付録B イベントジョブで引き継ぐ情報
イベントジョブで引き継ぐ情報について説明します。
イベントジョブで受信した情報を後続のジョブまたはジョブネットで参照できます。[詳細定義−[イベントアイコン名]−[引き継ぎ情報]]ダイアログボックスで,受信したイベントの特定の引き継ぎ情報をマクロ変数に指定すると参照できます。マクロ変数に指定できる引き継ぎ情報は,各イベントジョブで異なります。マクロ変数の定義例については,「2.4.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。
アイコン名 |
変数 |
説明 |
Windows |
UNIX |
サイズ (バイト) |
---|---|---|---|---|---|
共通 |
CMTMOUT※1 |
ジョブが打ち切り終了したかどうか t:打ち切り終了 f:打ち切り終了以外 |
○ |
○ |
1 |
JP1イベント受信監視 |
EVID |
イベントID(基本コード:拡張コード※2) イベントIDを「基本コード:拡張コード」形式にした文字列 |
○ |
○ |
17 |
EVUSR |
イベント発行元ユーザー名 |
○ |
○ |
20 |
|
EVGRP |
イベント発行元グループ名 |
○ |
○ |
20 |
|
EVHOST |
発行元イベントサーバ名 |
○ |
○ |
255 |
|
EVIPADDR |
イベント発行元IPアドレス |
○ |
○ |
39 |
|
EVMSG |
メッセージ情報 |
○ |
○ |
1,023 |
|
EVDETAIL |
イベント詳細情報※3 |
○ |
○ |
1,023 |
|
EVSEV |
拡張属性の重大度 |
○ |
○ |
11 |
|
EV:拡張属性名※4 |
任意の拡張属性 |
○ |
○ |
4,085 |
|
EVENV1〜EVENV9※5 |
切り出したデータ |
○※6 |
○ |
4,085 |
|
EVUSRID |
イベント発行元ユーザーID |
○ |
○ |
10 |
|
EVGRPID |
イベント発行元グループID |
○ |
○ |
10 |
|
EVPROCESSID |
イベント発行元プロセスID |
○ |
○ |
10 |
|
EVDATE |
イベント発行年月日(yyyy/mm/dd形式) |
○ |
○ |
10 |
|
EVTIME |
イベント発行時間(hh:mm:ss形式) |
○ |
○ |
8 |
|
ファイル監視 |
FLFNAME |
変更があったファイルのファイル名(完全名で指定) |
○ |
○ |
Windows:258 UNIX:509 |
FLCOND |
次の成立した監視条件のどれか一つ c(作成) d(削除) s(サイズ変更) m(最終書き込み時間) |
○ |
○ |
1 |
|
FLCTIME |
ファイル更新時刻 (yyyy/mm/dd. hh:mm:ss形式) |
○ |
○ |
19 |
|
FLSIZE |
変更があったファイルのファイルサイズ |
○ |
○ |
20 |
|
メール 受信監視 |
MLRCVADDRESS |
受信したメールの差し出し人※7 |
○ |
○ |
256※8 |
MLRCVSUBJECT |
受信したメールの件名 |
○ |
○ |
256※9 |
|
MLRCVBODY |
受信したメールの本文を保存したファイル名 |
○ |
× |
258 |
|
MLRCVATTACHFILEnn(nnは01〜20のアラビア数字) |
受信したメールに添付されていた添付ファイル名 |
○ |
× |
258※10 |
|
MLRCVATTACHLIST |
受信したメールに添付されていたファイルの一覧のファイル名 |
○ |
× |
258※11 |
|
MLRCVMAILBODY |
受信したメール自体を保存したファイル名(内部設定,1ファイル) |
× |
○ |
452 |
|
MLRCVTIME |
受信したメールの到着日時 |
○ |
○ |
40 |
|
メッセージキュー受信監視 |
MQRCVCORRELATION |
受信したメッセージの相関識別子 |
○ |
○ |
24 |
MQRCVDISCRIMINATION |
受信したメッセージのメッセージ識別子 |
○ |
○ |
24 |
|
MQRCVQUEUE |
メッセージ受信キュー名 |
○ |
○ |
48 |
|
MQRCVMODELQUEUE |
モデルキュー名 |
○ |
○ |
48 |
|
MQRCVMESSAGEFILE |
受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル) |
○ |
○ |
Windows:258 UNIX:452 |
|
MSMQ 受信監視 |
MSRCVQUEUEPATH |
受信したメッセージのキューパス名 |
○ |
× |
259 |
MSRCVMUTUAL |
受信したメッセージの相互関係 |
○ |
× |
20 |
|
MSRCVMESSAGELABEL |
受信したメッセージのメッセージラベル |
○ |
× |
249 |
|
MSRCVAPPLICATION |
受信したメッセージのアプリケーション情報(HEX形式の数値文字) |
○ |
× |
8 |
|
MSRCVMESSAGEFILE |
受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル) |
○ |
× |
258 |
|
ログファイル監視 |
LFFNAME |
トラップしたログファイルのファイル完全名 |
○ |
○ |
258 |
LFDATA |
トラップしたログデータ(511バイトを超えた場合は切り捨てる) |
○ |
○ |
511 |
|
Windowsイベントログ監視 |
NELOG |
ログ種別 |
○ |
× |
255 |
NEEVKIND |
イベントの種類 |
○ |
× |
20 |
|
NESOURCE |
ソース |
○ |
× |
255 |
|
NECLASS |
分類 |
○ |
× |
4,085 |
|
NEEVID |
イベントID |
○ |
× |
16 |
|
NEDETAIL |
説明(1,023バイトを超えた場合は切り捨てる) |
○ |
× |
1,023 |
|
実行間隔制御 |
− |
− |
− |
− |
− |
- (凡例)
-
○:指定できる。
×:指定できない。
−:該当しない。
- 注1
-
引き継ぎ情報に次の文字が含まれていた場合,すべて空白に置き換えられます。
「\r」「\n」「\b」「\f」
- 注2
-
マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように,事前にマクロ変数名のサイズや引き継ぎ情報のサイズを見積もった上で運用してください。特に,起動条件をAND条件で定義している場合は,起動条件内に定義したすべてのイベントジョブのマクロ変数名および引き継ぎ情報をマージします。このため,マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように注意してください。
- 注※1
-
イベントジョブが監視条件によって正常終了した場合,CMTMOUTへ"f"を格納します。打ち切り時間が経過した場合,CMTMOUTへ"t"を格納します。エラー発生によってイベントジョブが異常検出終了した場合,CMTMOUTへは何も格納しません。
- 注※2
-
拡張コードは,必ず「0」が設定されます。
- 注※3
-
イベント詳細情報とは,JP1イベントの基本属性の詳細情報を指し,JP1イベント中の詳細情報がテキストの場合だけ設定されます。JP1イベントの属性については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 付録A.2 JP1イベントの属性」を参照してください。
- 注※4
-
拡張属性名は,JP1/Baseのイベントサービスで決められた32バイト以内の文字列です。拡張属性名の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- 注※5
-
切り出しデータは,ajsdefineコマンドに指定したパラメーターの指定順ではなく,次の順番で正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。
-
イベント発行元ユーザー名
-
イベント発行元グループ名
-
発行元イベントサーバ名
-
メッセージ情報
-
詳細情報
-
任意の拡張属性
任意の拡張属性内では,JP1イベントの取得順に正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。
-
- 注※6
-
拡張正規表現を使用している場合だけ設定されます。
- 注※7
-
Windowsの場合,環境設定パラメーターNextAddressに指定した情報の種類が設定されます。「Address」を指定した場合には,メールアドレスが設定されます。「Nickname」を指定した場合には,表示名(ニックネーム)が設定されます。
Windowsホストでメールシステムと連携するために必要な設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2.3.4 メールシステム連携のための環境設定をする」を参照してください。
- 注※8
-
メール受信監視ジョブを実行するホストがWindowsの場合,バイト数に加えて文字数にも上限があります。文字数の上限は255文字です。
- 注※9
-
メール受信監視ジョブを実行するホストがWindowsの場合,バイト数に加えて文字数にも上限があります。文字数の上限は253文字です。
- 注※10
-
受信したメールに添付されていたファイルを保存して,そのファイル名がフルパス名で設定されます。
複数のファイルが添付されていた場合,添付ファイルの順序は保証されません。また,21個以上のファイルが添付されていた場合には,20個のファイル名までしか引き継ぎできません。
- 注※11
-
受信したメールに添付されていたファイルを保存して,その保存したファイルのリストを作成します。作成されたリストファイル名がフルパス名で設定されます。