9.3.2 データ送受信コマンド一覧
データ送受信コマンドの一覧を次の表に示します。なお,Linuxの場合は,コマンド名の拡張子「bat」を「sh」と読み替えてください。
項番 |
機能 |
コマンド |
説明 |
参照先 |
---|---|---|---|---|
1 |
ファイルの送受信 |
DWClient.bat△UPLOAD |
ファイルを送信します。 |
|
2 |
DWClient.bat△DOWNLOAD |
ファイルを受信します。 |
||
3 |
一時停止中のファイル転送の再開 |
DWClient.bat△RESUME |
一時停止状態のファイル転送を再開します。 |
- 重要
-
システムに未登録のユーザが,データ送受信コマンドを使用してファイルの送受信をすることはできません。未登録のユーザ宛てへのファイルの送信は可能ですが,未登録のユーザ宛ての送信を,データ送受信コマンドで受信することはできません。
- 〈この項の構成〉
(1) ファイルの送信
ファイルを送信します。
(a) 形式
DWClient.bat△UPLOAD [[[△-to△メールアドレス [-toname 名前 ][-todivision 所属]]|※ [△-cc△メールアドレス [-ccname 名前 ][-ccdivision 所属]]|※ [△-bcc△メールアドレス [-bccname 名前 ][-bccdivision 所属]]]|※ [△-destinationfile△宛先ファイルパス]] △-file△[ファイルパス [△ファイルパス]]|[フォルダパス [△フォルダパス]]… [△-title△タイトル] [△-message△メッセージ | -messagefile△メッセージファイル] [△-openpassword△開封パスワード] [△-resumestatus△ファイル転送再開情報ファイルの格納先フォルダパス] [△-getdeliveryinfo△配送情報ファイルの出力先パス] △-property△コマンドプロパティファイルパス [△-concurrenttimeout△タイムアウト時間(秒)]
注※ このうち1つ以上のオプションを指定します。
- 重要
-
オプションによっては同時に指定できないものがあります。各オプションの詳細については「(b) 引数」を参照してください。
(b) 引数
項番 |
オプション |
説明 |
---|---|---|
1 |
-to |
toで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。大文字・小文字は区別されません。 値に@(アットマーク)が含まれていない場合は,グループ名として登録します。 複数の宛先を指定する場合は,コロン(:)で区切ります。to/cc/bcc合わせて,JP1/DH - Server側で設定された宛先の上限数まで指定できます。上限値設定の詳細については,マニュアル「JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド」を参照してください。メールアドレスとグループ名を混在して指定することもできます。 |
2 |
-toname |
-toオプションで指定した宛先の名前※3を,コロン(:)区切りで指定します。 -toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 |
3 |
-todivision |
-toオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 |
4 |
-cc |
ccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。 指定方法は-toオプションと同様です。 |
5 |
-ccname |
-ccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。 -ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 |
6 |
-ccdivision |
-ccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 |
7 |
-bcc |
bccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。 指定方法は-toオプションと同様です。 |
8 |
-bccname |
-bccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。 -bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 |
9 |
-bccdivision |
-bccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 |
10 |
-destinationfile |
宛先の指定をCSV形式のファイルで行う場合に使用します。宛先を記載した宛先ファイルのパスを指定します。次に示す他の宛先指定オプションと同時には指定できません。
宛先ファイルの詳細については,「9.3.2(1)(d) 宛先ファイル」を参照してください。 このオプションは,JP1/DH - Serverのバージョンが10-50以降の場合,使用が可能です。10-50より前のバージョンのJP1/DH - Serverにこのオプションを指定した場合,「DWCO1913_E サーバからエラーが返されました。接続先のサーバが本コマンドに対応していません」のエラーが発生します。 |
11 |
-file |
送信するファイル,またはフォルダのパスを指定します。 複数のファイル,またはフォルダを指定する場合は,半角スペース(△)で区切ります。最大で10個まで指定できます。ただし,配送ポリシーでファイル数が10個未満に指定されている場合は,その個数まで指定できます。 |
12 |
-title |
件名を指定します。最大で100文字まで入力できます。 省略した場合,件名は空になります。ただし,メールの件名は,システムでデフォルトの件名が使用されます。 |
13 |
-message |
メールに記載されるメッセージを指定します。最大で256文字まで入力できます。省略した場合,メッセージは空になります。改行は使用できません。 |
14 |
-messagefile |
メールに記載するメッセージが書かれたテキストファイルのパスを指定します。 テキストファイルの文字コードはUTF-8で記述してください。UTF-8以外の文字コードで記述すると文字化けする場合があります。 なお,BOM,および改行コードの有無は問いません。最大で4,096文字まで入力できます。ただし,BOMが付与されている場合は,4,095文字となります。 改行は1文字として扱われます。 指定を省略した場合,メッセージは空となります。同時に-messageオプションを指定していた場合,エラーとなります。 |
15 |
-openpassword |
未登録宛先送信時の開封パスワードを指定します。指定を省略した場合,開封パスワードは空となりますが,未登録宛先送信時には開封パスワードが必須となるため,エラーとなります。 登録済み宛先送信時には開封パスワードを入力しても使用されずに,無視されます。 開封パスワードは6〜32文字の半角英数字と記号で,2種類以上の文字種(数字,英小文字,英大文字,記号)を使用して設定してください。記号には次の文字を使用できます。 !"#$%&'()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ なお,開封パスワードを「"(ダブルクォート)」で囲んだ場合,"内の文字がパスワードとなります。例えば,「"Password01"」と指定した場合は,「Password01」がパスワードとなります。 |
16 |
-resumestatus |
送信を再開するための情報を格納したフォルダのパスを指定します。 JP1/DH - Serverからの一時停止要求により送信が中断された場合は,ここで指定したパスに再開情報ファイルが保存されます。 指定したフォルダ下に,すでに再開情報ファイルが存在する場合は上書きされます。なお,このオプションを指定しても,次の場合は送信できません。
ファイル転送が正常に終了した場合,またはJP1/DH - Serverからの中止要求によりファイル転送が中止された場合は,再開情報ファイルは削除されます。 |
17 |
-getdeliveryinfo |
配送情報ファイルを出力する場合に,出力先のファイルパスを指定します。ファイル送信時の配送情報が掲載された配送情報ファイルが,XML形式で出力されます。 指定したファイルパスに同名のファイルが存在する場合は,上書きします。 配送情報ファイルの形式については,「(2) (c) 解説」の「-getdeliveryinfoオプションを指定した場合について」を参照してください。 |
18 |
-property |
「9.3.1(2) 共通オプション」を参照してください。 |
19 |
-concurrenttimeout |
(c) 解説
ファイルの送信コマンドの詳細を次に示します。
- (i)ファイルの送信コマンドで指定できないオプションについて
-
ファイル送信時の次のオプションについては,実行時引数などでの設定はできません。次の表に示す規定値を使用します。
表9‒13 送信時のオプション 項番
分類
項目
値
1
配送ルール
配送ルール
Web画面と同じく,送信元および宛先により決定される配送ルールが適用されます。
2
配送ポリシー
配送ポリシー
Web画面と同じく,配送ルールに設定されている配送ポリシーが適用されます。
3
標準オプション
保管設定期限
適用された配送ポリシーの標準値を使用します。
標準値が設定されていない場合は,最大値を使用します。
4
ダウンロード回数制限
適用された配送ポリシーの標準値を使用します。
標準値が設定されていない場合は,制限なしになります。
5
開封(未開封)通知
適用された配送ポリシーの標準値を使用します。
標準値が設定されていない場合は,通知なしになります。
6
圧縮
適用された配送ポリシーの圧縮強度を使用します。
複数の圧縮強度が利用可能になっている場合は,優先順位の高いものが使用されます。優先順位は,次のとおりです。
-
圧縮なし
-
[強]
-
[中]
-
[弱]
7
高速通信モード
常に使用します。
8
拡張オプション
通知設定
常に,詳細情報を通知メールに表示します。
9
通知メール
言語
コマンド実行ユーザのユーザ言語になります。
-
- (ii)Web画面上から送信した場合との差異について
-
ファイルの送信コマンドでは,Web画面からの操作をした場合と比べて,次の差異があります。
-
ショートカットファイルは送信できません。
-
メッセージだけの配送はできません。必ず1つ以上のファイルを送信する必要があります。
-
- (iii)配送通知メールに記載されるお届け先などのユーザの名前について
-
宛先の名前を省略して送信した場合は,システムに登録されている名前になります。
- (iv)アドレス帳に表示されないユーザへファイルを送信した場合について
-
任意のメールアドレスへの送信権限がない場合に,アドレス帳に表示されていないユーザへファイルを送信しようとしたときは,ファイルの送信に失敗します。
また,監査ログに"ILLEGAL_INTERFACE_CALL"として記録されます。
- (v)無効ユーザに対する送信について
-
無効化されたユーザに対してもファイルを送信することができます。
(d) 宛先ファイル
-destinationfileオプションを指定する場合,CSV形式のファイルで宛先の指定を行います。宛先ファイルは,1行に1つの宛先を記載します。文字コードはUTF-8(BOMなし)で作成してください。
宛先ファイルのフォーマットを次に示します。なお,大文字,小文字は区別されません。
項番 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
ADDRESS_TYPE (宛先種別) |
宛先の種別を指定します。 [TO][CC][BCC]のどれか1つを指定します。 大文字・小文字は区別しません。 指定は必須です。 |
2 |
DESTINATION (宛先) |
宛先のメールアドレスまたはグループ名(英語)を指定します。 指定可能な文字は[-to][-cc][-bcc]オプションと同じです。 指定は必須です。 |
3 |
NAME (宛先の名前) |
宛先の名前を指定します。 指定可能な文字は[-toname][-ccname][-bccname]オプションと同じです。 [DESTINATION]にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 指定は必須ではありません。 |
4 |
DIVISION (宛先の所属) |
宛先の所属を指定します。 指定可能な文字は[-todivision][-ccdivision][-bccdivision]オプションと同じです。 [DESTINATION]にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 指定は必須ではありません。 |
宛先ファイルのサンプルを次に示します。
TO,testuser01@hitachi.co.jp,テストユーザ1,第1設計部 CC,testuser02@hitachi.co.jp,テストユーザ2,第1設計部 BCC,group01,,
宛先は,JP1/DH - Server側で設定された宛先の上限数まで指定できます。設定の詳細については,マニュアル「JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド」を参照してください。
(e) 実行例
DWClient.bat UPLOAD -to "user@mailaddress.com" -file "C:\send\file.txt" -title "title" -message "message" -resumestatus "C:\DWCLient\temp" -getdeliveryinfo C:\deliveryinfo.xml -property "C:\DWCLient\property.xml"
(2) ファイルの受信
受信済み配送リストファイルに記載されていない配送のファイル/フォルダを受信します。
なお,システムに未登録のユーザ宛ての送信を,ファイルの受信コマンドで受信することはできません。
(a) 形式
DWClient.bat△DOWNLOAD △-savedir△ダウンロードファイル保存フォルダパス △-receivedlist△受信済み配送リストファイルパス [△-makesubdir] [△-notoverwrite] [△-resumestatus△ファイル転送再開情報ファイルの格納フォルダ] [△-getdeliveryinfo] [△-newarrivalexitcode] [△-deliveryid△配送ID] [△-reservetransferlimit] △-property△コマンドプロパティファイルパス [△-concurrenttimeout△タイムアウト時間(秒)]
(b) 引数
項番 |
オプション |
説明 |
---|---|---|
1 |
-savedir |
ダウンロードファイルの保存フォルダパスを指定します。 存在するフォルダを指定してください。指定したフォルダが存在しない場合はエラーになります。 |
2 |
-receivedlist |
受信済み配送リストファイルのパスを指定します。 指定されたファイルが存在しない場合は,自動的に作成されます。 |
3 |
-makesubdir |
このオプションを指定した場合,-savedirオプションで指定したフォルダに配送(配送ID)単位でフォルダ(配送IDサブフォルダ)を作成し,配送ごとに分割してファイルを保存します。このため,同名のファイル/フォルダでも,配送が異なれば保存することができます。配送単位で作成されるフォルダ名は配送IDと同じ最大19桁の数字です。 同じ配送内に同名のファイル/フォルダが存在した場合で,同時に-notoverwriteオプションを指定しなかったときは,ファイルIDの新しいファイル/フォルダで上書きして保存されます。 このオプションを省略した場合は,-savedirオプションで指定したフォルダにファイル/フォルダをダウンロードします。 |
4 |
-notoverwrite |
このオプションを指定した場合,ダウンロードファイルの保存先に同名のファイル/フォルダが存在すると,ダウンロードをスキップします。 ダウンロードをスキップした場合は,メッセージとログを出力します。 このオプションを省略した場合は,ダウンロードファイルの保存先に同名のファイル/フォルダが存在しても上書きします。 |
5 |
-resumestatus |
受信を再開するための情報を格納するフォルダのパスを指定します。JP1/DH - Serverからの一時停止要求により受信が中断された場合は,ここで指定したパスに再開情報ファイルが保存されます。 -resumestatusオプションで指定したフォルダ下に,すでに再開情報ファイルが存在する場合は,上書きされます。 なお,ファイル転送が正常に終了した場合,JP1/DH - Serverからの中止要求によりファイル転送が中止された場合は,再開情報ファイルは削除されます。 |
6 |
-getdeliveryinfo |
このオプションを指定した場合,-savedirオプションで指定したフォルダ下にmetadataフォルダを作成し,ファイルのダウンロード時に配送(配送ID)単位でXML形式の配送情報ファイルを保存します。配送単位で作成されるファイル名は配送IDと同じ最大19桁の数字です。 ダウンロードしたファイルは,-savedirオプションで指定したフォルダに配送(配送ID)単位でフォルダ(配送IDサブフォルダ)を作成し,配送ごとに分割して保存します。 ファイルのダウンロードに失敗し,すべてのファイルがダウンロードできなかった場合でも,配送情報はすべてのファイルについて取得が完了している状態となります。 なお,引数-savedirで指定したフォルダ下にすでにmetadataフォルダが存在する場合は,あらかじめ削除するか別名としてください。同名のフォルダが存在する場合は,上書きします。また,ダウンロードするファイル/フォルダが存在しない場合に,このオプションを指定したときは,配送情報ファイルは出力されません。 |
7 |
-newarrivalexitcode |
このオプションを指定した場合,ファイル/フォルダを含む配送を受信したときには,128が加算された終了コードが出力されます。 ファイル/フォルダがなく,メッセージだけの配送の場合は,通常の終了コードが出力されます。 |
8 |
-deliveryid |
このオプションは受信ボックスにある配送から,特定の配送だけを選択して受信する場合に使用します。 受信する配送の配送IDを指定します。指定可能な配送IDは1つです。複数の配送IDを指定することはできません。このオプションを省略した場合は,-receivedlistオプションで指定された受信済み配送リストに従い,未受信の配送をすべて受信します。 このオプションは,JP1/DH - Serveのバージョンが10-50以降の場合,使用が可能です。10-50より前のバージョンのJP1/DH - Serverにこのオプションを指定した場合,「DWCO1913_E サーバからエラーが返されました。接続先のサーバが本コマンドに対応していません」のエラーが発生します。 |
9 |
-reservetransferlimit |
このオプションを指定した場合,ダウンロード制限によってファイルを受信できなかったとき,その配送またはファイルは受信済み配送リストに登録されません。 このオプションを省略した場合は,ダウンロード制限によってファイルを受信できなかったときでも,受信済み配送リストに登録されます。 このオプションは,JP1/DH - Serve 11-10以降のバージョンのサーバに使用が可能です。JP1/DH - Serve 11-00以前のサーバにこのオプションを指定した場合,「DWCO1914_W 接続先のサーバが本コマンドに対応していないため,指定したオプションが無効となります。(オプション:-reservetransferlimit)」の警告が発生します。 |
10 |
-property |
「9.3.1 (2) 共通オプション」を参照してください。 |
11 |
-concurrenttimeout |
(c) 解説
ファイルの受信コマンドの詳細を次に示します。
- (i)受信時に一時的に使用するディスク領域について
-
受信時,一度すべてのファイルは一時領域(データ送受信コマンドをインストールしたフォルダの下のworkフォルダ)にダウンロードされます。その後,実行時引数で指定されたフォルダに移動されます。そのため,受信時には一時領域に,受信するファイルサイズ分のディスク領域が必要になります。
また,受信中断・失敗時に,一時領域内に不完全なファイルが残ることがあります。その場合は,一時領域内のファイルを削除してください。
- (ii)同名ファイル受信時の上書きについて
-
ダウンロードファイルは,実行時引数で指定されたフォルダに保存されます。同名ファイルが存在していた場合,新しい日付の配送のデータで上書きされます。フォルダの場合も同様です。
上書きされたファイル/フォルダについても,通常どおりにダウンロード量のカウント対象となりますので注意してください。
- (iii)受信する配送について
-
- -deliveryidオプションを指定した場合:
-
-deliveryidで指定した配送だけを受信します。過去に受信した配送を受信することも可能です。
- -deliveryidオプションを省略した場合:
-
新着配送(受信済み配送リストファイルに記載されていない配送)だけ,受信します。過去に受信したファイルは,ファイルの受信コマンドでは受信できません。
- (iv)ダウンロード制限により受信できなかったファイルについて
-
1か月間のダウンロード制限を超過するため,ファイルを受信できなかった場合,次の動作となります。
-
-reservetransferlimitオプションを指定した場合
その配送またはファイルは,受信済み配送リストファイルへ登録されません。
登録されなかったファイルをダウンロードする場合は,代表ユーザがダウンロード制限値を緩和するか,月が変わり1か月間のダウンロード制限が解除されたあとに,再度受信コマンドを実行してください。
-
-reservetransferlimitオプションを省略した場合
その配送またはファイルは,受信済み配送リストファイルへ登録され,その後再度ファイルの受信コマンドを実行しても,ダウンロードされなくなります。
このようなファイルをダウンロードするには,代表ユーザによるダウンロード制限値の緩和を行ったのち,Web画面からダウンロードしてください。
-
- (v)-makesubdirオプションを指定した場合について
-
ダウンロードが途中で中断され,すべてのファイルをダウンロードできなかった場合,再ダウンロード時は次の動作となります。
-
配送が異なるファイル/フォルダの場合
新たに配送単位でフォルダを作成し,ダウンロードします。
-
配送が同一のファイル/フォルダの場合
ダウンロードが途中で中断された時点での配送単位で,フォルダが作成されていない場合は,新たに配送単位でフォルダを作成してダウンロードします。すでに配送単位でフォルダが作成されている場合は,同一フォルダ内にダウンロードします。
-
再ダウンロード時に初回と異なる保存先を指定した場合
ダウンロードが同一配送内で中断された場合で,再ダウンロード時に初回と異なる保存先を指定したときは,再ダウンロード時に指定した保存先に新たに配送単位でフォルダを作成してダウンロードをします。このような場合は,同一配送内のファイルが異なる保存先に分散して保存されます。
-
保存先フォルダに配送IDと同名のファイルが存在する場合,同名のフォルダの作成はできないためエラーが発生します。
配送単位で作成されるフォルダも含めた保存先フォルダパスが,260文字を超えないようにしてください。保存先フォルダパスが260文字を超えた場合,ダウンロードできません。
- (vi)実行中にユーザ無効化された場合の動作について
-
ファイルの受信コマンド実行中に,受信を行っているユーザが無効化された場合,受信処理は継続され,正常にファイルを受信します。また,その後も処理を継続し,すべての配送を取得します。次回のファイルの受信コマンド実行時からは,そのユーザはすべての配送を受信できません。
- (vii)受信済み配送リストに記載されている配送の警告ログについて
-
以前受信に成功し,受信済み配送リストに記載されている配送が次の状態に変更された場合,ファイルの受信コマンドを再度実行したときに警告ログが出力されます。
-
配送の送信者が削除・無効化された場合
-
有効な配送ルールがない場合
-
配送がファイルの受信コマンド実行中に削除された場合
-
配送を承認した承認者が削除された場合
-
- (viii)-getdeliveryinfoオプションを指定した場合について
-
-getdeliveryinfoオプションを指定した場合に出力される配送情報ファイルの形式を次に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?> <data> <delivery id="123" send-date=" 2012/11/20 02:25" subject="○○の件"> <sender email="user1@domain1.co.jp"> <files> <file id="27" type="file" name="××会議資料.txt" size="1024524"/> <file id="28" type="file" name="△△検討結果.doc" size="3134562"/> </files> </sender> <message>送信者の入力メッセージ</message> </delivery> </data>
- 重要
-
-
配送情報ファイルには送信時の情報が出力されるため,送信が完了してから送信者がメールアドレスを変更した場合は,変更前のメールアドレスが出力されます。
-
送信が完了してから送信者ユーザが削除された場合,送信したファイルもあわせて削除されるため,配送情報ファイルは出力されません。
-
保管期限が切れている配送を受信しようとした場合,ファイルの受信は,終了コード4(警告終了)で終了します。その際,「DWCO1065_W 配送の保管期限が切れているため受信できません。」のエラーメッセージが表示されます。
-
配送情報ファイルに出力される要素の意味を次の表に示します。
要素/属性 |
個数 |
説明 |
|
---|---|---|---|
data要素 |
1 |
常に出力されます。 |
|
delivery要素 |
1 |
配送情報タグ |
|
id属性 |
1 |
配送IDが出力されます。 |
|
send-date属性 |
1 |
配送(送信)が完了した日時が表示されます。 |
|
subject属性 |
1 |
配送の件名が出力されます。 |
|
sender要素 |
1 |
送信者情報タグ |
|
email属性 |
1 |
送信者のメールアドレスが出力されます。 |
|
files要素 |
1 |
配送ファイル/フォルダリストタグ |
|
file要素 |
1以上 |
配送ファイル/フォルダ情報タグ |
|
id属性 |
1 |
配送ファイル/フォルダのIDが出力されます。 |
|
type属性 |
1 |
配送ファイル/フォルダの種別が出力されます。
|
|
name属性 |
1 |
配送ファイル/フォルダ名が出力されます。 |
|
size属性 |
1 |
配送ファイル/フォルダのサイズが,バイト数で出力されます。フォルダの場合,フォルダの内容をアーカイブする前の合計バイト数が出力されます。 |
|
message要素 |
1 |
送信者の入力メッセージ |
(d) 実行例
DWClient.bat DOWNLOAD -savedir "C:\receive" -receivedlist "C:\DWCLient\receivedlist.txt" -makesubdir -getdeliveryinfo -resumestatus "C:\DWCLient\temp" -newarrivalexitcode -property "C:\DWCLient\property.xml"
(3) 一時停止中のファイル転送の再開
一時停止状態のファイル転送を再開します。
(a) 形式
DWClient.bat△RESUME △-property△コマンドプロパティファイルパス △-resumestatus△ファイル転送再開情報ファイルの格納フォルダ
(b) 引数
項番 |
オプション |
説明 |
---|---|---|
1 |
-resumestatus |
ファイル転送を再開するための情報が格納されたフォルダのパスを指定します。 |
2 |
-property |
「9.3.1(2) 共通オプション」を参照してください。 |
(c) 解説
- (i)一時停止を再開できない場合
-
-
配送ポリシーの圧縮方式が[標準]の場合は,配送の再開はできません。[拡張]の場合,または,配送ポリシーの圧縮方式が選択不可能な場合は送信できます。
-
配送ポリシーの圧縮強度が[圧縮なし]以外のファイルを指定した場合は,配送の再開はできません。
-
JP1/DH - Serverのファイル転送機能の受付状態が「受付拒否」の場合は,終了コードに3(受付拒否終了)を出力して終了します。
-
- (ii)ファイルの送信を再開する場合
-
-
送信を再開するファイルが,一時停止したあとにクライアントから削除されていた場合は,一時停止中のファイル転送の再開コマンドは異常終了します。
-
配送ポリシーの圧縮方式が[標準]の場合は,送信の再開はできません。[拡張]の場合,または,配送ポリシーの圧縮方式が選択不可能な場合は送信できます。
-
配送ポリシーの圧縮強度が[圧縮なし]以外のファイル,およびフォルダの場合は,送信の再開はできません。
-
送信中のファイルのファイル名,ファイルサイズ,更新日時のどれかが変更された場合は,送信できません。
-
未送信のファイルのファイル転送を再開する場合,ファイル名,ファイルサイズのどちらかが変更されていると,送信できません。
-
- (iii)ファイルの受信を再開する場合
-
-
指定したファイルが,代表ユーザの設定した保管期限により,JP1/DH - Server上で削除された場合は,ファイルの受信はスキップされます。また,受信途中のファイル,および再開情報ファイルは削除されます。終了コードには4(警告終了)を出力して終了します。
-
指定した配送がJP1/DH - Server上で削除済みの場合,および受信済みの場合は,ファイルの受信はスキップされます。終了コードには4(警告終了)を出力して終了します。
-
指定されていない受信時のオプションは,前回の受信コマンドで指定したオプションが使用されます。
-
再開する受信が,[-deliveryid]オプションなしの場合,かつ,一時停止のあとに新しく受信したファイルが存在する場合は,合わせてダウンロードされます。
-
一時停止の再開に失敗した場合,一時停止のあとに新しく配送されたファイル転送のダウンロードはされません。この場合,再開情報ファイルは上書きしません。
-
配送ポリシーの圧縮方式が[標準]の場合
・配送ポリシーの圧縮強度が[圧縮なし]のファイルの受信を再開する場合,前回の受信途中の続きから受信を再開します。
・配送ポリシーの圧縮強度が[圧縮なし]以外のファイル,およびフォルダを指定した場合,受信途中の配送の再開はできないため,受信コマンドと同様に新規に受信を開始します。
-
配送ポリシーの圧縮方式が[拡張]の場合,または,配送ポリシーの圧縮方式が選択不可能な場合
・配送ポリシーの圧縮強度が[強]/[中]/[弱]のどれかでファイル/フォルダの受信を再開する場合,前回の受信途中のファイルの始めから受信を再開します。
-
(d) 実行例
DWClient.bat RESUME -property "C:\DWCLient\property.xml" -resumestatus "C:\DWCLient\temp"