3.4.2 監視世代と実行世代
起動条件付きジョブネットを実行すると,事象の発生の監視を制御する世代(監視世代)と事象の発生を待つ世代(実行世代)が生成されます。監視している事象が発生すると起動条件が成立し,実行世代が実行されます。
監視世代と実行世代について,次の図に示します。
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起動条件付きジョブネットを実行登録し,スケジュールルールに設定されている開始時刻に到達してジョブネットが開始すると,「監視中」状態の監視世代と「起動条件待ち」状態の実行世代が生成されます。
事象が発生して起動条件が成立すると,「起動条件待ち」状態の実行世代は「実行中」状態になり,新たな「起動条件待ち」状態の実行世代が生成されます。
なお,「監視中」状態の監視世代は,監視を終えると「監視正常終了」状態になります。監視中に一度も条件が成立しないで終了した場合は,「監視未起動終了」状態になります。「監視中」状態の監視世代にエラーが発生した場合,実行世代は起動条件が成立しても実行されないで「異常検出終了」状態になります。
これらの状態は[デイリースケジュール]ウィンドウ,または[マンスリースケジュール]ウィンドウで確認できます。
- 注意事項
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AND条件で複数の条件を監視する場合,特定のイベントだけが続けて発生しないようにしてください。
特定のイベントだけが続けて発生すると,AND条件で定義しているその他のイベントの発生を待つ「起動条件待ち」状態の実行世代が複数生成されます。例えば次の図のように,起動条件としてファイル監視ジョブとJP1イベント受信監視ジョブの二つをAND条件で定義した場合,ファイル更新イベントだけが立て続けに発生すると,JP1イベント受信イベントの発生を待つ「起動条件待ち」状態の実行世代が複数生成されます。
図3‒48 AND条件で特定のイベントが発生し続ける例 実行世代が大量に生成されると,性能に影響が出るおそれがあります。
また,一つの監視世代で保持できる実行世代の数は7,680世代です。実行世代の数が7,680世代を超えてしまうと,監視世代が「監視打ち切り終了」状態になります。
- 補足事項
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起動条件付きジョブネットに保留を定義して実行するか,保留を設定して実行登録した場合,監視世代だけが保留状態になります。監視世代の保留状態を解除すると,監視が開始されます。