7.9.3 タスク「データメンテナンス(Asset Console)」で実施する作業の指定
このタスクは資産管理サーバを設定したあと、必ず有効にしてください。
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」は、資産管理データベースのデータの整合性を保つために、更新された情報に合わせて、関連するほかの情報を更新したり、不要な情報を削除したりします。実施できる作業の中から、必要な作業だけを選択して実施することもできます。実施する作業を選択する方法については、「7.9.3(3) 実施する作業の変更」を参照してください。
なお、タスク「データメンテナンス」を実行する際は、Asset Consoleのサービス、コマンド、およびタスクをすべて停止することをお勧めします。
Asset Consoleのサービスは次に示す順番で停止してください。
-
World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishing
-
Asset Consoleのコマンドおよびタスク
また、タスク「データメンテナンス」を実行したあとにAsset Consoleを使用するときは、停止時と逆の順番でサービスを起動してください。
- 〈この項の構成〉
(1) タスク「データメンテナンス(Asset Console)」で実施する作業
タスク「データメンテナンス」を利用して実施できる作業を次に示します。
-
「抹消」状態の資産情報、契約情報、ボリューム契約情報を削除する作業
資産情報の削除に伴って、関連づけられている次の情報も削除されます。
ハードウェア資産情報、ソフトウェア資産情報、ネットワーク情報、インストールソフトウェア情報、パッチ情報、ウィルス定義情報、移管履歴、関連資産情報、資産情報とソフトウェアキー情報、ユーザ情報とソフトウェアキー情報
また、契約情報の削除に伴って、関連づけられている次の情報も削除されます。
保守契約情報、リース契約情報、レンタル契約情報、ボリューム契約情報、契約履歴、契約資産履歴
-
「返却」、「廃棄」または「仮廃棄」状態の資産情報に関連づけられている情報を削除する作業
次の情報が削除されます。
インストールソフトウェア情報、パッチ情報、ウィルス定義情報、ネットワーク情報※
また、資産に割り当てられているライセンスキーが解除されます。
注※ ネットワーク情報で削除されるのは、IPアドレスだけです。
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操作画面で変更した部署、設置場所およびユーザ名に合わせて既存の資産情報に登録されている部署、設置場所、ユーザ名を変更する作業
操作画面で変更した部署、設置場所およびユーザ名は、このタスクによって資産情報、契約情報に反映され、変更した履歴が移管履歴に取得されます。
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IDに対応する部署、設置場所およびユーザ名を、資産情報に設定する作業
資産情報に、部署ID、設置場所ID、ユーザID、管理者IDおよび管理部署IDが設定されていて、対応する部署、設置場所、ユーザ名、管理者および管理部署が設定されていない場合、対応する名称が設定されます。
-
不要なIPアドレス管理情報を削除する作業
IPグループ情報の範囲外で、利用されていないIPアドレスのIPアドレス管理情報が削除されます。
-
インストールソフトウェア名が登録されていないインストールソフトウェア情報を削除する作業
-
ライセンス区分が「ユーザ許諾」ではないライセンスの、ユーザとソフトウェアキー情報との関連を解除する作業
-
ライセンス区分が「マシン許諾」ではないライセンスの、ハードウェア資産情報とソフトウェアキー情報との関連を解除する作業
-
移管したライセンスと同一の「部署ID」および「資産番号」のライセンスがあった場合、ライセンス数とライセンスキーをそれぞれ統合する作業
対象となるのは、ソフトウェア状態が「運用」のソフトウェアです。
-
管理レベルを「管理対象外」に設定したソフトウェアのインストールソフトウェア情報を削除する作業
-
部署または設置場所別のIPグループで、対応する部署または設置場所が削除されたIPグループを削除する作業
-
ハードウェア資産情報の「IPアドレス」の値に対応する部署を、資産情報の「部署」に登録する作業
IPアドレスと部署との対応は、業務メニュー「IPグループ管理」で作成したIPグループの設定に従います。この作業は、デフォルトでは実施しない設定になっています。
-
ハードウェア資産情報の「IPアドレス」の値に対応する設置場所を、資産情報の「設置場所」に登録する作業
IPアドレスと設置場所との対応は、業務メニュー「IPグループ管理」で作成したIPグループの設定に従います。この作業は、デフォルトでは実施しない設定になっています。
-
対応する情報(ハードウェア資産情報、機器カタログ、契約情報、契約履歴、ボリューム契約、ソフトウェア資産情報または保守履歴)が存在しない添付ファイルを削除する作業
-
対象の資産情報が存在しない関連資産情報を削除する作業
-
すでに存在していない部署に設定されている分掌情報を削除する作業
(2) オプションの指定
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」では、設定ファイル(taskopt.ini)に記載した[MAINTE_n]セクションの処理を、オプションで指定して実行できます。
オプションは、タスクのプロパティを表示して、「タスク」タブの「実行するファイル名」で、ファイル名のあとに指定します。
- 形式
-
-s OPT=実行するセクション
実行するセクションには、taskopt.iniに記述した[MAINTE_n]セクションのうち、実行したいセクションを半角英数字(0〜9またはa〜z)の1文字で指定します。大文字と小文字は区別されません。
- 指定例
-
"C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
-f "C:\jp1asset\scriptbatch\DataMaintenance.txt" -dp
-s OPT=1
「C:\jp1asset」はAsset Consoleのインストール先フォルダを示しています。
(3) 実施する作業の変更
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」で実施する作業を変更する場合は、設定ファイル(taskopt.ini)に変更したい作業を記述します。通常実施する作業と、オプションを指定したときに実施する作業は、セクションを分けて指定できます。
設定ファイルの格納先および記述方法を次に示します。
-
設定ファイルの格納先
<Asset Consoleのインストール先フォルダ>\env
なお、設定ファイル作成時の参考として、上記格納先に設定ファイルのサンプルファイル(taskopt.org)を提供しています。サンプルを参考にして、設定ファイルを変更してください。
-
設定ファイル(taskopt.ini)の設定方法
図7‒10 taskopt.iniの記述方法 - [DATAMAINTENANCE]
-
変更したい作業に対応した変数名と指定値を記述します。
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」の基本的な実行内容を変更する場合は、このセクションに記述します。ここに記述した内容は、オプションを指定しない場合でも有効になります。また、オプションを指定した場合も、指定したセクションでの処理と重複しないときは有効になります。
このセクションに記述しない作業は、デフォルトの設定で実行されます。
- [MAINTE_n]
-
変更したい作業に対応した変数名と指定値を記述します。
目的に応じてタスク「データメンテナンス(Asset Console)」の実行内容を変更する場合は、目的別にセクションを分けて記述します。セクション名は、[MAINTE_n]の形式で指定します。nに半角英数字(0〜9またはa〜z)を1文字指定します。大文字と小文字は区別されません。オプション指定時にこのnの文字を指定することで、実行内容を選択できます。
このセクションに記述しない作業は、[DATAMAINTENANCE]セクションの設定で実行されます。
各セクションに記述する変数名、処理内容、指定値およびデフォルトを次の表に示します。なお、変数名とデフォルトの指定値は、taskopt.iniと同じフォルダに格納されているtaskopt.orgに記載されています。
表7‒13 taskopt.iniに指定する変数名 処理内容
変数名
指定値
デフォルト
「抹消」状態の機器の資産情報と関連情報を削除する。
ASSET_ERASE_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
「返却」、「廃棄」および「仮廃棄」状態の機器の関連情報を削除する。
ASSET_ASSOC_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
「抹消」状態のソフトウェアの資産情報と関連情報を削除する。
SOFTINFO_ERASE_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
「返却」および「廃棄」状態のソフトウェアの関連情報を削除する。
SOFTINFO_ASSOC_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
「抹消」状態の契約情報を削除する。
CONTRACT_ERASE_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
「抹消」状態のボリューム契約情報を削除する。
VOLUME_ERASE_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
操作画面で変更したユーザ名に合わせて既存の資産情報に登録されているユーザ名を変更する。
また、IDに対応するユーザ名を、資産情報に設定する。
USER_ASSOC_UPD
-
YES
更新する。
-
NO
更新しない。
YES
操作画面で変更した部署に合わせて既存の資産情報に登録されている部署を変更する。
また、IDに対応する部署を、資産情報に設定する。
GROUP_ASSOC_UPD
-
YES
更新する。
-
NO
更新しない。
YES
操作画面で変更した設置場所に合わせて既存の資産情報に登録されている設置場所を変更する。
また、IDに対応する設置場所を、資産情報に設定する。
LOCATION_ASSOC_UPD
-
YES
更新する。
-
NO
更新しない。
YES
不要なIPアドレス管理情報を削除する。
IP_UNNECESSARY_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
インストールソフトウェア名が登録されていないインストールソフトウェア情報を削除する。
INSTINFO_NOLIST_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
ライセンス区分が「ユーザ許諾」ではないライセンスの、ユーザとソフトウェアキー情報との関連を解除する。
また、ライセンス区分が「マシン許諾」ではないライセンスの、ハードウェア資産情報とソフトウェアキー情報との関連を解除する。
LICENSELINK_UNNECESSARY_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
移管したライセンスと同一の「部署ID」および「資産番号」のライセンスがあった場合、ライセンス数とライセンスキーをそれぞれ統合する。
SOFTINFO_CONSOLIDATE
-
YES
結合する。
-
NO
結合しない。
YES
管理レベルを「管理対象外」に設定したソフトウェアのインストールソフトウェア情報を削除する。
INSTINFO_UNMANAGED_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
部署別IPグループに対応する部署が存在しない場合、または設置場所別IPグループに対応する設置場所が存在しないIPグループを削除する。
IPGROUP_NOOBJECT_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
ハードウェア資産情報の「IPアドレス」の値に対応する部署を、資産情報の「部署」に登録する。
IP_GROUP_ASSOC
-
NO
設定しない。
-
OVERWRITE※
常にIPアドレスから引き当てた部署で上書きする。
-
YES
[サーバセットアップ]ダイアログの「部署別IPグループを使用した部署の設定」の設定に従う。
NO
ハードウェア資産情報の「IPアドレス」の値に対応する設置場所を、資産情報の「設置場所」に登録する。
IP_LOCATION_ASSOC
-
NO
設定しない。
-
OVERWRITE※
常にIPアドレスから引き当てた設置場所で上書きする。
-
YES
[サーバセットアップ]ダイアログの「設置場所別IPグループを使用した設置場所の設定」の設定に従う。
NO
対応する情報が存在しない添付ファイルを削除する。
ATTACHFILE_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
関連資産情報の「子資産ID」と一致する資産情報の「資産ID」がない場合、該当する関連資産情報を削除する。
RELATION_NOOBJECT_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
すでに存在していない部署に設定されている分掌情報を削除する。
DIVISIONINFO_NOOBJECT_DEL
-
YES
削除する。
-
NO
削除しない。
YES
(4) タスク「データメンテナンス(Asset Console)」で実施する作業の指定例
必要な作業だけを実施して、それぞれの作業内容に合わせてタスクの実行間隔を変える場合の例を説明します。
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」で実行したい作業と、実行間隔は次のとおりです。
-
「抹消」状態の機器を削除する作業、「抹消」状態のソフトウェアを削除する作業、および「返却」、「廃棄」状態のソフトウェアの関連情報を削除する作業だけ毎日実行する。
-
不要なIPアドレスを削除する作業だけを週に一度実行する。
- taskopt.iniの指定:
[DATAMAINTENANCE] ASSET_ERASE_DEL = NO ASSET_ASSOC_DEL = NO SOFTINFO_ERASE_DEL = NO SOFTINFO_ASSOC_DEL = NO CONTRACT_ERASE_DEL = NO VOLUME_ERASE_DEL = NO IP_UNNECESSARY_DEL = NO INSTINFO_NOLIST_DEL = NO LICENSELINK_UNNECESSARY_DEL = NO INSTINFO_UNMANAGED_DEL = NO USER_ASSOC_UPD = NO GROUP_ASSOC_UPD = NO LOCATION_ASSOC_UPD = NO SOFTINFO_CONSOLIDATE = NO [MAINTE_1] ASSET_ERASE_DEL = YES SOFTINFO_ERASE_DEL = YES SOFTINFO_ASSOC_DEL = YES [MAINTE_2] IP_UNNECESSARY_DEL = YES
- オプションの指定:
-
タスク「データメンテナンス(Asset Console)」のオプションを、次のように指定します。「C:\jp1asset」はAsset Consoleのインストール先フォルダを示しています。
"C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
-f "C:\jp1asset\scriptbatch\DataMaintenance.txt" -dp
-s OPT=1
次に、タスク「データメンテナンス(Asset Console)」をコピーして、オプションを次のように指定します。
"C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
-f "C:\jp1asset\scriptbatch\DataMaintenance.txt" -dp
-s OPT=2
追加したタスクは週に一度実行するように変更します。タスクを実行する日時や頻度を変更する手順については、「7.9.2 タスクの設定手順」を参照してください。