7.2 [ジョブ運用情報の収集]画面
画面および設定はWindows版(GUI)の説明となっていますが,各種機能や動作,利用方法についてはjprcollectコマンドと同様となります。ご使用に当たり,「8. コマンド」のjprcollectコマンドについてもご参照ください。
JP1/AJSからジョブ運用情報を収集して,ジョブ運用情報ファイルを生成します。
[ジョブ運用情報の収集]画面の表示項目を次に示します。
- ホスト名
-
接続先ホスト名が表示されます。
[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合にだけ非活性で表示されます。
- ユニット名
-
収集するジョブ運用情報のユニット名を指定します。ここで指定したユニット以下のすべてのユニット情報が収集対象となります。この指定は省略できません。
総称名(「*」や「?」)は指定できません。
ユニット名に複数個の名称を指定しないでください。ジョブ運用ドキュメントの出力でエラーとなります。[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合は非活性になります。
ユニット名に次の記号を含むユニットを選択して,[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面は表示できません。
" & ' * < > ? [ \ ] ^ ` { | } ~ $
- ルート直下を指定する
-
ここをチェックした場合,[ユニット名]にルートジョブグループ名を指定できます。
チェックをしない場合,[ユニット名]にルートジョブグループ名は指定できません。
[ルート直下を指定する]をチェックして[ユニット名]にルートジョブグループ名を指定するとルート直下からすべてのユニット情報を収集できます。
[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合は非活性になります。
- サービス名
-
JP1/AJSのスケジューラーサービス名を指定します。この指定は省略できます。省略時は,JP1/AJSで設定されたスケジューラーサービス名が設定されます。
[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合は非活性になります。
- 文字コード
-
ユニットが属するスケジューラーサービスに設定されている文字コードが表示されます。
[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合にだけ非活性で表示されます。
- 収集期間
-
実行予定・結果情報の収集期間の指定方法とその期間の値を指定します。収集期間の範囲は,収集開始日の基準時刻から,収集終了日の基準時刻に23時間59分59秒を加えた時刻までです。
- 期間指定
-
期間の指定方法を,年月日指定,月次指定,相対月指定または,指定しないの四つの項目から一つ選択します。初期状態では年月日指定が選択されます。
また,期間の基準を暦日または実行日から選択します。初期状態では暦日が選択されます。
ただし,実行日を指定して収集できるのは,JP1/AJS3 - Print Option Manager 11-10以降の場合だけです。
- 年月日指定
-
期間に実行予定・結果情報の収集期間を開始日と終了日で指定する場合に選択します。
この項目を指定すると[期間]グループを次のように表示します。
初期状態では開始日と終了日が[ジョブ運用情報の収集]画面を表示した日になります。
- 期間
-
実行予定・結果情報の収集期間を開始日と終了日で指定します。
収集できる期間の下限は1994年1月1日,上限は2036年12月31日です。
- 月次指定
-
実行予定・結果情報の収集期間を月次で指定する場合に選択します。
この項目を指定すると[期間]グループを次のように表示します。
初期状態では[今月]にチェックが入ります。
- 期間
-
実行予定・結果情報を収集する期間を[先月][今月][来月]をチェックして指定します。
各月の一日から末日までが,実行予定・結果情報を収集する期間となります。
[先月]と[来月]だけにチェックをした場合,[開始]ボタンは押せません。
-
先月
チェックした場合,先月分の実行予定・結果情報を収集します。
-
今月
チェックした場合,今月分の実行予定・結果情報を収集します。
-
来月
チェックした場合,来月分の実行予定・結果情報を収集します。
-
- 相対月指定
-
実行予定・結果情報の収集期間を相対月で指定する場合に選択します。
この項目を指定すると[期間]グループを次のように表示します。
初期状態では「開始月:現在」が選択されます。
- 期間
-
実行予定・結果情報を収集する期間を開始月と月数で指定します。
開始月とは,実行予定・結果情報を収集する期間の始点となる月になります。開始月は[過去][現在][未来]から選択します。
開始月の月の一日から指定した月数分の実行予定・結果情報を収集します。
-
開始月:過去
当月以前の月を開始月とします。当月より何か月前の月から何か月分の実行予定・結果情報を収集するのかを数値で指定します。
開始月および月数に指定できる値は,それぞれ1〜6です。
これらの指定は省略できません。
例
7月17日に[過去 3ヶ月前の月から6ヶ月分]を指定した場合
4月1日から9月30日までの実行予定・結果情報を収集します。
-
開始月:現在
当月を開始月とします。当月から何か月分の実行予定・結果情報を収集するのかを数値で指定します。
月数に指定できる値は,1〜6です。この指定は省略できません。
例
7月17日に[現在 当月から3ヶ月分]を指定した場合
7月1日から9月30日までの実行予定・結果情報を収集します。
-
開始月:未来
当月以後の月を開始月とします。当月より何か月後の月から何か月分の実行予定・結果情報を収集するのかを数値で指定します。
開始月および月数に指定できる値は,それぞれ1〜6です。
これらの指定は省略できません。
例
7月17日に[未来 2ヶ月後の月から3ヶ月分]を指定した場合
9月1日から11月30日までの実行予定・結果情報を収集します。
-
- 指定しない
-
実行予定・結果情報を収集しない場合に選択します。
- 最終更新日時を収集する
-
ここをチェックした場合,指定したユニットの下位を含めた最終更新日時を収集できます。ただし,最終更新日時を収集できるのは,JP1/AJS3 - Manager 09-00以降の場合だけです。
チェックをしない場合,最終更新日時は収集しません。
- リリースIDを収集する
-
ここをチェックした場合,指定したユニットにジョブネットリリース機能を使用した登録情報が含まれていると,リリースIDごとにジョブネットの情報を収集します。複数リリース登録されている場合は,登録されているすべてのリリースIDの情報が出力されます。ただし,リリースIDごとの情報を収集できるのは,JP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-00-04以降の場合だけです。
ジョブネットリリース機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド」のジョブネットリリース機能の説明を参照してください。
- ジョブ運用情報の出力先ファイル名
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収集したジョブ運用情報を格納する,ジョブ運用情報ファイル名を指定します。この指定は省略できません。
[JP1/AJS3 - View]画面からこの画面を表示した場合は,デフォルトファイル名([環境設定]画面の[View連携時のジョブ運用情報ファイルの出力先]に指定したフォルダパス\この画面を表示した日時(YYYYMMDDhhmmss※の形式).aoi)が表示されます。
- 注※
-
YYYY:西暦年,MM:月(01〜12),DD:日(01〜31),hh:時(00〜23),mm:分(00〜59),ss:秒(00〜59)
ファイル名にはファイル拡張子「.aoi」を指定してください。なお,ファイル名として機種依存文字および次の記号は使用しないでください。
\ / : * ? " < > | $ ` -
フォルダ名を指定しないでファイル名だけを指定した場合は,インストール先のフォルダにファイルが作成されます。[JP1/AJS3 - View]画面から表示した場合は,JP1/AJS3 - Viewのインストール先フォルダにファイルが作成されます。
また,ファイル名は63バイト以下,パス全体で255バイト以下としてください。
[JP1/AJS3 - View]画面からこの画面を表示したときは,フォルダパス名長を194バイト以下としてください。
- 参照
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ジョブ運用情報の出力先ファイル名を,[ファイルを開く]ダイアログから選択します。
- 開始
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ジョブ運用情報の収集を開始します。
- 閉じる
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当該画面を終了します。
- 【補足】ジョブ運用情報収集に関する実行履歴について
-
ジョブ運用情報の収集ごとに,ジョブ運用情報の収集に関する実行履歴情報を格納したファイルを作成します。ファイルの名称は,[ジョブ運用情報の出力先ファイル名]に指定したファイル名のファイル拡張子を「.log」に置き換えたものです。
ジョブ運用情報の収集は,内部でJP1/AJSが提供するajsprintとajsshowコマンドを実行することで実現しています。実行履歴情報には,このコマンドの実行結果情報を格納します。ジョブ運用情報の収集に失敗した際の詳細な原因を知りたいときは,このファイルを参照してください。
- 【補足】実行履歴情報ファイルの作成先について
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Windowsの[スタート]メニューから[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合
実行履歴情報ファイルは,ジョブ運用情報の出力ファイルに指定したフォルダに作成されます。
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[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示する場合
ジョブ運用情報が正常に出力された場合,実行履歴情報ファイルは作成されません。エラーが発生した場合,次のフォルダまたはディレクトリに作成されます。
- Windows版
(JP1/AJS3 - Print Option Managerのインストール先フォルダ)\Tmp
- UNIX版
/opt/jp1ajs2pom/tmp
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- 【補足】暦日および実行日での収集の違い
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暦日および実行日での収集の違いを次に示します。
- (例1)ジョブ運用情報の収集画面で「暦日」を選択し,2016年5月25日のスケジュールを収集した場合
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(48時間表示の月次予定)日またがりになるPCジョブFの5月26日00:30の予定は収集されません。
- (例2)ジョブ運用情報の収集画面で「実行日」を選択し,2016年5月25日のスケジュールを収集した場合
-
(48時間表示の月次予定)日またがりになるPCジョブFの5月26日00:30の予定は,ジョブネットの実行予定日が5月25日のため,収集されます。
- (例3)ジョブ運用情報の収集画面で「暦日」を選択し,2016年6月14日のスケジュールを収集した場合
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(48時間表示の月次予定)前日の6月13日の実行予定で日またがりになるPCジョブFの6月14日00:30の予定が収集されてしまいます。
- (例4)ジョブ運用情報の収集画面で「実行日」を選択し,2016年6月14日のスケジュールを収集した場合
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(48時間表示の月次予定)日またがりになるPCジョブFの6月14日00:30の予定は,ジョブネットの実行予定日が6月13日のため,収集されません。
<注意事項>
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指定した収集期間の範囲内に実行予定および実行結果のあるジョブが出力対象となります。収集期間の範囲内に実行を開始し,範囲を超えて終了したジョブは,ジョブ実行が終了した後にジョブ運用情報を収集した場合,収集期間の範囲内にある実行結果を取得できます。収集期間の範囲を超えた実行結果は取得できません。
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JP1/AJS3 - Managerがクラスタ構成の場合は,アクティブな系からジョブ運用情報を収集してください。その際,サービス名に論理ホスト用のスケジューラーサービス名を指定してください。
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月次指定または相対月指定を選択した場合,物理ホストのシステム時刻を基に収集期間を決定します。スケジューラーサービスのローカル日時には対応していません。スケジューラーサービスのローカル日時を変更している場合は,年月日指定を選択して,ローカル日時を基にした期間を指定してください。
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[JP1/AJS3 -View]画面から起動した場合,ジョブ運用情報の出力先ファイル名に,OSによって保護された「C:\Program Files」などのフォルダを指定すると,指定どおりのパスに出力されないことがあります。
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Windows Server 2016,Windows Server 2012およびWindows Server 2008 R2で,ユーザーアカウント制御(UAC)が有効な環境で管理者(Administrator)以外のユーザーを使用して,Windowsの[スタート]メニューから起動する場合,ジョブ運用情報の出力先ファイル名に,OSによって保護された「C:\Program Files」などのフォルダを指定するとエラーになります。このときは,管理者(Administrator)で[ジョブ運用情報の収集]画面を起動してから実行してください。
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収集期間に含まれるジョブの予定日時には,JP1/AJSが提供するajsshowコマンドで取得する次の情報が使用されます。
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「処理サイクルの計算から求めた実行開始予定日時」
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「処理サイクルの計算から求めた実行終了予定日時」
実行済みジョブの場合は,次の例のように,実際に実行を開始または終了した日時がそれぞれ出力されます。
図7‒4 2/16 12:00に2/1〜2/28の運用情報を取得後,月次予定情報(時刻付き)を出力した場合の出力例 予定情報に実績を含めない帳票を作成する場合は,期間指定の開始日に現在の日時以降を指定して取得してください。
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Windowsの[スタート]メニューから[ジョブ運用情報の収集]画面を表示して,JP1/AJS3の環境設定パラメーターADMACLIMITを「yes」にしてジョブ運用情報を収集すると,KAVR1000-EまたはKAVR5010-Eのエラーになる場合があります。この場合,OSにログオンして,Windowsスタートメニューから[ジョブ運用情報の収集]画面を表示するユーザーアカウント名と同じ名前のJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。
ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドを実行するために必要なJP1権限レベルの詳細については,JP1/AJS3のマニュアルを参照してください。
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[JP1/AJS3 - View]画面から[ジョブ運用情報の収集]画面を表示して,JP1/AJS3の環境設定パラメーターADMACLIMITを「yes」にしてジョブ運用情報を収集すると,KAVR1000-EまたはKAVR5010-Eのエラーになる場合があります。この場合,次のどちらかを実施してください。
- JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをローカルシステムアカウントで運用する場合(インストール後のデフォルトは,ローカルシステムアカウントに設定されています)
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「system」というJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。
- JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをユーザーアカウントで運用する場合
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ユーザーアカウント名と同じ名前のJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。
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JP1/AJS3の環境設定パラメーターAJSPRINTSORTUNITINFが「yes」の場合,関連線情報は先行ユニットおよび後続ユニットの文字コード昇順にジョブ運用情報ファイルに出力されます。環境設定パラメーターAJSPRINTSORTUNITINFが「no」,または値を設定していない場合,関連線情報は先行ユニットおよび後続ユニットの作成順に出力されます。詳細については,JP1/AJS3のマニュアルを参照してください。
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JP1/AJS3 - Print OptionとJP1/AJS3 - Print Option Managerの間の通信は暗号化されません。次のどちらかの方法を実施してください。
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セキュリティ対策を設定したネットワーク環境でJP1/AJS3 - View連携を使用
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セキュリティモードを設定したFTPなどで,JP1/AJS3 - Print Option Managerで出力したジョブ運用情報ファイルをJP1/AJS3 - Print Optionに転送して帳票を出力
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実行日を指定して収集できるのは,JP1/AJS3 - Print Option Manager 11-10以降の場合だけです。JP1/AJS3 - Viewから[ジョブ運用情報の収集]画面を表示したとき,接続先のJP1/AJS3 - Print Option Managerが11-00以前の場合は,暦日による収集となるか,あるいは,KAVR5024-Eのエラーとなります。