3.8.4 仮想サーバの追加(仮想ディスク)
機能
このサービステンプレートは,Hyper-V環境に仮想ディスクを作成し,仮想サーバに作成した仮想ディスクを追加します。
このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。
・Hyper-Vサーバ
Hyper-Vがインストールされているサーバです。
・仮想サーバ
Hyper-Vによって管理されている仮想サーバです。
処理の概要を次に示します。
(1) 仮想サーバの状態を取得します。
(2) 仮想サーバが停止していることを確認します。
仮想サーバが停止している場合は処理を継続しますが,それ以外の場合は,ユーザー応答待ち部品を実行して,シャットダウンするか・しないかを確認します。
ユーザー応答待ちのGUIで"Shutdown"を選択した場合は,起動している仮想サーバをシャットダウンします。起動以外の仮想サーバに対して"Shutdown"を選択した場合は,仮想サーバには操作を行わずにタスクが異常終了します。
"Cancel"を選択するか,応答待ちがタイムアウトになった場合は,仮想サーバには操作を行わずにタスクが異常終了します。
(3) Hyper-V環境に仮想ディスクファイルを作成します。
作成できる仮想ディスクは「Dynamic(容量可変)」または「Fixed(容量固定)」です。仮想ディスク(差分)およびパススルー(物理)ディスクは作成できません。
hyperv.vHardDiskFolderPathプロパティを指定した場合に,指定したフォルダパスに仮想ディスクファイルを新規に作成します。指定が無い場合は,Hyper-Vサーバに設定されている仮想ディスクを保存する既定のフォルダに仮想ディスクを保存します。
新規に作成する仮想ディスクを保存するフォルダパスが存在しない場合はフォルダを作成します。
(4) 仮想サーバに仮想ディスクを接続します。
仮想ディスクは,SCSIコントローラーに追加できますが,IDEコントローラーには追加できません。
SCSIコントローラーの番号(hyperv.scsiControllerNumberプロパティ)とSCSIコントローラーの場所番号(hyperv.scsiLocationNumberプロパティ)の指定の有無により,SCSIコントローラーへの仮想ディスクの接続方法が異なります。
・SCSIコントローラーの番号とSCSIコントローラーの場所番号が両方指定されていない場合
接続可能なSCSIコントローラーにHyper-Vサーバが自動的に仮想ディスクを接続します。
・SCSIコントローラーの番号だけ指定されている場合
指定したSCSIコントローラーの番号で接続可能なSCSIコントローラーの場所番号(0〜63)のどれかにHyper-Vサーバが自動的に仮想ディスクを接続します。
・SCSIコントローラーの場所番号だけ指定されている場合
指定したSCSIコントローラーの場所番号で接続可能なSCSIコントローラーの番号(0〜3)のどれかにHyper-Vサーバが自動的に仮想ディスクを接続します。
・SCSIコントローラーの番号とSCSIコントローラーの場所番号が両方指定されている場合
指定したSCSIコントローラーの番号とSCSIコントローラーの場所番号に仮想ディスクを接続します。
前提条件
【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 12-00以降
【サービステンプレート実行システム内前提製品】
(1)Hyper-Vサーバの前提製品
・Windows Server 2012 Hyper-V,Windows Server 2012 R2 Hyper-V
【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】
(1)Hyper-Vサーバの前提OS
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
ただし,Server Coreインストール環境は除く。
(2)仮想サーバの前提OS
・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
ただし,Server Coreインストール環境は除く。
【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】
(1)仮想サーバ名はHyper-Vサーバ内で一意であること。
(2)対象の仮想サーバにおけるHyper-V 統合サービスの次のサービスが有効なこと。
・オペレーティングシステムのシャットダウン
(3)仮想サーバに接続可能なSCSIコントローラーが存在すること。
注意事項
(1)このサービステンプレートでは仮想サーバに追加した仮想ディスクの初期化は行いません。必要に応じて仮想サーバのOSにログインし,ディスクの初期化を実行してください。
(2)同一の仮想サーバに対して,このサービスを複数同時に実行しないでください。
(3)UserResponseplugin.dialogTextプロパティにHTMLタグを指定する場合,指定できるタグおよび属性はユーザー応答待ち部品と同じです。詳細については,本製品マニュアルの「ユーザー応答待ち部品」について説明しているトピックを参照してください。
(4)Hyper-Vサーバに作成済みの仮想ディスクファイルは追加できません。
(5)ユーザー応答待ちのGUIで"Shutdown"を選択した場合は,仮想サーバのOSを強制的にシャットダウンします。仮想サーバで編集中のファイルデータは保存されません。
(6)指定したSCSIコントローラーの番号とSCSIコントローラーの場所番号が既に他の仮想ディスクの接続先として使用されている場合は,タスクが異常終了します。
(7)第2世代の仮想サーバにはVHDXファイルの仮想ディスクだけ追加できます。作成したVHDファイルを第2世代の仮想サーバに接続する場合,タスクが異常終了します。
バージョン
03.00.00
タグ
Modify VM,Hyper-V 2012
プロパティ一覧
プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。
プロパティグループ |
説明 |
初期表示 |
---|---|---|
仮想システム環境情報 |
Hyper-Vサーバの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
仮想サーバ情報 |
仮想ディスクを追加する仮想サーバの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
仮想ディスク情報 |
作成する仮想ディスクの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
仮想ディスク接続情報 |
仮想ディスクを接続するSCSIコントローラーの情報を指定してください。接続するSCSIコントローラーを指定したい場合だけ指定してください。 |
表示されません。 |
ユーザー応答待ちオプション |
仮想サーバが起動していた場合のユーザー応答のためのオプションです。必要に応じて変更してください。 |
表示されません。 |
[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。
- (凡例)
-
○:プロパティの指定は必須です。
△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
hyperv.targetHost |
Hyper-Vサーバのホスト名 |
Hyper-Vサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
UserResponsePlugin.toAddress |
TOメールアドレス |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(TO)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.ccAddress |
CCメールアドレス |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(CC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.bccAddress |
BCCメールアドレス |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(BCC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.mailSubject |
メール件名 |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメールの件名を指定します。 |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.mailBody |
メール本文 |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメール本文を指定します。 |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.encodeType |
エンコード種別 |
ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のエンコード種別を指定します。指定可能なエンコード名は次のとおりです。us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8。指定しなかった場合には,utf-8で送信されます。 |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.dialogText |
応答入力画面の補足情報 |
ユーザー応答待ちになった場合の応答入力ダイアログに表示する補足情報を指定します。テキスト形式,またはHTML形式で指定できます。指定可能なHTMLタグは,アンカータグ,ボールドタグ,ブレークタグ,フォントタグ,イタリックタグ,下線タグです。 |
入力 |
無効 |
△ |
ユーザー応答待ちオプション |
UserResponsePlugin.responseTimeOut |
応答タイムアウト時間(分) |
ユーザー応答待ちになった場合の応答がタイムアウトする時間を分単位で指定します。応答タイムアウト時間が過ぎると,サービスが異常終了します。 |
入力 |
無効 |
○ |
ユーザー応答待ちオプション |
[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
hyperv.vmName |
仮想サーバ名 |
仮想サーバの名称を指定します(Hyper-Vにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想サーバ情報 |
hyperv.vHardDiskName |
仮想ディスクファイル名 |
作成する仮想ディスクのファイル名を指定してください。ファイルの拡張子には「vhd」または「vhdx」を指定してください。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想ディスク情報 |
hyperv.vHardDiskFolderPath |
仮想ディスク保存フォルダパス |
作成する仮想ディスクを保存するフォルダのフルパスを指定してください。指定を省略した場合は,Hyper-Vサーバに設定されている仮想ディスクを保存する既定のフォルダに仮想ディスクを保存します。 |
入力 |
無効 |
△ |
仮想ディスク情報 |
hyperv.vHardDiskType |
仮想ディスクのタイプ |
仮想ディスクのタイプを指定します。次のどちらかを指定します。Dynamic:容量可変の仮想ディスクを作成します。Fixed:容量固定の仮想ディスクを作成します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想ディスク情報 |
hyperv.capacity |
容量 (GB) |
仮想ディスクの容量をGB単位で指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想ディスク情報 |
hyperv.scsiControllerNumber |
SCSIコントローラーの番号 |
仮想ディスクを追加する仮想サーバのSCSIコントローラーの番号を指定します。SCSIコントローラーの番号は,仮想サーバにSCSIコントローラーを追加した(Hyper-V マネージャーで表示する)順番を0から相対する整数値で指定してください。 |
入力 |
無効 |
△ |
仮想ディスク接続情報 |
hyperv.scsiLocationNumber |
SCSIコントローラーの場所番号 |
仮想ディスクを追加する仮想サーバのSCSIコントローラーの場所番号を指定します。SCSIコントローラーの場所番号は,仮想サーバに追加したSCSIコントローラーの未使用の場所を整数値で指定してください。 |
入力 |
無効 |
△ |
仮想ディスク接続情報 |
[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
---|---|---|---|---|
hyperv.attachScsiControllerNumber |
接続済みSCSIコントローラーの番号 |
仮想ディスクファイルを接続したSCSIコントローラーの番号を出力します。 |
出力 |
無効 |
hyperv.attachScsiLocationNumber |
接続済みSCSIコントローラーの場所番号 |
仮想ディスクファイルを接続したSCSIコントローラーの場所番号を出力します。 |
出力 |
無効 |
[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
hyperv.targetHost |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
UserResponsePlugin.toAddress |
1024文字以内の半角英数字および半角記号。 |
UserResponsePlugin.ccAddress |
1024文字以内の半角英数字および半角記号。 |
UserResponsePlugin.bccAddress |
1024文字以内の半角英数字および半角記号。 |
UserResponsePlugin.mailSubject |
256文字以内の文字列。 |
UserResponsePlugin.mailBody |
1024文字以内の文字列。 |
UserResponsePlugin.encodeType |
次の値のどれかを選択する。 us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8 |
UserResponsePlugin.dialogText |
512文字以内の文字列。 |
UserResponsePlugin.responseTimeOut |
1〜9999の整数値。 |
[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
hyperv.vmName |
100文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「,」,「%」,「¥」,「/」,「:」,先頭の「 (スペース)」および末尾の「 (スペース)」,「.」を除く。 |
hyperv.vHardDiskName |
255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」,「'」,「[」,「]」,「`」,「:」,「¥」を除く。 |
hyperv.vHardDiskFolderPath |
247文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」,「'」,「[」,「]」,「`」および末尾の「¥」を除く。 |
hyperv.vHardDiskType |
次の値のどれかを選択する。 Dynamic,Fixed |
hyperv.capacity |
1以上の整数値。 |
hyperv.scsiControllerNumber |
次の値のどれかを選択する。 0,1,2,3 |
hyperv.scsiLocationNumber |
0以上63以下の整数値。 |
フロー仕様詳細
フロー仕様詳細を次の表に示します。
階層 |
[タスク詳細]画面での表示名 |
ステップ名 |
部品 |
||
---|---|---|---|---|---|
部品名 |
説明 |
エラー時の回復方法 |
|||
1 |
仮想サーバの状態確認 |
仮想サーバの状態確認 |
階層フロー部品 |
仮想サーバの状態を調べ,仮想サーバが起動している場合はユーザーに確認します。 |
− |
1-2 |
仮想サーバの状態取得 |
指定した仮想サーバの状態を取得します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
1-3 |
値判定分岐部品 |
仮想サーバが停止しているか確認します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
1-4 |
階層フロー部品 |
ユーザーに仮想サーバを停止するか確認し,停止する場合は仮想サーバをシャットダウンします。 |
− |
||
1-4-1 |
ユーザー応答待ち部品 |
ユーザーに仮想サーバを停止するかユーザー応答待ちで確認します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
1-4-2 |
仮想サーバの状態取得 |
指定した仮想サーバの状態を取得します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
1-4-3 |
値判定分岐部品 |
仮想サーバが停止しているか確認します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
1-4-4 |
仮想サーバのシャットダウン |
仮想サーバをシャットダウンします。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
||
2 |
仮想ディスクの作成 |
仮想ディスクの作成 |
仮想ディスクの作成 |
仮想ディスクを作成します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |
3 |
仮想ディスクの接続 |
仮想ディスクの接続 |
仮想ディスクの接続 |
仮想サーバに仮想ディスクを接続します。 |
エラーが発生した場合は,作成した仮想ディスクをHyper-Vサーバ上で直接接続するか,仮想ディスクを削除したあと,エラー原因を取り除いて,サービスを再実行してください。 |