6.1.2 部品の実行ユーザー
部品の実行ユーザーは,ローカル実行機能の設定と,操作対象の機器の組み合わせによって決まります。
ローカル実行機能が無効の場合
ローカル実行機能が無効の場合,部品の実行ユーザーは次のようになります。
操作対象の機器のOSがWindowsの場合
基本的には,操作対象の機器に接続したユーザーが,コマンドまたはスクリプトの実行ユーザーになります。ただし,操作対象の機器に接続したあと,コマンドまたはスクリプトをSystemアカウントの権限で実行することもできます。
操作対象の機器のOSがWindowsの場合,ユーザーのプロファイルは引き継がれません。そのため,部品の実行結果と,デスクトップ上で実行したコマンドまたはスクリプトの実行結果は異なることがあります。
よって,部品を実行する際に,ユーザーのプロファイルは参照させないでください。ユーザーのプロファイルとは,ユーザー環境変数,レジストリ,Internet Explorerの設定などです。これらを参照させた場合,コマンドまたはスクリプトが期待する動作をしないことがあります。例えば,Internet Explorerのプロキシの設定を参照するコマンドまたはスクリプトを実行すると,通信エラーで失敗することがあります。これには,Windows Updateをスクリプトで実行する場合などが該当します。
操作対象の機器のOSがUNIXの場合
基本的には,操作対象の機器に接続したユーザーが,コマンドまたはスクリプトの実行ユーザーになります。ただし,操作対象の機器に接続したあと,コマンドまたはスクリプトの実行ユーザーをroot権限に昇格することもできます。
なお,root権限のユーザーで操作対象の機器に接続する場合は,操作対象の機器側でroot権限のユーザーによる接続を許可しておく必要があります。
部品の実行ユーザーの一覧を次に示します。
表6‒3 部品の実行ユーザー一覧 部品
root権限のユーザーへの昇格※1
操作対象の機器に接続したユーザー
コマンドまたはスクリプトの実行ユーザー※2
基本部品(汎用コマンド実行部品,ファイル転送部品およびターミナル接続部品)
コンテンツ部品
設定している
root権限のユーザー
root権限のユーザー
root権限ではないユーザー
root権限のユーザー
設定していない
root権限のユーザー
root権限のユーザー
root権限ではないユーザー
root権限ではないユーザー
注※1 root権限のユーザーに昇格するための方法は,部品ごとに異なります。
汎用コマンド実行部品およびファイル転送部品の場合
部品プロパティで,root権限のユーザーに昇格するかどうかを指定します。root権限のユーザーに昇格する方法の詳細については,マニュアルJP1/AO サービステンプレートリファレンスの基本部品についてのトピックを参照してください。
ターミナル接続部品の場合
ターミナル接続部品では,root権限のユーザーに昇格するかどうかは設定できません。ターミナルコマンド実行部品で,ユーザーの権限をroot権限に昇格するコマンドを実行してください。root権限のユーザーに昇格する方法の詳細については,マニュアルJP1/AO サービステンプレートリファレンスの基本部品についてのトピックを参照してください。
コンテンツ部品の場合
[部品作成]ダイアログボックスまたは[部品編集]ダイアログボックスの[リモートコマンド]タブから[root権限で実行]チェックボックスで実行するユーザーの権限を指定できます。[root権限で実行]チェックボックスをチェックした場合,root権限のユーザーでコマンドまたはスクリプトが実行されます。[root権限で実行]チェックボックスをチェックしなかった場合,操作対象の機器に接続したユーザーの権限でコマンドまたはスクリプトが実行されます。
- ヒント
[root権限で実行]チェックボックスをチェックした場合,[部品作成]ダイアログボックスまたは[部品編集]ダイアログボックスの[リモートコマンド]タブから指定した認証種別によって,スーパーユーザーのパスワードを指定する方法が異なります。
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部品の認証種別に[エージェントレス接続先設定を使用]を指定した場合
エージェントレス接続先定義で指定したスーパーユーザーのパスワードが使用されます。
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部品の認証種別に[プロパティで指定]を指定した場合
部品のプロパティ「plugin.suPassword」でスーパーユーザーのパスワードを指定します。
-
注※2 ファイル転送部品の場合,ファイルを転送するユーザーです。また,ターミナル接続部品の場合,実際にコマンドを実行するのはターミナルコマンド実行部品です。
ローカル実行機能が有効の場合
ローカル実行機能が有効の場合,操作対象の機器がローカルホストのときの部品の実行ユーザーは次のようになります。
ローカルホストのOSがWindowsの場合
Systemアカウントの権限でコマンドまたはスクリプトが実行されます。
ローカルホストのOSがUNIXの場合
rootユーザーの権限でコマンドまたはスクリプトが実行されます。
なお,操作対象の機器がローカルホスト以外の場合の実行ユーザーは,ローカル実行機能が無効の場合と同様です。