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JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


ajsdbcond

〈このページの構成〉

形式

ajsdbcond
     [-F サービス名]
     [[-m] |
       [[-x][-k]
         [-d ディレクトリ名][-p {出力先}]]|
     [[{-l|-L} [-a] [[-i {出力先}]|
       [-t {出力先,未使用領域サイズしきい値} [-v]]]]
        |[-t {出力先,未使用領域サイズしきい値} [-v]]]]

機能

  1. スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの未使用領域率が高くなった場合などに,無効領域を圧縮し,ファイルを再編成します。

  2. スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの未使用領域率や,データファイルフラグメント率および未使用領域サイズを標準出力に出力します。

    ISAMファイルの未使用領域率については,スケジューラーサービスがISAMファイルを使用中の場合でも,情報を表示できます。

  3. スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの次に示す情報を,指定した出力先にメッセージとして出力できます。

    ・再編成時の情報(開始・終了時刻,統計情報)

    ・未使用領域サイズ

    ・未使用領域サイズがしきい値に達していた

    メッセージの出力先は,次の中から単独で指定することも,幾つか組み合わせて指定することもできます。

    ・標準エラー出力

    ・Windowsイベントログまたはsyslog

    ・JP1イベント

  4. スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの未使用領域サイズがしきい値に達しているかいないかを,このコマンドの戻り値に設定します。

  5. ISAMファイルのフォーマットを変換します。

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

引数

-F サービス名

処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。

省略した場合,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。

-m

指定されたスケジューラーデータベースのセマフォ番号とISAMファイルフォーマット(キー再利用機能が有効か無効か)を出力します。

このオプションは,-Fオプション以外のオプションとは同時に指定できません。

-x

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルを再編成します。

-k

指定されたスケジューラーサービスを構成するすべてのISAMファイルがキー再利用機能を有効となるフォーマットに変換すると同時に,データファイルおよびキーファイルを完全に再編成します。

-d ディレクトリ名

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルを再編成する場合に,キーソート時に使用するワークファイルのディレクトリを指定します。

省略した場合の扱いについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJiscondコマンドの説明を参照してください。

-p {出力先}

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの再編成開始および終了時にメッセージを出力します。

このオプションは,-xオプションと同時に指定します。

  • 出力先

    メッセージの出力先を,次の中から指定します。出力先は,単独で指定することも,幾つか組み合わせて指定することもできます。

    e:標準エラー出力

    s:Windowsイベントログまたはsyslog

    j:JP1イベント

このオプションを指定したときの,メッセージの出力例を次に示します。

(例1)再編成開始時
KAVS1500-I スケジューラーサービス(AJSROOT1)のデータベース再編成を開始しました 20XX/10/01 01:05:40
(例2)再編成正常終了時
KAVS1501-I スケジューラーサービス(AJSROOT1)のデータベース再編成が正常終了しました 20XX/10/01 01:05:40 - 20XX/10/01 01:20:20 (00:14:40)

開始日時,終了日時,経過時間,実施前後の未使用領域サイズをあわせて出力します。

(例3)再編成異常終了時
KAVS1502-E スケジューラーサービス(AJSROOT1)のデータベース再編成が異常終了しました 20XX/10/01 01:05:40 - 20XX/10/01 01:20:20 (00:14:40)

{-l|-L}

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの未使用領域率を表示する場合に指定します。

このオプションを,-aオプションと同時に指定した場合,より詳細なISAMファイルの情報を表示します。

  • -l

    ISAMファイルを占有して情報を取得します。

    このオプションは,ファイルを占有して情報を取得するため,-Lオプションを指定した場合より正確な情報が取得できます。ただし,他プロセスがISAMファイルを使用中の場合は,エラーになります。

  • -L

    ISAMファイルを占有しないで情報を取得します。

    このオプションは,ファイルを占有しないため,スケジューラーサービスがISAMファイルを使用中でも情報を取得できます。ただし,並行してISAMファイルを更新しているプロセスがある場合,情報取得の瞬間のISAMファイル更新分については誤差が生じます。

-a

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの詳細な情報を出力します。

このオプションは,-lまたは-Lオプションと同時に指定すると,未使用領域率に加え,データファイルフラグメント率と未使用領域サイズを出力します。

-i {出力先}

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルの未使用領域サイズをメッセージに出力します。

  • 出力先

    メッセージの出力先を,次の中から指定します。出力先は,単独で指定することも,幾つか組み合わせて指定することもできます。

    e:標準エラー出力

    s:Windowsイベントログまたはsyslog

    j:JP1イベント

このオプションを指定したときの,メッセージの出力例を次に示します。

(例)
KAVS1503-I スケジューラーサービス(AJSROOT1)のISAM未使用領域サイズは 99MBです

-t {出力先未使用領域サイズしきい値}

スケジューラーサービスが使用するISAMファイルが,指定した未使用領域サイズしきい値に達していた場合,メッセージを出力します。

このオプションを使用して,スケジューラーサービスが繁忙期でないときに,JP1/AJS3のジョブとしてajsdbcondコマンドをスケジュール実行することで,定期的にISAMファイルの状態を確認して,警告メッセージを出力できます。

  • 出力先

    メッセージの出力先を,次の中から指定します。

    出力先は,単独で指定することも,幾つか組み合わせて指定することもできます。

    e:標準エラー出力

    s:Windowsイベントログまたはsyslog

    j:JP1イベント

  • 未使用領域サイズしきい値

    ISAMファイルの未使用領域サイズしきい値を指定します。

    指定できる値は,1〜1024(単位:メガバイト(MB),1MB=1,024×1,024バイト)です。

このオプションを指定したときの,メッセージの出力例を次に示します。

(例)
KAVS1504-W スケジューラーサービス(AJSROOT1)のISAM未使用領域サイズは101MBで,しきい値(100MB)に達しています

-v

未使用領域率に達していたかいないかを,このコマンドの戻り値(プロセス終了コード)に設定する場合に指定します。

このオプションは,-tオプションと同時に指定します。

注意事項

戻り値

0

正常終了。※1

1

使用するISAMファイルに,未使用領域サイズしきい値以上の未使用領域サイズがある。※2

4〜124で4の倍数値

異常終了。

注※1

-tオプションと-vオプションを同時に指定している場合,スケジューラーサービスが使用するISAMファイルが,未使用領域サイズしきい値に達していないことを示します。

注※2

-tオプションと-vオプションを同時に指定している場合だけ,このコードが返ります。

補足事項

使用例1

スケジューラーサービス停止中に,スケジューラーサービスAJSROOT1が使用するISAMファイルを再編成する場合。

ajsdbcond -x -F AJSROOT1

使用例2

スケジューラーサービスAJSROOT1の使用するISAMファイルの状態(未使用領域率と未使用領域サイズ・データファイルフラグメント率)を出力する場合。

ajsdbcond -l -a -F AJSROOT1

使用例3

スケジューラーサービスのISAMファイルの情報を標準出力に出力し,未使用領域サイズがしきい値(10メガバイト)に達していたときに,標準エラー出力とWindowsイベントログまたはsyslogにメッセージを出力する場合。

ajsdbcond -L -a -t se,10 -F AJSROOT1