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JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)


付録B イベントジョブで引き継ぐ情報

イベントジョブで引き継ぐ情報について説明します。

イベントジョブで受信した情報を後続のジョブまたはジョブネットで参照できます。[詳細定義−[イベントアイコン名]−[引き継ぎ情報]]ダイアログボックスで,受信したイベントの特定の引き継ぎ情報をマクロ変数に指定すると参照できます。マクロ変数に指定できる引き継ぎ情報は,各イベントジョブで異なります。マクロ変数の定義例については,「2.4.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。

イベントジョブの引き継ぎ情報の一覧を,次の表に示します。

表B‒1 各イベントジョブの引き継ぎ情報一覧

アイコン名

変数

説明

Windows

UNIX

サイズ

(バイト)

共通

CMTMOUT※1

ジョブが打ち切り終了したかどうか

t:打ち切り終了

f:打ち切り終了以外

1

JP1イベント受信監視

EVID

イベントID(基本コード:拡張コード※2

イベントIDを「基本コード:拡張コード」形式にした文字列

17

EVUSR

イベント発行元ユーザー名

20

EVGRP

イベント発行元グループ名

20

EVHOST

発行元イベントサーバ名

255

EVIPADDR

イベント発行元IPアドレス

39

EVMSG

メッセージ情報

1,023

EVDETAIL

イベント詳細情報※3

1,023

EVSEV

拡張属性の重大度

11

EV:拡張属性名※4

任意の拡張属性

4,085

EVENV1〜EVENV9※5

切り出したデータ

※6

4,085

EVUSRID

イベント発行元ユーザーID

10

EVGRPID

イベント発行元グループID

10

EVPROCESSID

イベント発行元プロセスID

10

EVDATE

イベント発行年月日(yyyy/mm/dd形式)

10

EVTIME

イベント発行時間(hh:mm:ss形式)

8

ファイル監視

FLFNAME

変更があったファイルのファイル名(完全名で指定)

Windows:258

UNIX:509

FLCOND

次の成立した監視条件のどれか一つ

c(作成)

d(削除)

s(サイズ変更)

m(最終書き込み時間)

1

FLCTIME

ファイル更新時刻

(yyyy/mm/dd.

hh:mm:ss形式)

19

FLSIZE

変更があったファイルのファイルサイズ

20

メール

受信監視

MLRCVADDRESS

受信したメールの差し出し人※7

256※8

MLRCVSUBJECT

受信したメールの件名

256※9

MLRCVBODY

受信したメールの本文を保存したファイル名

×

258

MLRCVATTACHFILEnnnnは01〜20のアラビア数字)

受信したメールに添付されていた添付ファイル名

×

258※10

MLRCVATTACHLIST

受信したメールに添付されていたファイルの一覧のファイル名

×

258※11

MLRCVMAILBODY

受信したメール自体を保存したファイル名(内部設定,1ファイル)

×

452

MLRCVTIME

受信したメールの到着日時

40

メッセージキュー受信監視

MQRCVCORRELATION

受信したメッセージの相関識別子

24

MQRCVDISCRIMINATION

受信したメッセージのメッセージ識別子

24

MQRCVQUEUE

メッセージ受信キュー名

48

MQRCVMODELQUEUE

モデルキュー名

48

MQRCVMESSAGEFILE

受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル)

Windows:258

UNIX:452

MSMQ

受信監視

MSRCVQUEUEPATH

受信したメッセージのキューパス名

×

259

MSRCVMUTUAL

受信したメッセージの相互関係

×

20

MSRCVMESSAGELABEL

受信したメッセージのメッセージラベル

×

249

MSRCVAPPLICATION

受信したメッセージのアプリケーション情報(HEX形式の数値文字)

×

8

MSRCVMESSAGEFILE

受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル)

×

258

ログファイル監視

LFFNAME

トラップしたログファイルのファイル完全名

258

LFDATA

トラップしたログデータ(511バイトを超えた場合は切り捨てる)

511

Windowsイベントログ監視

NELOG

ログ種別

×

255

NEEVKIND

イベントの種類

×

20

NESOURCE

ソース

×

255

NECLASS

分類

×

4,085

NEEVID

イベントID

×

16

NEDETAIL

説明(1,023バイトを超えた場合は切り捨てる)

×

1,023

実行間隔制御

(凡例)

○:指定できる。

×:指定できない。

−:該当しない。

注1

引き継ぎ情報に次の文字が含まれていた場合,すべて空白に置き換えられます。

\r」「\n」「\b」「\f

注2

マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように,事前にマクロ変数名のサイズや引き継ぎ情報のサイズを見積もった上で運用してください。特に,起動条件をAND条件で定義している場合は,起動条件内に定義したすべてのイベントジョブのマクロ変数名および引き継ぎ情報をマージします。このため,マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように注意してください。

注※1

イベントジョブが監視条件によって正常終了した場合,CMTMOUTへ"f"を格納します。打ち切り時間が経過した場合,CMTMOUTへ"t"を格納します。エラー発生によってイベントジョブが異常検出終了した場合,CMTMOUTへは何も格納しません。

注※2

拡張コードは,必ず「0」が設定されます。

注※3

イベント詳細情報とは,JP1イベントの基本属性の詳細情報を指し,JP1イベント中の詳細情報がテキストの場合だけ設定されます。JP1イベントの属性については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 付録A.2 JP1イベントの属性」を参照してください。

注※4

拡張属性名は,JP1/Baseのイベントサービスで決められた32バイト以内の文字列です。拡張属性名の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

注※5

切り出しデータは,ajsdefineコマンドに指定したパラメーターの指定順ではなく,次の順番で正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。

  • イベント発行元ユーザー名

  • イベント発行元グループ名

  • 発行元イベントサーバ名

  • メッセージ情報

  • 詳細情報

  • 任意の拡張属性

任意の拡張属性内では,JP1イベントの取得順に正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。

注※6

拡張正規表現を使用している場合だけ設定されます。

注※7

Windowsの場合,環境設定パラメーターNextAddressに指定した情報の種類が設定されます。「Address」を指定した場合には,メールアドレスが設定されます。「Nickname」を指定した場合には,表示名(ニックネーム)が設定されます。

Windowsホストでメールシステムと連携するために必要な設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2.3.4 メールシステム連携のための環境設定をする」を参照してください。

注※8

メール受信監視ジョブを実行するホストがWindowsの場合,バイト数に加えて文字数にも上限があります。文字数の上限は255文字です。

注※9

メール受信監視ジョブを実行するホストがWindowsの場合,バイト数に加えて文字数にも上限があります。文字数の上限は253文字です。

注※10

受信したメールに添付されていたファイルを保存して,そのファイル名がフルパス名で設定されます。

複数のファイルが添付されていた場合,添付ファイルの順序は保証されません。また,21個以上のファイルが添付されていた場合には,20個のファイル名までしか引き継ぎできません。

注※11

受信したメールに添付されていたファイルを保存して,その保存したファイルのリストを作成します。作成されたリストファイル名がフルパス名で設定されます。