16.4.1 インストール操作のレコーディング
レコーダを使用して、実際のインストール操作をレコーディングする方法について説明します。レコーディングによって、ユーザ操作をシミュレートするAITファイルの原型が自動生成されます。
レコーダでインストール操作を記録するとき、AITファイルに自動ロギング機能(AIT_LogMesssageステートメント)を追加することもできます。これによって、記録されたイベントを再生するとき、ログメッセージが出力されます。レコーダを使用してAITファイルを作成したあと、[ビルド]−[実行]で、このAITファイルを実行し、テスト対象のアプリケーションが、シミュレートされたユーザ操作と同じように動作するかどうかを検証するときに役立ちます。
なお、インストール操作では、マウスをできるだけ使用しないでください。マウスからの操作は、画面座標に依存してしまうため、AITファイルからインストーラへの確実な応答ができなくなってしまいます。また、マウスのホイールを利用した操作は、正しくレコーディングされない場合があります。そのため、レコーディングするときは、マウス操作ではなく、キーボード入力のイベントを記録するようにしてください。
レコーディングするときは、Automatic Installation Toolとインストーラ以外のすべてのアプリケーションを終了させておくことをお勧めします。別のアプリケーションに対する操作を行わない場合でも、レコーダは表示されているすべてのウィンドウを記録します。
-
[ツール]メニューから[レコーダ]を選択する。
図16‒8 [レコーダ]ダイアログボックス(レコーディング開始) -
「インストールプログラム名」および「ログに出力する」を指定する。
-
[開始]ボタンをクリックする。
これ以降のユーザ操作が記録されます。
操作2で「インストールプログラム名」を指定していた場合、指定したインストールプログラムが呼び出されます。
-
実際に、ソフトウェアのインストール操作を行う。
ユーザ操作をシミュレートする記録シーケンスが作成されます。
ユーザ操作が記録されている間、[JP1/ITDM2 Automatic Installation Tool]のアイコンがWindowsのタスクバーに表示されます。
-
ソフトウェアのインストール作業が終わったら、Windowsのタスクバーで[JP1/ITDM2 Automatic Installation Tool]のアイコンをクリックする。
レコーディングの終了は基本的に左クリックで行ってください。
Windows Server 2016、Windows 10、Windows 8.1、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 7、Windows Server 2008 R2上で右クリックした場合、Windowsのジャンプリストが表示されインストール操作としてレコーディングされるため実行しないでください。
[レコーダ]ダイアログボックスが表示され、レコーディングは一時停止の状態になります。
図16‒9 [レコーダ]ダイアログボックス(レコーディング一時停止) -
[終了]ボタンをクリックする。
レコーディングが終了し、パッケージ情報を更新するかどうかを確認するメッセージが表示されます。
[はい]をクリックすると、[パッケージ情報]ダイアログボックスが表示され、引き続きPACKAGE_INFOセクションを生成できます。[パッケージ情報]ダイアログボックスについては、「16.5 PACKAGE_INFOセクションを生成する」を参照してください。
[いいえ]をクリックすると、[JP1/ITDM2 Automatic Installation Tool]ウィンドウ中に、作成されたAITファイルが表示されます。
図16‒10 AITファイルが表示された[JP1/ITDM2 Automatic Installation Tool]ウィンドウ -
[ファイル]−[名前を付けて保存]を選択し、自動作成されたAITファイルに名前を付けて保存する。
AITファイルの拡張子は.aisです。このファイルを基に、必要なコーディングを追加していきます。
なお、レコーディング中に再起動イベントが発生した場合、レコーディング中にユーザによって実行された操作はAutomatic Installation Toolで保持されています。PCを再起動してAutomatic Installation Toolを起動したあと、AITファイルの生成を確認するメッセージが表示されますので、[はい]をクリックしてAITファイルを生成してください。