7.14 バックアップファイルを使用して遠隔地でJP1/AOサーバを復元する手順
JP1/AOサーバが何らかの理由で停止しても,バックアップファイルを使用して,遠隔地でJP1/AOサーバを復元できます。この方法は,大規模な災害やシステム障害が起こった際の,ディザスター・リカバリーにも使用できます。
例を次の図に示します。
メインサイトであるA支社では,営業終了後,毎日深夜0:00にバックアップファイルを取得し,リモートサイトであるB支社に送付しておきます。B支社では,常に前夜0:00のA支社のバックアップファイルを保持していることになります。そのため,A支社で災害などが発生してJP1/AOサーバが停止しても,前夜0:00のバックアップファイルからA支社のJP1/AOサーバをB支社に復元できます。
バックアップファイルを使用して遠隔地でJP1/AOサーバを復元する手順について説明します。
前提条件
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メインサイトのJP1/AOサーバとリモートサイトのJP1/AOサーバで次の項目が一致していること。
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システムのロケール
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JP1/AOのバージョン,リビジョン,および限定コード
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JP1/AOのインストール先フォルダ
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Hitachi Command Suite製品をインストールしている場合,Hitachi Command Suite製品の環境(構成,バージョン,リビジョンおよび限定コード)
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操作対象の機器との接続に公開鍵認証を使用する場合,秘密鍵ファイルの格納先
なお,鍵の配置には次の方法があります。
・メインサイトとリモートサイトで同じ鍵を配置する
メインサイトで作成した秘密鍵ファイルをリモートサイトに送付し,配置しておきます。
・メインサイトとリモートサイトで別の鍵を配置する
メインサイトとリモートサイトで別に鍵を作成し,対応する公開鍵ファイルを操作対象の機器に配置しておきます。
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クラスタ環境を構築していないこと。
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バージョン10-02以前のJP1/AOからバージョンアップインストールしていないこと。
バックアップファイルを使用して遠隔地でJP1/AOサーバを復元する流れ
メインサイトのバックアップファイルを使用して,リモートサイトでJP1/AOサーバを復元する流れを次に示します。
タイミング |
メインサイトでの作業 |
リモートサイトでの作業 |
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通常運用時 |
バックアップファイルを取得する。※ |
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取得したバックアップファイルをリモートサイトに送付する。 |
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災害・障害発生時 |
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取得した中で最新のバックアップファイルを使用して,メインサイトのJP1/AOサーバを復元する。 |
- (凡例)
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-:なし
- 注※
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バックアップファイルは,定期的に自動で取得することをお勧めします。
通常運用時の手順
メインサイトの最新のバックアップファイルを取得し,リモートサイトに送付します。
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メインサイトの最新のバックアップファイルを取得します。
JP1/AOサーバのバックアップファイルを取得する手順については,「7.1 JP1/AOシステムをバックアップする手順(非クラスタ構成の場合)」を参照してください。
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取得したメインサイトのバックアップファイルを,リモートサイトに送付します。
- ヒント
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backupsystemコマンドでは,次のファイルはバックアップされません。メインサイトとリモートサイトで同じファイルを使用する場合は,必要に応じて手動でバックアップし,リモートサイトに送付しておいてください。
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https接続用のSSLサーバ証明書ファイル
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https接続用の秘密鍵ファイル
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公開鍵認証用の秘密鍵ファイル
なお,これらのファイルはメインサイトとリモートサイトで別のファイルを使用することもできます。その場合は,メインサイトとリモートサイトで別に取得または作成し,配置してください。
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災害・障害発生時の手順
メインサイトの最新のバックアップファイルをリモートサイトにリストアして,メインサイトのJP1/AOサーバを復元します。
- ヒント
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手順4~6は,メインサイトのJP1/AOサーバとリモートサイトのJP1/AOサーバで次の設定内容が同じ場合,実施不要です。
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外部認証サーバ連携コンフィグファイル(exauth.properties)
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セキュリティ定義ファイル(security.conf)
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ポート番号変更の設定(user_httpsd.conf)
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https接続の設定(user_httpsd.conf)
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JP1/AOとWebブラウザー間のポート番号
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リモートサイトで,実行中,応答待ち中,異常検出,長期実行中,または停止中の状態のタスクがないことを確認します。ある場合は,タスクを実行停止するか,正常終了または失敗の状態になるまで待ちます。
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JP1/AOシステムが稼働している場合は,hcmds64srvコマンドにstopオプションを指定して実行し,JP1/AOシステムを停止します。
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restoresystemコマンドを実行して,メインサイトのJP1/AOの設定情報やデータベース情報をリストアします。
- ヒント
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restoresystemコマンドでは,次のファイルはリストアされません。メインサイトとリモートサイトで同じファイルを使用する場合は,必要に応じて手動で再配置してください。
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https接続用のSSLサーバ証明書ファイル
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https接続用の秘密鍵ファイル
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公開鍵認証用の秘密鍵ファイル
https接続用のファイルはuser_httpsd.confファイル,公開鍵認証用のファイルはユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)で定義されている,それぞれの格納先に配置してください。
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リモートサイトの環境に合わせて,次の定義ファイルを再設定します。
これらの定義ファイルは,backupsystemコマンドでバックアップはされますが,restoresystemコマンドでリストアはされません。
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外部認証サーバ連携コンフィグファイル(exauth.properties)
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セキュリティ定義ファイル(security.conf)
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ポート番号変更の設定(user_httpsd.conf)
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https接続の設定(user_httpsd.conf)
なお,定義ファイルは次のフォルダに格納されています。
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バックアップ先フォルダ\HBase\base\confまたはバックアップ先フォルダ/HBase/base/conf
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バックアップ先フォルダ\HBase\base\httpsd.confまたはバックアップ先フォルダ/HBase/base/httpsd.conf
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必要に応じて,https接続を設定します。
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JP1/AOとWebブラウザー間の通信で使用するポート番号をデフォルトから変更している場合は,ポート番号の変更手順に従い,再設定します。
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hcmds64srvコマンドにstartオプションを指定して実行し,JP1/AOシステムを開始します。
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hcmds64chgurlコマンドを実行して,リモートサイトの環境に合わせてURL情報を更新します。
操作結果:
リモートサイトに,メインサイトのJP1/AOサーバが復元されます。