Hitachi

JP1 Version 11 JP1/Data Highway - Automatic Job Executor


6.3.2 JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)の情報収集手順

JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)の情報収集手順について,次に示します。

JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)の情報収集では,次の2つの情報を収集します。

  1. JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)に関連する情報

  2. JP1/AJS3に関連する情報

〈この項の構成〉

(1) JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)に関連する情報の収集手順

JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)に関連する情報の収集には,情報収集ツールを使用します。情報収集ツールについての詳細を次に示します。

(a) 情報収集ツールについて

情報収集ツールは,バッチファイルです。

Windowsの場合

  1. ファイルパス

    <JP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)のインストールフォルダ>\tools\dhaje_log.bat
  2. 機能

    次の情報を,ファイルとして取得します。

    表6‒2 情報収集ツールが取得する情報(Windowsの場合)

    取得項目

    想定容量

    (単位:KB)

    内容

    取得ファイル

    JP1/DH - AJEインストールフォルダ以下のファイル

    524000+(稼働ログファイルサイズ×稼働ログ面数)

    JP1/DH - AJEインストールフォルダ以下のファイル

    file\sdata\DHAJE\

    ログファイル

    環境設定により変化

    JP1/DH - AJEのログファイル

    デフォルトの場合:file\pdata\log\dhajee_information[x].log

    ログファイルの出力先を変更した場合:file\cdata\log_custom\dhajee_information[x].log

    ジョブ実行プログラムの製品情報を格納したレジストリキー

    20

    次のレジストリキーの内容

    • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\JP1DH\AJE\AJEE

    registry1.txt

    OSのプロセスリスト

    20

    • イメージ名

    • PID(プロセスID)

    • セッション名

    • セッション

    • メモリ使用量

    • 状態

    • ユーザ名

    • CPU時間

    • ウィンドウタイトル

    tasklist.txt

    OSのシステム情報

    15

    • ホスト名

    • OS名

    • OSバージョン

    • OS製造元

    • OS構成

    • OSビルドの種類

    • 登録されている所有者

    • 登録されている組織

    • プロダクトID

    • 最初のインストール日付

    • システム起動時刻

    • システム製造元

    • システムモデル

    • システムの種類

    • プロセッサ

    • BIOSバージョン

    • Windowsフォルダ

    • システムフォルダ

    • 起動デバイス

    • システムロケール

    • 入力ロケール

    • タイムゾーン

    • 物理メモリの合計

    • 利用できる物理メモリ

    • 仮想メモリ最大サイズ

    • 仮想メモリ利用可能

    • 仮想メモリ使用中

    • ページファイルの場所

    • ドメイン

    • ログオンサーバ

    • ホットフィックス(すべての適応ホットフィックス名)

    • ネットワークカード情報

    systeminfo.txt

    Windowsイベントログのシステム情報

    サーバの状態により変動

    • 種別

    • 日付と時刻

    • ソース

    • イベント

    • タスク

    • レベル

    • キーワード

    • ユーザ

    • コンピュータ

    • 説明

    evevtsystem.txt

    Windowsイベントログのアプリケーション情報

    サーバの状態により変動

    • 種別

    • 日付と時刻

    • ソース

    • イベント

    • タスク

    • レベル

    • キーワード

    • ユーザ

    • コンピュータ

    • 説明

    eventapp.txt

    netstatの情報

    2

    すべての接続とリッスンポート

    netstata.txt

    netstatの情報

    2

    イーサネットの統計

    netstate.txt

    netstatの情報

    2

    アドレスとポート番号

    netstatn.txt

    netstatの情報

    2

    ルーティング テーブル

    netstatr.txt

    netstatの情報

    2

    プロトコルごとの統計

    netstats.txt

    システムが使用するファイル

    サーバの状態により変動

    システムが使用するファイル

    非公開

    情報収集ツールの出力先には,上記のファイルが保存できるだけの空き容量があることを確認してください。

    なお,DHカスタムジョブの実行中に情報収集ツールを実行した場合,DHカスタムジョブの実行に失敗するおそれがあります。情報収集ツール実行中は,DHカスタムジョブが実行されないようにしてください。また,情報収集ツール実行中は,情報収集ツール出力先のファイル/フォルダにアクセスしないでください。

    情報収集ツールを任意のフォルダに移動して実行しないでください。

  3. 実行権限

    Administrators権限を持つOSユーザ

  4. 情報収集ツール実行手順

    情報収集ツール実行手順を次に示します。

    1. 問題が発生したJP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)がインストールされているサーバに,Administrators権限を持つOSユーザでログインします。

    2. 情報収集ツールで収集される各種情報の出力先フォルダを変更する場合,情報収集ツール(dhaje_log.bat)をエディタ等で編集し,OUT_DIR_CUSTを変更したい出力先フォルダに変更します。フォルダ名はダブルクォート(")で囲わないでください。スペースを含むフォルダ名の場合も同様です。

    変更例:

    set OUT_DIR_CUST=C:\temp\JP1DHAJE

    3. 環境設定ファイル(config.xml)で変更可能な項目「ログ出力先フォルダ名< LogOutDir >」,「システムが使用するファイルの格納フォルダ< RecvListDir >」,「DHカスタムジョブを実行する場合に使用するワークフォルダ< SendRecvTemp >」を変更している場合,情報収集ツール(dhaje_log.bat)をエディタ等で編集し,CUST_LOG_DIR,CUST_RCV_DIR,CUST_WRK_DIRに変更したフォルダ名を設定します。フォルダ名はダブルクォート(")で囲わないでください。スペースを含むフォルダ名の場合も同様です。

    変更例:

    set CUST_LOG_DIR=C:\temp\JP1DHAJE\log

    set CUST_RCV_DIR=C:\tempJP1DHAJE\recvlist

    set CUST_WRK_DIR=C:\temp\JP1DHAJE\work

    4. 情報収集ツールを実行します。

  5. 戻り値

    情報収集ツールの戻り値を次の表に示します。

    表6‒3 情報収集ツールのリターンコード

    リターンコード

    意味

    内容

    0

    正常

    情報の収集が正常に終了したことを示します。

    1

    警告

    情報収集ツールのフォルダの削除確認の問い合わせで"N"を選択したため,情報収集ツールが中断されたことを示します。

    10

    エラー

    情報の収集に失敗したことを示します。

  6. 情報収集結果の保存フォルダ

    情報収集ツールで収集したファイルは,次のフォルダの下に出力されます。

    %TEMP%\DHAJE\backlog\infomation

    %TEMP%は,Windows環境変数%TEMP%を示します。

    注意

    情報収集ツール(dhaje_log.bat)は,次の場合,初期状態に戻ります。内容を変更している場合,再度,編集してから実行してください。

    • 10-00バージョンから,10-10以降のバージョンへバージョンアップインストールを実施した場合

    • 10-10または10-50バージョンから,11-00以降のバージョンへバージョンアップインストールを実施した場合

Linuxの場合

  1. ファイルパス

    /opt/jp1dh/aje/ajee/tools/dhaje_log.sh
  2. 機能

    次の情報を,ファイルとして取得します。

    表6‒4 情報収集ツールが取得する情報(Linuxの場合)

    取得項目

    想定容量(単位:KB)

    内容

    取得ファイル

    JP1/DH - AJEインストールフォルダ以下のファイル

    501000+(稼働ログファイルサイズ×稼働ログ面数)

    JP1/DH - AJEインストールフォルダ以下のファイル

    file/sdata/

    ログファイル

    環境設定により変化

    JP1/DH - AJEのログファイル

    デフォルトの場合:file/pdata/log/dhajee_information[x].log

    ログファイルの出力先を変更した場合:file/cdata/log_custom/dhajee_information[x].log

    OSのプロセスリスト

    20

    システムで起動中プロセスの一覧

    Process.txt

    OSのシステム情報

    20

    システムの情報

    systeminfo.txt

    syslog情報

    システムの状況により変化

    syslogファイル

    syslog/

    netstatの情報

    2

    すべての接続とリッスンポート

    netstata.txt

    netstatの情報

    2

    イーサネットの統計

    netstate.txt

    netstatの情報

    2

    アドレスとポート番号

    netstatn.txt

    netstatの情報

    2

    ルーティング テーブル

    netstatr.txt

    netstatの情報

    2

    プロトコルごとの統計

    netstats.txt

    OSのパッチ情報

    システムの状況により変化

    OSのパッチ情報

    rpminfo.txt

    システムが使用するファイル

    送受信の状況により変化

    システムが使用するファイル

    非公開

    注※ Linuxのバージョンにより,netstatコマンドがインストールされていない場合があります。この場合,netstatの情報は取得されません。

    情報収集ツールの出力先には,上記のファイルが保存できるだけの空き容量があることを確認してください。

    なお,DHカスタムジョブの実行中に情報収集ツールを実行した場合,DHカスタムジョブの実行に失敗するおそれがあります。情報収集ツール実行中は,DHカスタムジョブが実行されないようにしてください。また,情報収集ツール実行中は,情報収集ツール出力先のファイル/フォルダにアクセスしないでください。

    情報収集ツールを任意のフォルダに移動して実行しないでください。

  3. 実行権限

    スーパーユーザ権限を持つOSユーザ

  4. 情報収集ツール実行手順

    情報収集ツール実行手順を次に示します。

    1. 問題が発生したJP1/DH - AJE(ジョブ実行プログラム)がインストールされているサーバに,スーパーユーザ権限を持つOSユーザでログインします。

    2. 情報収集ツールで収集される各種情報の出力先フォルダを変更する場合,情報収集ツール(dhaje_log.sh)をエディタ等で編集し,OUT_DIR_CUSTを変更したい出力先フォルダに変更します。

    変更例:

    OUT_DIR_CUST="/tmp/ajee/backlog"

    3. 環境設定ファイル(config.xml)で変更可能な項目「ログ出力先フォルダ名< LogOutDir >」,「システムが使用するファイルの格納フォルダ< RecvListDir >」,「DHカスタムジョブを実行する場合に使用するワークフォルダ< SendRecvTemp >」を変更している場合,情報収集ツール(dhaje_log.sh)をエディタ等で編集し,CUST_LOG_DIR,CUST_RCV_DIR,CUST_WRK_DIRに変更したフォルダ名を設定します。

    変更例:

    CUST_LOG_DIR="/tmp/DHAJE/log"
    CUST_RCV_DIR="/tmp/DHAJE/recvlist"
    CUST_WRK_DIR="/tmp/DHAJE/work"

    4. 情報収集ツールを実行します。

  5. 戻り値

    情報収集ツールの戻り値を次の表に示します。

    表6‒5 情報収集ツールのリターンコード

    リターンコード

    意味

    内容

    0

    正常

    情報の収集が正常に終了したことを示します。

    1

    警告

    情報収集ツールのフォルダの削除確認の問い合わせで"N"を選択したため,情報収集ツールが中断されたことを示します。

    10

    エラー

    情報の収集に失敗したことを示します。

  6. 情報収集結果の保存フォルダ

    情報収集ツールで収集したファイルは,次のフォルダの下に出力されます。

    /tmp/ajee/backlog/infomation

(2) JP1/AJS3の情報収集

障害要因の切り分けのため,JP1/AJS3側の情報収集が必要です。

取得対象となる情報は次の2点です。

(a) DHカスタムジョブ定義の内容

定義情報の採取についてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド ジョブネットの退避・回復」を参照してください。

(b) ジョブ実行プログラムが実行されたJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentの情報

情報の採取についてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 資料の採取方法」を参照してください。