3.1.1 JP1/FTPの環境を定義する
インストール時にデフォルトの値が設定されます。必要な場合だけ変更してください。
-
[環境定義]ダイアログボックスの各項目の設定を変更し,[OK]をクリックする。
変更後は,すべてのサービスを再起動させます。
[環境定義]ダイアログボックスの各設定項目を次の表に示します。
表3‒1 [環境定義]ダイアログボックスの設定項目 項目
設定内容
履歴情報保存件数
((0〜100000件))
《2000件》
履歴情報を保存する件数を指定します。1ファイルの伝送が1件と数えられ,ファイル伝送の数が保存件数を超えた場合は,古い情報から上書きされます。
1件のサイズは1,500バイトで,「保存件数×1,500バイト」のファイルサイズを必要とします。
- 履歴情報保存件数を増やす場合
-
履歴情報保存件数を増やすと,履歴を表示するのに時間が掛かる場合があります。これはCPU,ハードディスクの性能や搭載メモリの量に依存します。履歴情報を長期間保存したい場合は,履歴情報ファイル(JP1/FTPのインストールディレクトリ\history)をコピーして保存することをお勧めします。
標準値
環境定義の各値を,デフォルトの値に戻すときに,クリックします。
プロトコルトレースのファイルサイズ
((4〜3000KB))
《50KB》
ftpプロトコルのトレースを採取するファイルのサイズを指定します。プロトコルトレースファイルは,ftpレベルでのコマンドのやり取りを確認できます。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。
指定したサイズのファイルを120面必要とします。
トレースファイルは,メモ帳などのテキストエディターで参照できます。
モジュールトレースのファイルサイズ
((4〜3000KB))
《50KB》
モジュールトレースを採取するファイルのサイズを指定します。モジュールトレースは,保守情報として採取します。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。
指定したサイズのファイルを132面必要とします。
モジュールトレースファイルは,参照できません。
アクセスログのファイルサイズ
((0〜100MB))
《0MB》
アクセスログを保存するファイルのサイズを指定します。アクセスログ情報が指定サイズを超えた場合,古い情報をバックアップしてから新しくファイルを作成します。バックアップファイルがすでにある場合は,バックアップファイルを上書きします。
アクセスログファイルは,メモ帳などのテキストエディターで参照できます。
ホスト接続時のリトライ回数/間隔
ファイル伝送時のコネクション確立時,相手先ビジーなどによってコネクションを確立できなかったときのリトライ回数/間隔を指定します。リトライは,connectシステムコールが次のエラーコードの場合に実行します。
- 制御コネクション確立時
-
WSAECONNREFUSED(10061)
- データコネクション確立時
-
WSAEADDRINUSE(10048)
-
ホスト接続時のリトライ回数((0〜100000回))《5回》
0を指定するとリトライしません。
-
ホスト接続時のリトライ間隔((0〜86400秒))《2秒》
0を指定すると間隔を置かないでリトライします。
TCP/IPウィンドウサイズ
((0〜65535Byte))
《32768Byte》
ソケットの送受信バッファサイズ(SO_SNDBUFおよびSO_RCVBUF)を指定します。0を指定すると,システムのデフォルト値が使用されます。
実際に伝送するときのウィンドウサイズではありません。
なお,伝送効率は,回線の速度や利用状況,CPUの性能等によって変動します。使用するシステムに合わせて,設定してください。
データ送信待ちタイムアウト
((1〜3600秒))
《60秒》
データ送信時に,パケットを送信し,送信バッファが空くまでの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもバッファが空かないときは,伝送は異常終了します。
データ受信待ちタイムアウト
((1〜3600秒))
《60秒》
データ受信時に,パケットを受信する(伝送相手がパケットを送信してくる)までの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもデータの受信がないときは,伝送は異常終了します。
サーバ(着信)/クライアント(発信)
-
送信/受信バッファのサイズ((512〜65535Byte))《4096Byte》
ファイル伝送(送信)するときのバッファ(メモリ)サイズをサーバ/クライアントでそれぞれ指定します。
この値は,メモリが制限されるとき,伝送効率を上げたいときなどに変更します。また,TCP/IPウィンドウサイズで指定した値未満を指定します。TCP/IPウィンドウサイズで指定した値以上を指定すると,伝送効率が悪くなります。なお,伝送効率は,回線の速度や利用状況,CPUの性能等によって変動します。使用するシステムに合わせて,設定してください。
「最大接続数×指定バッファサイズ」のメモリを伝送バッファとして確保します。送信と受信は同時には確保されません。また,伝送時にだけ確保します。
-
アイドルタイムアウト((30〜7200秒))《900秒》
一定時間,クライアントから要求がない場合に,サーバがクライアントへのコネクションを解放します。コネクションを解放するまでの時間を指定します。
履歴情報ディレクトリ
((2〜230バイトの文字列))
《JP1/FTPのインストールディレクトリ》
履歴情報ファイル(history)とトレース情報出力ディレクトリ(trace)を作成するディレクトリを指定します。なお,指定するディレクトリは,ローカルドライブだけ指定できます。
変更した場合,元のファイルとディレクトリはそのまま残ります。必要ない場合は削除してください。
JP1/IMイベントの発行
JP1イベントを発行するかどうかを選択します。チェックするとサービスの状態の変化時や,伝送の終了時にJP1イベントを発行します。JP1/IMと連携すると,JP1/IM上での状態監視ができるようになります。JP1/IMとの連携については,「5.2 JP1/IMとの連携」を参照してください。
デフォルトではチェックされていません。
伝送結果のNTイベントログ出力
ファイル伝送の結果(正常終了,異常終了)およびファイル伝送の開始をイベントログに出力するかどうかを選択します。
選択した場合,イベントID24〜27,33,および34が出力されます。イベントID24〜27,33,および34以外のイベントIDは,選択の有無にかかわらず,出力されます。
デフォルトではチェックされていません。
アクセス制限
サーバにログインしたユーザが,ユーザ登録で指定されたホームディレクトリと,その下位のファイル以外にアクセスできないよう制限するかどうかを選択します。最上位は各ドライブのルートディレクトリとなるため,ドライブ間のアクセスはできなくなります。この設定は,すべてのユーザに適用されます。
なお,アクセス制限を選択してファイルやディレクトリの絶対パス名を表示・設定する場合の絶対パス名のルートディレクトリは,システムのルートディレクトリです。ただし,絶対パス名の様式をあらかじめ登録することによって,絶対パス名のルートディレクトリをホームディレクトリに変更できます。絶対パス名のルートディレクトリをホームディレクトリに変更する方法については,「3.13 アクセス制限機能での絶対パス名のルートディレクトリの変更機能」を参照してください。
デフォルトではチェックされていません。
- 注意事項
-
[環境定義]ダイアログボックスの[履歴情報保存件数],[プロトコルトレースのファイルサイズ],[モジュールトレースのファイルサイズ]の各値は,現在の値よりも小さな値を設定した場合,サービス再起動時に,該当する情報ファイルが削除されます。再起動前の情報が消えてしまいますので注意してください。なお,履歴情報は,履歴情報ディレクトリ\FTSLOGSAVEファイルにバックアップされます。