(4)OS更新情報ファイルがCSVファイルである場合,IPアドレスは「""」で囲んでください。「""」で囲まない場合,数値型データとして誤認識され,正常に値を取得できないことがあります。

(5)データの途中に空白行がある場合,空白行も行数としてカウントされます。データが記述された行が99行以内であっても,途中の空白行を含めた行数が100以上となる場合,タスクが異常終了するのでご注意ください。

(6)OS更新情報ファイルがExcelファイルの場合,セルに記述されたデータのデータ型によっては,表示されている値と実際に取得される値が異なる場合があります。次のデータ型のデータを記述している場合はご注意ください。

 (a)Boolean 型(True/False)

   表示される値:TRUE/FALSE

   セルに記述されている値:TRUE/FALSE

   実際に取得される値:True/False

 (b)日付データ

   表示される値:mm 月dd 日

   セルに記述されている値:yyyy/mm/dd

   実際に取得される値:yyyy/mm/dd

 (c)時刻データ

   表示される値:hh:mm

   セルに記述されている値:hh:mm:ss

   実際に取得される値:hh:mm:ss

 (d)パーセント

   表示される値:〜%(例:10%)

   セルに記述されている値:〜%(例:10%)

   実際に取得される値:0.〜(例:0.1)

 (e)数式

   表示される値:(数式の結果)

   セルに記述されている値:(数式)

   実際に取得される値:(数式の結果)

【OS更新情報ファイル以外の注意事項】

(1)自動的に再起動する更新プログラムをインストールした場合,Windowsによって実行対象サーバが自動で再起動します。

(2)このサービスを同一の実行対象サーバに対して多重実行しないでください。

(3)「実行対象サーバの列番号」プロパティには255以内の整数値を指定してください。256以上の値を指定するとタスクが異常終了します。途中の空白列も列数に含まれますのでご注意ください。

実行権限

ビルトイン Administrator

バージョン

03.00.02

タグ

Configure OS,Windows

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

OS更新情報ファイルの情報

OS更新情報ファイルの情報を指定してください。

表示されます。

OS更新情報ファイルの詳細

OS更新情報ファイルの詳細情報を指定してください。

表示されます。

結果情報ファイル出力先フォルダの情報

結果情報ファイルを出力するフォルダ名を指定してください。

表示されます。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

windows.targetHost

更新情報ファイルサーバのホスト名

OS更新情報ファイルを格納したWindowsサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの情報

OS.fileOpenRetryCount

ファイル読み込み時のリトライ回数

OS更新情報ファイルの読み込みに失敗した場合のリトライ回数を指定します。ファイル読み込み時のリトライ間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。"0"を指定した場合はリトライしません。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの詳細

OS.fileOpenRetryInterval

ファイル読み込み時のリトライ間隔

OS更新情報ファイルの読み込みに失敗した場合のリトライ間隔を秒単位で指定します。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの詳細

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

OS.updateInfoFilePath

OS更新情報ファイルのパス

更新情報ファイルサーバ上に格納した,OS更新情報を記入したファイルのパスをフルパスで指定します。ファイルの拡張子はcsv,xls,xlsx,xlsmのどれかである必要があります。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの情報

OS.updateInfoSheetName

OS更新情報ファイルのシート名

OS更新情報が記載されたシート名を指定します。OS更新情報ファイルがExcelファイルの場合には必ず指定してください。CSVファイルの場合,指定しても無視されます。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの情報

OS.updateServerInfoColumn

実行対象サーバの列番号

OS更新情報ファイル内の「実行対象サーバ」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの詳細

OS.updateExcludeListColumn

除外リストの列番号

OS更新情報ファイル内の「除外リスト」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

入力

無効

○ 

OS更新情報ファイルの詳細

OS.updateResultOutputFolderNameRemote

結果情報ファイル出力フォルダ名(リモート)

更新プログラムの自動インストール処理結果を出力する,実行対象サーバ上のフォルダ名をフルパスで指定します。

入力

無効

○ 

結果情報ファイル出力先フォルダの情報

[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

common.taskResult

繰り返しタスクの実行結果

タスクごとの成功(true),失敗(false)をコンマ区切りで出力します。

出力

無効

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

windows.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

OS.fileOpenRetryCount

0〜32767の整数値。

OS.fileOpenRetryInterval

1〜60の整数値。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

OS.updateInfoFilePath

8文字以上255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」,「[」,「]」,「!」および末尾の「¥」を除く。

OS.updateInfoSheetName

1文字以上31文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「:」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」,「¥」,「!」,「`」,「{」,「[」,「]」および全角記号「:」,「¥」,「?」,「[」,「]」,「/」,「*」を除く。

OS.updateServerInfoColumn

1〜255の整数値。

OS.updateExcludeListColumn

1〜255の整数値。

OS.updateResultOutputFolderNameRemote

200文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」を除く。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

OS更新情報ファイルの列読み取り

OS更新情報ファイルの列読み取り

CSV・Excelの列データ取得

OS更新情報ファイルから行を特定するための情報を取得します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2

ホスト数分繰り返し処理

ホスト数分繰り返し処理

繰り返し実行部品

指定されたホストの数だけ更新処理を繰り返します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。