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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


2.4.1 JP1/Base監視設定追加

機能

このサービステンプレートは,JP1/Baseの基本的なセットアップと監視設定を行います。

次の内容の監視を実施する監視システムを想定しています。

・監視対象サーバのJP1/Baseによってイベントログ監視(Windowsだけ)およびアプリケーションログのトラップを実施し,監視結果をJP1/IM – Managerサーバに転送する。

・JP1/IM - Managerサーバからの自動アクションは実施しない。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・監視対象サーバ

 イベントログ監視やアプリケーションログ監視を行い,発生したJP1イベントをJP1/IM - Managerへ転送します。

上記監視システムへの監視対象サーバの追加を行った場合に必要となる,次のセットアップを実施します。

(1)Windowsの場合,起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)を設定します。UNIXの場合,自動起動および自動停止スクリプトの設定します。

(2)Windowsファイアウォールへ,次のJP1/Baseプロセスを登録します。

 JP1/BaseのV8.0より後に追加されたプログラム(※)のWindowsファイアウォールへの登録に失敗した場合は,処理をスキップします。

 ・jbssessionmgr

 ・jbsroute

 ・jcocmd

 ・jcocmdapi

 ・jevservice

 ・jbsplugind

 ・jbscomd_snd(※)

 ・jbscomd_rcv(※)

(3)共通定義情報を設定します。

 JP1/Baseの共通定義情報をjbssetcnfコマンドを使用して設定します。

 jbssetcnfコマンドの引数にはプロパティjp1base.commonDefInfoPathLocalに指定したJP1/AOサーバにあるファイルを,プロパティjp1base.targetCommonDefInfoPathに指定したファイルとして監視対象サーバに転送して使用します。

 プロパティjp1base.targetCommonDefInfoPathとjp1base.commonDefInfoPathLocalの両方を指定した場合に設定します。

(4)転送設定ファイル(forward)を設定します。

(5)イベントログトラップ動作定義ファイル(ntevent.conf),ログファイルトラップ動作定義ファイル(ファイル名任意),ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf),ログ情報定義ファイル(jevlogd.conf)を設定します。

JP1/AOの設定対象とする監視対象サーバは複数指定できます。複数の監視対象サーバを指定する場合は,プロパティcommon.targetHostListに,監視対象サーバのホスト名をコンマで区切って指定してください。99台まで指定できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)監視対象サーバに次のJP1/Baseが稼働していること。

JP1/Base 09-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

(2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

(3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter

(4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter

(5) Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

(6) Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

(7) Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

(8) AIX V6

(9) AIX V7

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)監視対象サーバの環境(OS,JP1/Baseのバージョン)に応じて各定義ファイルを用意し,それぞれに対応するサービスを作成してください。

(2)起動順序定義(Windows版JP1/Baseだけ)およびイベント転送設定を行う場合

 JP1/AOサーバに,監視対象サーバに転送する次のファイルを格納し,これらのファイルのパスを,各プロパティに指定してください。

 - 起動順序定義ファイル(jp1svprm.dat) (Windows版だけ) (任意)

 - 転送設定ファイル(forward) (必須)

(3)イベントログトラップの設定を行う場合(Windows版JP1/Baseだけ)

 (2)に示したファイルに加え,JP1/AOサーバに,監視対象サーバに転送する次のファイルを格納し,これらのファイルのパスを,各プロパティに指定してください。

 - イベントログトラップ動作定義ファイル(ntevent.conf) (Windows版だけ) (任意)

(4)ログファイルトラップの設定を行う場合

 (2)に示したファイルに加え,JP1/AOサーバに,監視対象サーバに転送する次のファイルを格納し,これらのファイルのパスを,各プロパティに指定してください。

 - ログファイルトラップ動作定義ファイル(jevlog.conf) (任意)

 - ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf) (任意)

 - ログ情報定義ファイル(jevlogd.conf) (任意)

(5)共通定義情報の設定を行う場合

 (2)に示したファイルに加え,JP1/AOサーバに,監視対象サーバに設定する次のファイルを格納し,これらのファイルのパスを,各プロパティに指定してください。

 - 共通定義設定用ファイル (任意)

 共通定義設定用ファイルは,JP1/Baseのマニュアルに記載されている各設定の形式もしくはモデルファイルを使用して作成してください。

 なお,JP1/Baseではモデルファイルが機能ごとに複数用意されていますが,これを1つのファイルにまとめて作成する必要があります。

(6)すべての設定を行う場合

 JP1/AOサーバに,(2)〜(5)に示したファイルを格納し,これらのファイルのパスを,各プロパティに指定してください。

(7)上記のうち,任意と記載したファイルに対応するプロパティの指定がない場合は,該当ファイルの転送を実施しません。また,プロパティに指定したパスにファイルが存在しない場合は,タスクが異常終了します。

(8)JP1/Baseがクラスタ構成の場合,プロパティcommon.targetHostListに実行系サーバの物理ホストまたは論理ホストを指定してください。

注意事項

(1)このサービスで設定された内容を反映するため,このサービスを実行したあとに,監視対象サーバのリブートを実施してください。

(2)操作対象がJP1/Baseバージョン09-00以前の場合,ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)の設定はできません。

 必要に応じてJP1/Baseのマニュアルを参照し,ログファイルトラップの自動起動設定を行ってください。

(3)共通定義情報を設定する場合,共通定義設定用ファイルの記述が誤っていても,タスクが正常終了する場合があります。共通定義設定用ファイルに誤りがないか,十分に確認してください。

 誤った共通定義情報を設定した場合,再度正しい共通定義情報を設定しても不要な設定が残る場合は,手動で訂正してください。

(4)JP1/Baseがクラスタ構成の場合,実行系の環境へのサービス実行だけ可能です。待機系のWindowsファイアウォールにはJP1/Baseプロセスが登録されません。手動で設定してください。

(5)JP1/Baseがクラスタ構成の場合,共通定義情報の設定は実行系の環境へのサービス実行だけ可能です。待機系の共通定義情報は設定されません。手動で設定してください。

(6)JP1/Baseがクラスタ構成の場合,共通定義設定用ファイル内に指定した論理ホストと一致する環境へのサービス実行だけ可能です。一致しない環境へサービス実行した場合,タスクは正常終了しますが,監視対象サーバは正しく動作しません。

(7)UNIX環境に対してこのサービスを実行する場合は,プロパティにマルチバイト文字を使用しないでください。

(8)監視対象サーバのOSがWindowsでマルチバイト文字を指定する場合は,ファイルのパスの長さは255バイト以内となるよう指定してください。confフォルダのパスの長さは231バイト以内となるように指定してください。

(9)リモートに指定するファイル/フォルダ名がすでに存在する場合,リモートのファイル/フォルダを上書きします。そのため,指定したファイル/フォルダ名に誤りがないか,十分に確認してください。

バージョン

03.01.01

タグ

Configure JP1,Base

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

監視対象サーバ情報

追加する監視対象サーバの環境情報を指定してください。

表示されます。

JP1/Base定義情報

JP1/AOサーバからJP1/Baseに転送する各種定義ファイルを指定してください。

表示されます。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

jp1base.jp1svprmPathLocal

JP1/Base起動順序定義ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseの起動順序定義ファイル(jp1svprm.dat)のパスをフルパスで指定します。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.forwardPathLocal

JP1/Base転送設定ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseの転送設定ファイル(forward)のパスをフルパスで指定します。

入力

無効

○ 

JP1/Base定義情報

jp1base.nteventPathLocal

JP1/Baseイベントログトラップ動作定義ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseのイベントログトラップ動作定義ファイル(ntevent.conf)のパスをフルパスで指定します。指定しなかった場合,転送は実行されません。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.jevlogPathLocal

JP1/Baseログファイルトラップ動作定義ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseのログファイルトラップ動作定義ファイル(jevlog.conf)のパスをフルパスで指定します。指定しなかった場合,転送は実行されません。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.jevlogstartLocal

JP1/Baseログファイルトラップ起動定義ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseのログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)のパスをフルパスで指定します。指定しなかった場合,転送は実行されません。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.jevlogdLocal

JP1/Baseログ情報定義ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseのログ情報定義ファイル(jevlogd.conf)のパスをフルパスで指定します。指定しなかった場合,転送は実行されません。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.commonDefInfoPathLocal

JP1/Base共通定義設定用ファイルのパス(ローカル)

JP1/AOサーバから転送(設定)するJP1/Baseの共通定義設定用ファイルのパスをフルパスで指定します。指定しなかった場合,転送は実行されません。

入力

無効

△ 

JP1/Base定義情報

jp1base.targetBasePath_Windows

JP1/Baseインストールパス(Windows)

監視対象サーバのJP1/Base(Windows)のインストール先フォルダをフルパスで指定します。監視対象サーバがWindowsの場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

jp1base.targetForwardPath_Windows

JP1/Base(Windows)のforwardファイルのパス

監視対象サーバ(Windows)のJP1/Baseのforwardファイルのパスをフルパスで指定します。監視対象サーバがWindowsの場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

jp1base.targetConfPath_Windows

JP1/Base(Windows)のconfフォルダのパス

監視対象サーバ(Windows)のJP1/Baseのconfフォルダのフルパスを指定します。監視対象サーバがWindowsの場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

jp1base.targetForwardPath_Linux

JP1/Base(UNIX)のforwardファイルのパス

監視対象サーバ(UNIX)のJP1/Baseのforwardファイルのパスをフルパスで指定します。監視対象サーバがUNIXの場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

jp1base.targetConfPath_Linux

JP1/Base(UNIX)のconfディレクトリのパス

監視対象サーバ(UNIX)のJP1/Baseのconfディレクトリのフルパスを指定します。監視対象サーバがUNIXの場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

jp1base.targetCommonDefInfoPath

JP1/Baseの共通定義設定用ファイルのパス

監視対象サーバへJP1/Baseの共通定義設定用ファイルを転送する際の転送先ファイルのパスをフルパスで指定します。JP1/Baseの共通定義情報の設定を行う場合,必ず設定してください。

入力

無効

△ 

監視対象サーバ情報

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

common.targetHostList

監視対象サーバのホスト名のリスト

JP1/Baseの設定を行う監視対象サーバのホスト名を指定します。複数指定する場合は,コンマで区切って指定します。99台まで指定できます。クラスタ構成の場合は,実行系サーバの物理ホストまたは論理ホストを指定してください。

入力

無効

○ 

監視対象サーバ情報

[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

common.taskResult

繰り返しタスクの実行結果

タスクごとの成功(true),失敗(false)をコンマ区切りで出力します。

出力

無効

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

jp1base.jp1svprmPathLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.forwardPathLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.nteventPathLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.jevlogPathLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.jevlogstartLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.jevlogdLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.commonDefInfoPathLocal

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.targetBasePath_Windows

232文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」および末尾の「¥」を除く。

jp1base.targetForwardPath_Windows

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」および末尾の「¥」を除く。

jp1base.targetConfPath_Windows

231文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「/」および末尾の「¥」を除く。

jp1base.targetForwardPath_Linux

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「`」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.targetConfPath_Linux

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「`」および末尾の「¥」,「/」を除く。

jp1base.targetCommonDefInfoPath

255文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「*」,「?」,「"」,「%」,「`」および末尾の「¥」,「/」を除く。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

common.targetHostList

1024文字以内の半角英数字および「.」,「-」,「,」。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

JP1/Baseセットアップ

JP1/Baseセットアップ

繰り返し実行部品

指定されたホスト名に対して,繰り返しJP1/Baseのセットアップと監視設定追加を行います。

エラー原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。