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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


2.2.3 サービステンプレート「運用ユーザー一括変更」の使用例

サービステンプレート「運用ユーザー一括変更」を使用した場合の,想定するシステム構成および指定するプロパティの例について説明します。

このサービステンプレートを使用すると,CSV(Comma Separated Values)ファイル,またはMicrosoft Excelによって作成されたユーザーの一覧情報を使用して,OSユーザーのパスワード変更,JP1/Baseのパスワード管理情報の変更,およびJP1ユーザーのパスワード変更を一括で行います。

想定するシステム構成

このサービステンプレートでは,次のシステム構成を想定しています。

Webブラウザー

JP1/AOを操作する端末です。ユーザーは,この端末でサービステンプレートのプロパティ値を設定します。

IT運用自動化サーバ

JP1/AO,およびJP1/Baseがインストールされているサーバです。IT運用自動化サーバのローカルディスクには,ユーザー権限レベルファイルが格納されています。

認証サーバ

JP1/Baseがインストールされているサーバです。

エージェントサーバ

JP1/Baseがインストールされているサーバです。

図2‒3 サービステンプレート「運用ユーザー一括変更」の想定するシステム構成

[図データ]

処理の流れ

  1. Webブラウザーから,ユーザーがプロパティ値を入力し,サービスを実行します。

  2. IT運用自動化サーバは,指定されたプロパティ値のOSユーザー情報ファイル,およびJP1ユーザー情報ファイルを読み込みます。

    読み込んだ項目を基に,IT運用自動化サーバからエージェントサーバ,および認証サーバに自動処理が実行されます。

  3. OSユーザー情報ファイルの設定値を基に,エージェントサーバのOSユーザーのパスワードが変更されます。

  4. OSユーザー情報ファイルに「JP1/Baseパスワード管理情報の更新要否」を設定した場合,エージェントサーバのJP1/Baseのパスワード管理情報が変更されます。

  5. JP1ユーザー情報ファイルの設定値を基に,JP1認証サーバのJP1ユーザーのパスワードが変更されます。

プロパティ値の指定例

サービステンプレート「運用ユーザー一括変更」を使用するためには,ユーザーの環境に合わせて,プロパティ値を指定する必要があります。プロパティ値は,[サービス設定]画面および[サービス実行]画面で指定します。

表2‒5 [サービス実行]画面で指定するプロパティ値の例(運用ユーザー一括変更)

プロパティグループ

プロパティ名

プロパティキー

説明

指定例

ユーザー情報ファイルの情報

OSユーザー情報ファイルのパス

OS.osUserInfoFilePath

JP1/AOサーバ上に格納した,OSユーザー情報を記入したファイルのパスをフルパスで指定します。ファイルの拡張子はcsv,xls,xlsx,xlsmのどれかである必要があります。

C:¥ao¥os_user.xls

OSユーザー情報ファイルのシート名

OS.osUserInfoSheetName

OSユーザー情報ファイルがExcelファイルの場合,ユーザー情報が記載されたシート名を必ず指定してください。

Sheet2

JP1ユーザー情報ファイルのパス

jp1base.jp1UserInfoFilePath

JP1/AOサーバ上に格納した,JP1ユーザー情報を記入したファイルのパスをフルパスで指定します。ファイルの拡張子はcsv,xls,xlsx,xlsmのどれかである必要があります。

C:¥ao¥jp1_user.xls

JP1ユーザー情報ファイルのシート名

jp1base.jp1UserInfoSheetName

JP1ユーザー情報ファイルがExcelファイルの場合,ユーザー情報が記載されたシート名を指定してください。JP1ユーザー情報ファイルがExcelファイルの場合には必ず指定してください。

Sheet1

OSユーザー情報ファイルの詳細

OSユーザー情報ファイルのキー情報の列番号

OS.osUserInfoKeyColumn

OSユーザー情報ファイル内の「キー情報」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

7

エージェントサーバのホスト名の列番号

common.targetHostNameColumn

OSユーザー情報ファイル内の「エージェントサーバのホスト名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

1

エージェントサーバのJP1/Baseの論理ホスト名の列番号

jp1base.jp1BaseLHostNameColumn

OSユーザー情報ファイル内の「エージェントサーバのJP1/Baseの論理ホスト名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

5

OSユーザー名の列番号

OS.osUserNameColumn

OSユーザー情報ファイル内の「OSユーザー名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

2

OSユーザーの新パスワードの列番号

OS.osUserNewPasswordColumn

OSユーザー情報ファイル内の「OSユーザーの新パスワード」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

3

OSユーザー種別の列番号

OS.osUserTypeColumn

OSユーザー情報ファイル内の「OSユーザー種別」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

4

JP1/Baseパスワード管理情報の更新要否の列番号

jp1base.updatePasswordInfoColumn

OSユーザー情報ファイル内の「JP1/Baseパスワード管理情報の更新要否」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

6

JP1ユーザー情報ファイルの詳細

JP1ユーザー情報ファイルのキー情報の列番号

jp1base.jp1UserInfoKeyColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「キー情報」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

6

JP1認証サーバのホスト名の列番号

jp1base.certHostNameColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「JP1認証サーバのホスト名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

1

JP1認証サーバの論理ホスト名の列番号

jp1base.certHostLHostNameColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「JP1認証サーバの論理ホスト名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

5

JP1ユーザー名の列番号

jp1base.jp1UserNameColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「JP1ユーザー名」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

2

JP1ユーザーの旧パスワードの列番号

jp1base.jp1UserOldPasswordColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「JP1ユーザーの旧パスワード」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

4

JP1ユーザーの新パスワードの列番号

jp1base.jp1UserNewPasswordColumn

JP1ユーザー情報ファイル内の「JP1ユーザーの新パスワード」を記述した列番号を指定します。列番号は1から255の整数値で指定してください。

3

プロパティ値とユーザーの一覧情報との関係

プロパティの各項目の列番号を使用して,ユーザーの一覧情報(OSユーザー情報ファイル,およびJP1ユーザー情報ファイル)で読み込む列を指定します。ユーザーの一覧情報には,キー情報の列を必ず作成してください。例えば,既存のユーザー管理台帳などにキー情報の列を追加して記述することで,ユーザーの一覧情報として使用できます。OSユーザー情報ファイルを使用して,OSユーザーのパスワード変更およびJP1/Baseのパスワード管理情報の変更を行う場合を例に説明します。

図2‒4 OSユーザー情報ファイルのマッピング例

[図データ]

  1. ユーザーがプロパティ値を入力し,サービスを実行します。

  2. プロパティ「OSユーザー情報ファイルのパス」,およびプロパティ「OSユーザー情報ファイルのシート名」で指定したファイルのシートが読み込まれます。

  3. プロパティで指定した各項目の列番号が,OSユーザー情報ファイルの読み込む列にマッピングされます。

  4. プロパティ「OSユーザー情報ファイルのキー情報の列番号」に指定された列が参照されます。キー情報が記述されている行を対象に,OSユーザーのパスワード変更,およびJP1/Baseのパスワード管理情報が変更されます。