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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation 導入・設計ガイド 


3.1 JP1/AOシステムのライフサイクル

JP1/AOシステムには,繰り返しの目的や頻度が異なる2つのライフサイクルがあります。1つは,IT運用の実行単位であるサービスのライフサイクル,もう1つは,そのサービスの動作を支えるJP1/AOシステム全体のライフサイクルです。

図3‒1 IT運用(サービス)とJP1/AOシステム全体のライフサイクル,およびマニュアル参照先との対応

[図データ]

ライフサイクルは,必要な作業ごとに設計工程,構築工程,運用工程,見直し工程の4つの工程に分かれています。次にそれぞれの工程で必要な作業について説明します。

設計工程

1. サービス設計

自動化するIT運用を洗い出して,必要なサービスやサービスの運用方法(実行スケジュールやタグ情報など)を検討します。

2. 運用設計

自動化するIT運用に合わせて,ユーザーの役割やトラブル発生時の通知方法など,JP1/AOシステムの運用方法について検討します。

3. システム設計

サービス設計および運用設計の内容に基づいて,JP1/AOシステムの構成やネットワークの設定など,システム構築のための検討をします。

構築工程

4. システム構築

システム設計で検討した内容に基づいて,JP1/AOのインストールや各種設定などを実施します。

運用工程

5. 運用準備

サービス設計および運用設計で検討した内容に基づいて,サービスおよびJP1/AOシステムの運用に必要なサービスやユーザーを準備します。

  • サービスの運用準備

    目的のIT運用処理に対応するサービスをJP1/AOシステム上に追加します。

  • JP1/AOシステムの運用準備

    JP1/AOにログインするためのユーザーやサービスの実行時に必要なメールサーバやSMTPサーバなどを設定します。

これらの作業は,構築したJP1/AOシステム上で,操作画面やコマンドを利用して実施します。

6. 日常運用,保守・メンテナンス
  • サービスに関する運用

    日常運用として,サービスの実行・管理(タスク管理を含む)を実施します。

  • JP1/AOシステムに関する運用

    必要に応じてJP1/AOシステムの保守・メンテナンス作業(バックアップなど)を実施します。

見直し工程

7. サービスの見直し

ある程度運用を継続したあと,自動処理の効率をさらに向上させたり,自動処理の対象を拡大したりするには,運用状況の見直しを実施します。例えば,サービスの実行履歴を基にサービスの運用効率を分析したり,実行頻度が高いサービスの効率向上や,自動化できていないIT運用の自動化を検討したりします。

見直しの結果,追加・変更が必要な部分については,サービス設計から再び実施します。

8. システムの見直し

システム構成や規模の変更などに合わせて,JP1/AOシステムを随時見直します。見直しの結果,追加・変更が必要な部分については,運用設計から再び実施します。

この章では,設計工程について説明します。それ以外の工程については各マニュアルを参照してください。