3.4.1 伝送情報を伝送カードに登録する
伝送情報を伝送カードに登録します。
伝送カードの登録は,既存の伝送カードをひな形として,登録内容を書き換え,別の伝送カードとして新規に登録することもできます。
項目 |
設定内容 |
---|---|
伝送カード名称 ((1〜20バイトの文字列)) |
伝送情報に付ける任意の名称を指定します。JP1/AJS3と連携する場合は,スペースを含まない伝送カード名称を指定してください。この項目は省略できません。 |
相手ホスト名 ((1〜256バイトの文字列)) |
伝送する相手のホスト名称,またはIPアドレスを指定します。IPアドレスの場合,IPv4またはIPv6アドレスを指定できます。この項目は省略できません。 |
ポート番号 ((1〜65535)) 《21》 |
伝送する相手のポート番号を指定します。省略した場合は,「21」が仮定されます。
|
相手ユーザ名 ((1〜80バイトの文字列)) |
伝送相手のログインユーザ名を指定します。ログインユーザの登録で登録したログインユーザ名を指定してください。この項目は省略できません。 |
パスワード ((0〜80バイトの文字列)) |
ログインユーザの登録で登録したパスワードを指定します。登録時にパスワードを省略している場合は,何も入力しません。 |
送受信種別 |
伝送の種類を指定します。
|
伝送モード |
伝送するファイルによって伝送モードを指定します。
|
サイズ確認 |
ファイル伝送後に,実際に伝送されたファイルのサイズが正しいことを確認するかどうかを指定します。伝送ファイルの伝送データサイズをチェックし,送信側と受信側で伝送データサイズが変わっていた場合は,伝送エラーになります。なおサイズ確認には,相手先FTPホストがJP1/FTP(06-00以降)またはuCosminexus Service Platform(08-53以降)であることが必要です。 |
出力種別 |
伝送後のファイルの出力方法を指定します。
|
圧縮モード |
伝送するファイルを圧縮するかしないかを指定します。 圧縮指定について
|
単/複伝送 |
単一ファイル伝送をするか,複数ファイル伝送をするかを指定します。
|
ローカルファイル名 |
伝送種別が送信か受信かで,指定方法が次のように異なります。この項目は省略できません。
なお,複数のファイルを送信する場合,リモートファイル名にはディレクトリを指定してください。そのディレクトリの下に,ローカルファイル名と同じ名称のファイルがあれば,上書きされます。なければ,新規に作成します。 また,単/複伝送が自動切替または複数のとき,ディレクトリ名の指定にワイルドカードは使用できません。ディレクトリ名にワイルドカード文字が含まれている場合は,単/複伝送を単一にして伝送してください。
|
リモートファイル名 |
伝送種別が送信か受信かで,指定方法が次のように異なります。この項目は省略できません。
なお,複数のファイルを受信する場合,ローカルファイル名にはディレクトリを指定してください。リモートファイル名と同じ名称で,指定したディレクトリにファイルが作成されます。
|
正常時起動プログラム名 ((0〜256バイトの文字列)) |
伝送が正常終了したときに,クライアント(発信側)で自動起動させるプログラム名称をフルパスで指定します。引数を指定して,プログラム起動時に,プログラムへ伝送情報を引数として渡すこともできます。引数については,「3.3.1 自動起動プログラムを登録する」の「引数キーワード」を参照してください。 |
異常時起動プログラム名 ((0〜256バイトの文字列)) |
伝送が異常終了したときに,クライアント(発信側)で自動起動させるプログラム名称をフルパスで指定します。引数を指定して,プログラム起動時に,プログラムへ伝送情報を引数として渡すこともできます。引数については,「3.3.1 自動起動プログラムを登録する」の「引数キーワード」を参照してください。 |
FTPコマンド ((0〜300バイトの文字列)) |
ホストと接続したあと,伝送する前に実行させるFTPコマンドを指定します。複数のコマンドを指定する場合は,「;(セミコロン)」でコマンド間を区切ってください。 (例)CWD /home/user1;SITE xxxx 指定できるコマンドは,データコネクションを確立しないコマンドに限られます。また,FTPサーバ側でコマンドが実行可能か否かは,FTPサーバに依存します。 FTPサーバがJP1/FTPの場合
FTPコマンドの指定について
|
コメント ((0〜80バイトの文字列)) |
任意のコメントを記述できます。ここに記述されたコメントは,履歴情報にも表示されるので,どんな伝送かを記述しておくと便利です。コメントは,伝送相手には渡りません。 |
- [正常時/異常時起動プログラム]の指定について
-
引数に「\」が含まれている場合は,プログラムによっては,「\」をエスケープ記号と解釈する場合があります。
- 標準入出力
-
標準入出力はクローズされます。なお,標準入出力をファイルに割り当てることができます。詳細については,「3.1.3 JP1/FTPの環境を環境変数で定義する」の「表3-2 環境変数一覧」に記載されている環境変数名JP1FTS_AUTO_STDIOを参照してください。
- プロセスの環境
-
伝送を実行するユーザの.profileで設定される環境ではなく,JP1/FTPデーモンの環境となります。
- 複数ファイル伝送時のプログラム起動方法
-
ワイルドカードを使用した複数ファイル伝送を行った場合,ファイル伝送の数だけ自動起動プログラムが起動します。自動起動プログラムに引き継ぐ情報は,1伝送毎の情報だけです。すべての伝送情報を一度に自動起動プログラムへ引き継ぐ事はできません。
新規に伝送情報を登録するコマンドの例を,次に示します。
- 次の内容を登録する。
-
-
-TC:伝送カード名を「card1」
-
-TH:接続先ホスト名を「host1」
-
-TU:ログインユーザ名を「keiri」
-
-TT:送受信種別を「SEND(送信)」
-
-TY:伝送モードを「BINARY」
-
-TL:ローカルファイル名を「/temp/file1」
-
-TR:リモートファイル名を「/temp/file2」
-
既存の伝送カードを利用して伝送情報を登録するコマンドの例を,次に示します。
- 次の内容を登録する。
-
-
利用する既存の伝送カード名:「card1」
-
-TC:別の伝送カードとして登録する名前を「card2」
-
-TH:接続先ホスト名を「host1」
-
-TU:ログインユーザ名を「keiri」
-
-TT:送受信種別を「SEND(送信)」
-
-TY:伝送モードを「BINARY」
-
-TL:ローカルファイル名を「/temp/file1」
-
-TR:リモートファイル名を「/temp/file2」
-
ftsregcコマンドについては,「6. コマンド」の「ftsregc−伝送情報の登録・変更・削除・表示−」を参照してください。