3.4.4 通信設定ファイル(ajscd_ajs3web.properties)の設定項目の詳細
通信設定ファイル(ajscd_ajs3web.properties)の設定形式や設定項目の詳細について説明します。
(1) ファイルの格納場所
ajscd_ajs3web.propertiesは,JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール直後の初期状態では配置されません。配置されていない場合,JP1/AJS3 - Web Consoleはデフォルトの状態で動作します。
設定をデフォルト値から変更したい場合にだけ,ajscd_ajs3web.propertiesを作成します。
(a) モデルファイルの格納場所
モデルファイルajscd_ajs3web.properties.modelの格納場所を次に示します。
JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール先フォルダ\conf
(b) ajscd_ajs3web.propertiesの格納場所
ajscd_ajs3web.propertiesの格納場所は,JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール先によって異なります。
- クラスタ構成の場合
-
共有フォルダ\jp1ajs3web\conf
- JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
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%ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\jp1ajs3web\conf
「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。
-
「システムドライブ\Windows」配下
-
「システムドライブ\Program Files」配下
-
- JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール先フォルダが上記以外の場合
-
JP1/AJS3 - Web Consoleのインストール先フォルダ\conf
(2) ファイルの編集手順
ajscd_ajs3web.propertiesの編集手順を次に示します。
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JP1/AJS3 Web Application Serverサービスを停止する。
-
ajscd_ajs3web.propertiesがすでに定義されている場合は,ファイルを任意のフォルダにバックアップする。
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モデルファイルajscd_ajs3web.properties.modelをajscd_ajs3web.propertiesの格納先にコピーして,ajscd_ajs3web.propertiesにリネームする。
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ajscd_ajs3web.propertiesをテキストエディターで開く。
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定義内容を変更する。
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文字コードUTF-8でファイルを保存する。
-
JP1/AJS3 Web Application Serverサービスを起動する。
(3) 設定が有効になるタイミング
JP1/AJS3 Web Application Serverサービス起動時
(4) 記述形式
ajscd_ajs3web.propertiesの記述形式を次に示します。
ajscd.port_number=JP1/AJS3 - Managerへの接続ポート番号 ajscd.connect_timeout=JP1/AJS3 - Managerとの接続タイムアウト時間 ajscd.connect_retry_count=JP1/AJS3 - Managerとの接続リトライ回数 ajscd.connect_retry_interval=JP1/AJS3 - Managerとの接続リトライ間隔 ajscd.receive_timeout=JP1/AJS3 - Managerからのデータ受信のタイムアウト時間 ajscd.login_wait=ログイン処理の待ち時間
コメントを記載する際は,行の先頭に「#」(シャープ)を記載してください。
(5) 設定項目
設定項目について説明します。各項目は改行文字で区切ってください。
(a) ajscd.port_number
JP1/AJS3 - Managerへの接続ポート番号を設定します。
JP1/AJS3 - Managerでデフォルトのポート番号が使用できない場合に変更します。
- 指定できる値
-
5001〜65535
- デフォルト値
-
22250
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
(b) ajscd.connect_timeout
JP1/AJS3 - Managerとの接続タイムアウト時間を設定します。
デフォルトでは,接続タイムアウト処理を行いません。JP1/AJS3 - Managerとの接続タイムアウト処理を行う場合に変更します。
- 指定できる値
-
0〜86,400(単位:秒)
0を指定した場合,接続タイムアウト処理を行いません。
- デフォルト値
-
0(接続タイムアウト処理を行わない)
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
- 注意事項
-
OSの接続タイムアウトの仕様とその設定によって,設定した値より前に接続タイムアウトが発生することがあります。
(c) ajscd.connect_retry_count
JP1/AJS3 - Managerとの接続で通信エラーが発生した場合に,接続をリトライする回数を設定します。
- 指定できる値
-
0〜100(単位:回)
- デフォルト値
-
3
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
(d) ajscd.connect_retry_interval
JP1/AJS3 - Managerとの接続で通信エラーが発生した場合に,接続をリトライする間隔を設定します。
- 指定できる値
-
1〜300(単位:秒)
- デフォルト値
-
12
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
(e) ajscd.receive_timeout
JP1/AJS3 - Managerからデータを受信する場合のタイムアウト時間を設定します。
- 指定できる値
-
0〜86,400(単位:秒)
0を指定した場合,受信タイムアウト処理を行いません。
- デフォルト値
-
180
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
(f) ajscd.login_wait
JP1/AJS3 - Managerの認証に失敗した場合に,ログイン処理の待ち時間(スリープ状態にする時間)を設定します。
- 指定できる値
-
1〜10(単位:秒)
- デフォルト値
-
1
- 推奨値
-
運用環境に応じて設定してください。
(6) 設定例
ajscd_ajs3web.propertiesの設定例を次に示します。
ajscd.port_number=22250 ajscd.connect_timeout=0 ajscd.connect_retry_count=3 ajscd.connect_retry_interval=12 ajscd.receive_timeout=180 ajscd.login_wait=1
(7) 注意事項
-
ここで説明した設定項目以外の項目は,変更しないでください。
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定義行の「=」の前後には,スペースを入れないでください。
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設定できる項目以外を指定した場合,その行は無視されます。
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設定項目が存在しない場合,デフォルト値を仮定して動作します。
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設定が不正な場合,JP1/AJS3 Web Application Serverサービスは起動しますが,JP1/AJS3 - Web Consoleでの処理がエラーします。
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設定項目のキーおよび設定値のアルファベットは,大文字と小文字が区別されます。キーに大文字と小文字が混在する場合,その行は無視して処理されます。
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同一の設定項目が複数行に定義されている場合,最後に記載されている行が有効になります。