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JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 - Definition Assistant


付録C.1 JP1/AJS3 - Definition Assistantの処理性能を見積もる

JP1/AJS3 - Definition Assistantでの定義情報のインポートやエクスポートの処理性能を見積もるには,次の点を考慮する必要があります。

定義情報のインポートやエクスポートを実行すると,接続先のJP1/AJSに対してJP1/AJSのコマンドをリモート実行します。処理対象のユニット数の増加が性能に大きな影響を与えます。

〈この項の構成〉

(1) 推奨構成

JP1/AJS3 - Definition Assistantでは,次の3点を実行してデータ転送でのネットワーク負荷の軽減,定義情報管理テンプレート上での処理性能や実行コマンド性能の低下を抑止する運用をお勧めします。

機能上,JP1/AJS3 - Definition Assistantでは一度に1万を超えるユニット数分の定義情報を処理できますが,性能面の負担を考慮して,1回の操作で処理するユニット数の目安を最大1,000ユニット程度として検討してください。

なお,次の場合は性能的に負荷が掛かるため,このような定義にならないように注意してください。

(2) インポート処理時間の見積もり

マシンスペックの違いにもよりますが,一般的に定義情報のインポートを実行した場合の処理時間は,次の式で近似値を算出できます。

インポート処理時間(秒) =
    ((0.15*a*b)*(1-i-j)) + (0.07*c) + (0.07*d) + (0.025*e) + (0.001*f) +
    (0.08*g) + h
(凡例)
a:ユニット定義の平均サイズ(キロバイト)

インポート対象のユニット定義の平均サイズです。

最も定義情報が多いユニット1つについてajsprint -aを実行して取得した標準出力ファイルのサイズで見積もってください。

上記が困難な場合は7で見積もってください。

b:ユニット数

インポート対象のユニット数です。

c:運用日の合計数

インポート対象のユニットで定義している運用日の合計数です。

d:休業日の合計数

インポート対象のユニットで定義している休業日の合計数です。

e:コマンド文の行数の合計

インポート対象のユニットで定義しているコマンド文の行数の合計です。

f:関連線の合計数

インポート対象のユニットで定義している関連線の合計数です。

g:環境変数の行数の合計

インポート対象のユニットで定義している環境変数の行数の合計です。

h:実行結果ファイルの保存時間

一般的な目安を次の表に示します。

表C‒1 インポート実行結果ファイル保存時間の目安

実行結果ファイルサイズ(単位:メガバイト)

保存時間(単位:秒)

2

10

10

50

20

100

i:IMPORT-USEMEMORYの指定値が「1」の場合は0.05,IMPORT-USEMEMORYの指定値が「0」の場合は0で見積もってください。

j:IMPORT-TIME-IMPROVEの指定値が「Y」で接続先のJP1/AJS3のバージョンが10-00以降の場合は0.25,それ以外の場合は0で見積もってください。

(3) エクスポート処理時間の見積もり

マシンスペックの違いにもよりますが,一般的に定義情報のエクスポートを実行した場合の処理時間は,次の式で近似値を算出できます。

(a) 環境設定パラメーター「BATCHEXPORT-USEMEMORY」が「0」の場合

<32ビット版JP1/AJS3 - Definition Assistantの場合>
エクスポート処理時間(秒) =
    (a*a/10000000) + (0.002*a) + (0.3*b) + (0.02*c) + (0.3*d) +
    (0.02*e) + (0.02*f) + (0.3*g) + h
<64ビット版JP1/AJS3 - Definition Assistantの場合>
エクスポート処理時間(秒) =
    (a*a/10000000) + (0.02*a) + (0.3*b) + (0.02*c) + (0.3*d) +
    (0.02*e) + (0.02*f) + (0.3*g) + h

(b) 環境設定パラメーター「BATCHEXPORT-USEMEMORY」が「1」の場合

エクスポート処理時間(秒) =
    (0.003*a) + (0.3*b) + (0.02*c) + (0.3*d) + (0.02*e) + (0.02*f) +
    (0.3*g) + h
(凡例)

a:一括に指定したユニット数

b:単独に指定したユニット数

c:単独を指定した行の「先行」列のセル内の行の合計数

d:変更に指定した変更項目数

e:マーキングした「先行」列のセル内の行の合計数

f:マーキングした「待ち合わせ対象ユニット名」列のセル内の行の合計数

g:削除に指定したユニット数

h:実行結果ファイルの保存時間

一般的な目安を次の表に示します。

表C‒2 エクスポート実行結果ファイル保存時間の目安

実行結果ファイルサイズ(単位:メガバイト)

保存時間(単位:秒)

2

10

10

50

20

100

(4) ajsdaconvertコマンド処理時間の見積もり

マシンスペックの違いにもよりますが,ajsdaconvertコマンドの一般的な処理時間は,次の式で近似値を算出できます。

ajsdaconvertコマンド処理時間(秒) = (a*(7*b) + 5) + 30
(凡例)

a:変換前ファイルのファイル数

b:実行結果ファイルのファイルサイズ(メガバイト)

変換前ファイルで最もサイズの大きい実行結果ファイルのファイルサイズで見積もってください。

上記が困難な場合は,次の概算式で見積もってください。

実行結果ファイルのファイルサイズ(メガバイト) = c*d

c:ユニット定義の平均サイズ(メガバイト/ユニット)

最も定義情報が多いユニット1つについてajsprint -aを実行して取得した標準出力ファイルのサイズで見積もってください。

上記が困難な場合は,0.007で見積もってください。

d:ユニット数

変換前ファイルがすべてxls形式の場合は,環境設定パラメーター「MAX-IMPORT-UNIT」の値,または環境設定パラメーター「MAX-EXPORT-UNIT」の値の大きいほうで見積もってください。

上記以外の場合は,環境設定パラメーター「XLSM-MAX-IMPORT-UNIT」の値,または環境設定パラメーター「XLSM-MAX-EXPORT-UNIT」の値の大きいほうで見積もってください。