5.4.2 エンドWSの設定ファイルの文法
ここでは、エンドWSの設定ファイルに指定する内容について説明します。
(1) 形式
ManagingHost ホスト名 WorkstationType END 〔WatchTimeofOrders 配布指令の確認の監視時間〕 〔RetryCount 再試行回数〕 〔RetryInterval 再試行の時間間隔〕 〔ServerRetryCount 再試行回数〕 〔ServerRetryInterval 再試行の時間間隔〕 〔DeliveryRetryCount パッケージ配布およびファイル収集の再試行回数〕 〔DeliveryRetryInterval パッケージ配布およびファイル収集再試行の時間間隔〕 〔TransferDataSize {512|1024|2048|4096}〕 〔LifeofResource パッケージの保存日数〕 〔Compress {NO|COMPRESS|PACK|COMMON}〕 〔AutoAction {YES|NO}〕 〔DetailStatusInf {YES|NO}〕 〔SystemLogOutputLevel {0|1|2|3}〕 〔MaxEntryofMessage メッセージログファイルの上限数〕 〔ReceiveWaitTime ファイル転送の無応答監視時間〕 〔EnableMultiServer {YES|NO}〕 〔RebootPermission {YES|NO}〕
(2) 説明
- ManagingHost ホスト名 〜<半角の英大文字、数字、ハイフン、アンダーバー、およびピリオド>((1〜64文字))
-
配布管理システムのアドレスを指定します。配布管理システムがクラスタ環境で稼働している場合は、クラスタソフトで定義する論理IPアドレスに対応するホスト名を指定します。クラスタ環境での運用については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」の、クラスタシステムでの運用についての説明を参照してください。
- WorkstationType END
-
エンドWSを示す「END」を指定します。
- WatchTimeofOrders 配布指令の確認の監視時間 〜<符号なし整数>((0〜60))≪5≫(単位:分)
-
エンドWSから配布管理システムの配布指令を確認するときに、配布指令の有無の確認コマンド(rdsmaコマンド)の実行を監視する時間間隔を、分単位で指定します。
この値を設定した状態でrdsmaコマンドを実行すると、指定した時間間隔で監視します。
0を指定すると、rdsmaコマンドを1回だけ実行して監視します。
- RetryCount 再試行回数 〜<符号なし整数>((1〜9))≪3≫(単位:回数)
-
配布管理システムとのアソシエーションまたはコネクションが確立できなかったとき、確立を再試行する回数を指定します。9を指定すると、無限に再試行します。
- RetryInterval 再試行の時間間隔 〜<符号なし整数>((1〜99))≪1≫(単位:10秒)
-
配布管理システムとのアソシエーションまたはコネクションの確立ができなかったとき、再試行の時間間隔を10秒単位で指定します。
- ServerRetryCount 再試行回数 〜<符号なし整数>((1〜9))≪3≫(単位:回数)
-
ファイル転送サーバとのコネクションが確立できなかったとき、確立を再試行する回数を指定します。9を指定すると、無限に再試行します。
- ServerRetryInterval 再試行の時間間隔 〜<符号なし整数>((1〜99))≪5≫(単位:秒)
-
ファイル転送サーバとのコネクションが確立できなかったとき、再試行の時間間隔を1秒単位で指定します。
- DeliveryRetryCount パッケージ配布およびファイル収集の再試行回数 〜<符号なし整数>((0〜9))≪0≫(単位:回数)
-
パッケージ配布(またはファイル収集)中に回線エラーになったとき、パッケージ配布(またはファイル収集)のコマンドを再試行する回数を指定します。0を指定すると再試行しません。
- DeliveryRetryInterval パッケージ配布およびファイル収集再試行の時間間隔 〜<符号なし整数>((1〜99))≪3≫(単位:10秒)
-
パッケージ配布(またはファイル収集)中に回線エラーになったとき、パッケージ配布(またはファイル収集)のコマンドを再試行する時間間隔を10秒単位で指定します。DeliveryRetryCountで0を指定した場合、ここで指定した値は無視されます。
- TransferDataSize 〜{512|1024|2048|4096}≪1024≫
-
TCP/IP環境で、配布管理システムとデータの送受信をするときの、バッファサイズを指定します。
バッファサイズは、エンドWSと配布管理システム間のネットワーク環境を考慮して選択してください。
- LifeofResource パッケージの保存日数 〜<符号なし整数>((1〜999))≪1≫
-
パッケージの保存日数を指定します。登録ファイルで満了日付を指定しない場合、保管庫では登録日からここで指定した日数だけパッケージが保存されます。標準値は1日(登録日の翌日まで)です。
- Compress 〜{NO|COMPRESS|PACK|COMMON}≪NO≫
-
登録するソフトウェアの圧縮を指定します。
- NO
-
圧縮しません。
- COMPRESS
-
compressコマンドを使って圧縮します。
- PACK
-
packコマンドを使って圧縮します。
- COMMON
-
共用資源を圧縮します。
サイズが3ブロック以下のソフトウェアは、PACKを指定しても効果がありません。圧縮処理でエラーになった場合は、圧縮しないで登録されます。ここで指定した値は、登録ファイルでソフトウェアの圧縮を指定しない場合の省略値になります。
- AutoAction 〜{YES|NO}≪NO≫
-
障害発生時などに、JP1/Baseに対してJP1イベントを通知するかどうかを指定します。
- YES
-
JP1イベントを通知します。
- NO
-
JP1イベントを通知しません。
JP1イベントを使用した自動アクションなどの運用については、「7. JP1/IM - Managerを使用したJP1イベントの処理」を参照してください。
- DetailStatusInf 〜{YES|NO}≪NO≫
-
配布管理システムに対し、指令の実行状況を詳細に通知するかどうかを指定します。
- YES
-
指令の状況を詳細に通知します。
- NO
-
詳細通知はしません。
「YES」を指定すると、配布管理システム側に指令状態が次のように通知されます。
-
システムの稼働中に組み込む配布指令を実行したとき、配布先システムへのパッケージの転送が終了した時点で、指令状態のエンドステータスが0x80に変更されます。
-
一度に複数の配布指令を実行したとき、指令ごとに実行終了が通知されます。
- SystemLogOutputLevel 〜{0|1|2|3}≪3≫
-
syslogファイルに出力するメッセージの出力レベルを設定します。
- 0
-
出力しません。
- 1
-
エラーメッセージおよびシステムエラーメッセージ(メッセージIDの最後の1文字がEまたはSのメッセージ)を出力します。
- 2
-
エラーメッセージ、システムエラーメッセージ、および警告メッセージ(メッセージIDの最後の1文字がE、S、またはWのメッセージ)を出力します。
- 3
-
syslog出力対象メッセージをすべて出力します。syslog出力対象メッセージは、次のメッセージです。
-
コマンドのオペランドの指定に誤りがある場合以外のエラー時に出力するメッセージ
-
JP1/IT Desktop Management 2がバックグラウンドで動作する際、正常時に出力するメッセージ
-
また、基本機能がsyslogに出力するメッセージの詳細は次のとおりです。
メッセージID
ファシリティ
レベル
KDDMnnnn-E
LOG_USER
LOG_ERR
KDDMnnnn-S
LOG_USER
LOG_CRIT
KDDMnnnn-W
LOG_USER
LOG_WARNING
KDDMnnnn-I
LOG_USER
LOG_INFO
- (凡例)
-
nnnn:メッセージコードとして任意の数字が表示される。
- MaxEntryofMessage メッセージログファイルの上限数 〜<符号なし整数>((300〜99999))≪300≫
-
メッセージログファイルに保管するメッセージ数の上限を指定します。
上限を前より低く設定し直す場合、メッセージログファイルは最新のメッセージから新しい設定値分までで編集されます。残したいメッセージがある場合は、不要なメッセージを削除してください。編集時には、新たに設定値分のメッセージログファイル容量が一時的に必要となります。十分な空き容量があることを確認して設定してください。
- ReceiveWaitTime ファイル転送の無応答監視時間 〜<符号なし整数>((0〜2147483647))≪240≫(単位:秒)
-
ファイル受信時の無応答監視時間を設定します。単位は秒です。
ファイル転送中に、ここで指定した秒数以上サーバからの応答がない場合、通信失敗とみなされます。0を指定した場合は、監視されません。
ここに設定する時間は、配布管理システムの基本機能の設定ファイルで設定する、ファイル転送休止時間(FileTransferSleepTime)より短くならないよう注意してください。ファイル転送休止時間より短い時間を設定すると、ファイル転送の休止時に通信障害が発生します。
- EnableMultiServer 〜{YES|NO}≪NO≫
-
複数の上位システムから実行される指令を受け付けるかどうか指定します。複数の上位システムを持つシステム構成をマルチサーバと呼びます。
- YES
-
マルチサーバで運用する場合に指定します。
この指定によって、指令の実行結果はManagingHostに指定されたホストにではなく、指令をダウンロードしたホストに正しく送られるようになります。ただし、パッケージを選択して組み込む場合はManagingHostに対して実行結果が送信されます。
なお、次の障害が発生すると、回復後も指令が"ERROR"のままになる場合があります。この場合は配布管理システムで指令を再作成し、実行してください。
-
中継システム(ManagingHostに設定した中継システムを除く)との通信中に通信障害が発生
-
配布管理システムからのファイル転送が中断
-
- NO
-
マルチサーバで運用しない場合に指定します。
この設定では、ManagingHost以外のホストから指令をダウンロードした場合であっても、指令実行結果がManagingHostに対して送信される場合があります。
- RebootPermission 〜{YES|NO}≪NO≫
-
配布指示されたパッケージにOSの再起動が指定してあった場合、自動的にOSの再起動を実行するかどうかを指定します。JP1/IT Desktop Management 2 - Agentで、自動的にOSを再起動する場合は、システムファイルでJP1/IT Desktop Management 2 - Agentを自動起動する設定が必要です。システムファイルの設定については、「5.8 システムファイルの設定」を参照してください。
- YES
-
パッケージのインストール後にOSを再起動します。ただし、OSの再起動が指定されていないパッケージの場合は、OSを再起動しません。
- NO
-
OSを再起動しません。