13.4.1 言語環境の設定
システムの言語環境を設定する方法を次に示します。
なお,システムで使用できる言語種別の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.4.2 システムで使用する言語種別と文字コードについて検討する」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 文字コード種別の変更
文字コードを変更する手順について説明します。
運用中に言語種別と文字コードを変更する場合,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,およびJP1/AJS3 - ViewとOSの組み合わせによっては,再インストールが必要になります。JP1/AJS3とOSの組み合わせ,およびそれぞれの場合の再インストールの必要可否については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.4.2(10) 運用中の言語設定の変更について」を参照してください。
文字コードを変更する手順を次に示します。設定値については,「(2) 文字コード種別の設定内容」を参照してください。
-
JP1の各サービス,接続しているJP1/AJS3 - Viewおよび実行中のコマンドを停止する。
-
JP1/Baseで使用する文字コード種別を変更する。
JP1/Baseで使用する文字コード種別の変更方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
-
JP1/AJS3サービスが発行するイベントやジョブ実行環境などの出力文字コード種別を変更するために,次のファイルをviなどのエディターで開く。
-
物理ホストの場合
/etc/opt/jp1ajs2/conf/jp1ajs_env.conf
-
論理ホストの場合
共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf/jp1ajs_env.conf
-
-
手順3で開いたファイルの「LANG=」と定義された行に,変更後の環境変数LANGを指定し,ファイルを保存する。
-
UTF-8に変更する場合,手順3で開いたファイルの最終行に「AJSCONVERTUTF8=no」を追加し,ファイルを保存する。
-
ジョブの実行環境およびユニット定義環境の文字コード種別を変更するために,環境設定パラメーターを変更する。
次のコマンドを実行します。
jajs_config -k "[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]" "AJSCHARCODE"="文字コード"
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
環境設定パラメーターAJSCHARCODEの詳細については,「20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。
-
UTF-8に変更する場合,UTF-8に対応していないエージェントで正しくキューレスジョブを実行させるために,環境設定パラメーターを設定する。
viなどのエディターで,次の環境設定パラメーターを記載した設定ファイルを作成します。
[JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER] "QLMANCHARCODE"="UTF-8"
設定ファイルを保存したら,次のコマンドを実行してください。
jbssetcnf 設定ファイル名
環境設定パラメーターQLMANCHARCODEの詳細については,「20.10 キューレスジョブ実行環境設定」を参照してください。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
-
環境設定パラメーターQLMANCHARCODEに「UTF-8」を設定した場合,キューレスジョブのエージェントとして使用するホストすべてに,次の環境設定パラメーターを設定し,JP1/AJS3 Queueless Agentサービスを再起動する。
viなどのエディターで,次の環境設定パラメーターを記載した設定ファイルを作成します。
[JP1_DEFAULT\JP1QLAGENT] "AJSQL_CHARCODE"="UTF-8"
設定ファイルを保存したら,次のコマンドを実行してください。
jbssetcnf 設定ファイル名
環境設定パラメーターAJSQL_CHARCODEの詳細については,「20.10 キューレスジョブ実行環境設定」を参照してください。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
-
定義内容の事前チェックを使用するために,環境設定パラメーターを変更する。
次のコマンドを実行します。
jajs_config -k "[JP1_DEFAULT\JP1AJS2\CHECK]" "AJSCHK_CHARCODE"="文字コード"
環境設定パラメーターAJSCHK_CHARCODEの詳細については,「20.7 JP1/AJS3定義内容の事前チェック機能の設定」を参照してください。
-
スケジューラーサービスがsyslogへ出力するメッセージを変更するために,環境設定パラメーターを変更する。
次のコマンドを実行します。
jajs_config -k "[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]" "SYSLOGCODE"="環境変数LANGの値"
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
なお,「C」以外の値を指定した場合,スケジューラーサービスを起動した環境の環境変数LANGに従います。スケジューラーサービスを起動する環境の環境変数LANGを変更してください。
LANG="文字コード" export LANG
- 注意事項
-
・syslogに環境変数LANGで指定した文字コードが出力できない場合があります。その場合には「C」を必ず指定してください。
・中国語を使用する場合は,「C」を必ず指定してください。
-
中国語を使用するかどうかの環境パラメーターを変更する。
次のコマンドを実行します。
/opt/jp1ajs2/bin/jajs_config -k "[JP1_DEFAULT\JP1AJS2COMMON]" "AJSI18N"="設定値"
中国語を使用する場合は設定値に「yes」を,使用しない場合は「no」を指定してください。
(2) 文字コード種別の設定内容
言語設定の設定個所ごとの設定内容を次の表に示します。
項番 |
OS |
使用する言語種別と文字コード |
設定値 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
言語種別 |
文字コード |
環境変数LANGの値 |
jp1ajs_env.conf |
AJSCHARCODE |
SYSLOGCODE |
AJSI18N |
|||
LANG |
AJSCONVERTUTF8 |
||||||||
1 |
HP-UX |
日本語 |
シフトJISコード |
ja_JP.SJIS |
ja_JP.SJIS |
未定義 |
SJIS |
Cまたはja_JP.SJIS |
未設定またはno |
2 |
japanese |
japanese |
未定義 |
SJIS |
Cまたはjapanese |
未設定またはno |
|||
3 |
EUCコード |
ja_JP.eucJP |
ja_JP.eucJP |
未定義 |
EUC |
Cまたはja_JP.eucJP |
未設定またはno |
||
4 |
japanese.euc |
japanese.euc |
未定義 |
EUC |
Cまたはjapanese.euc |
未設定またはno |
|||
5 |
UTF-8コード※1 |
ja_JP.utf8 |
ja_JP.utf8 |
no |
UTF-8 |
Cまたはja_JP.utf8 |
未設定またはno |
||
6 |
英語 |
ASCIIコード |
C |
C |
未定義 |
C |
C |
未設定またはno |
|
7 |
中国語 |
GB18030コード |
zh_CN.gb18030 |
zh_CN.gb18030 |
未定義 |
C |
C |
yes |
|
8 |
Solaris |
日本語 |
シフトJISコード |
ja_JP.PCK |
ja_JP.PCK |
未定義 |
SJIS |
Cまたはja_JP.PCK |
未設定またはno |
9 |
EUCコード |
ja※2 |
ja |
未定義 |
EUC |
Cまたはja |
未設定またはno |
||
10 |
ja_JP.eucJP※2 |
ja_JP.eucJP |
未定義 |
EUC |
Cまたはja_JP.eucJP |
未設定またはno |
|||
11 |
UTF-8コード※1 |
ja_JP.UTF-8 |
ja_JP.UTF-8 |
no |
UTF-8 |
Cまたはja_JP.UTF-8 |
未設定またはno |
||
12 |
英語 |
ASCIIコード |
C |
C |
未定義 |
C |
C |
未設定またはno |
|
13 |
中国語 |
GB18030コード |
zh_CN.GB18030 |
zh_CN.GB18030 |
未定義 |
C |
C |
yes |
|
14 |
AIX |
日本語 |
シフトJISコード |
Ja_JP |
Ja_JP |
未定義 |
SJIS |
CまたはJa_JP |
未設定またはno |
15 |
Ja_JP.IBM-932 |
Ja_JP.IBM-932 |
未定義 |
SJIS |
CまたはJa_JP.IBM-932 |
未設定またはno |
|||
16 |
EUCコード |
ja_JP |
ja_JP |
未定義 |
EUC |
Cまたはja_JP |
未設定またはno |
||
17 |
ja_JP.IBM-eucJP |
ja_JP.IBM-eucJP |
未定義 |
EUC |
Cまたはja_JP.IBM-eucJP |
未設定またはno |
|||
18 |
UTF-8コード※1 |
JA_JP |
JA_JP |
no |
UTF-8 |
CまたはJA_JP |
未設定またはno |
||
19 |
JA_JP.UTF-8 |
JA_JP.UTF-8 |
no |
UTF-8 |
CまたはJA_JP.UTF-8 |
未設定またはno |
|||
20 |
英語 |
ASCIIコード |
C |
C |
未定義 |
C |
C |
未設定またはno |
|
21 |
中国語 |
GB18030コード |
Zh_CN.GB18030 |
Zh_CN.GB18030 |
未定義 |
C |
C |
yes |
|
22 |
Linux |
日本語 |
シフトJISコード |
ja_JP.SJIS※3 |
ja_JP.SJIS |
未定義 |
SJIS |
Cまたはja_JP.SJIS |
未設定またはno |
23 |
ja_JP.sjis※3 |
ja_JP.sjis |
未定義 |
SJIS |
Cまたはja_JP.sjis |
未設定またはno |
|||
24 |
UTF-8コード |
ja_JP.UTF-8 |
ja_JP.UTF-8 |
no |
UTF-8 |
Cまたはja_JP.UTF-8 |
未設定またはno |
||
25 |
ja_JP.utf8 |
ja_JP.utf8 |
no |
UTF-8 |
Cまたはja_JP.utf8 |
未設定またはno |
|||
26 |
英語 |
ASCIIコード |
C |
C |
未定義 |
C |
C |
未設定またはno |
|
27 |
中国語 |
GB18030コード |
zh_CN.gb18030 |
zh_CN.gb18030 |
未定義 |
C |
C |
yes |
- 注※1
-
互換用ISAM構成の場合,UTF-8コードは使用できません。
- 注※2
-
Solaris 11の場合は,jaとja_JP.eucJPを使用できます。
Solaris 10の場合は,jaだけ使用できます。
- 注※3
-
SUSE Linuxでだけ使用できます。