2.4.2 インストール時の注意事項(Solarisの場合)
システムのOSがSolarisであるSNMPエージェントをインストールする場合の,Solaris固有の注意事項について説明します。OS共通の注意事項については,「2.4 インストール時の注意事項」を参照してください。
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NNMと同一ホストにSNMPエージェントをインストールする場合,次に示すディレクトリが存在することが必要です。特に,クラスタシステムの場合は注意してください。
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/var/opt/OV/share
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/etc/opt/OV/share
SNMPエージェントはインストール時に,このディレクトリ配下にファイルを作成します。ディレクトリが存在しない場合,インストールが失敗します。
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Solarisのネイティブエージェントがインストールされていることを確認してください。インストールされていない場合は,インストールしてください。
Solarisのネイティブエージェントをインストールすることで,SNMPエージェントはMIB-IIのinterfaces,at,ip,icmp,tcp,udpのグループ情報をSolarisのネイティブエージェントから取得します。Solarisのネイティブエージェントがインストールされていない場合,SNMPエージェントがMIB-IIのinterfaces,at,ip,icmp,tcp,udpのグループ情報について応答しなかったり,不正な情報を応答したりします。
通常,SolarisのネイティブエージェントはSolarisをインストールするときに同時にインストールされますが,運用中のシステムでネイティブエージェントがインストール済みかどうか不明な場合などには,必要に応じて確認してください。
ネイティブエージェントは,次に示すパッケージから構成されます。
- Solaris 10の場合
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SUNWsmagt,SUNWsasnm,SUNWmibii
なお,Solaris 10の最新アップデート版では次のパッケージに変更されますので,注意してください。
SUNWsmmgr,SUNWsmagt,SUNWsmcmd
- Solaris 11の場合
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system/management/snmp/net-snmp
system/management/snmp/net-snmp/addons
これらのパッケージがインストールされているかどうかは次に示すコマンドで確認してください。
- Solaris 10の場合
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/usr/bin/pkginfo SUNWsmagt SUNWsasnm SUNWmibii
なお,Solaris 10の最新アップデート版では次のコマンドで確認してください。
/usr/bin/pkginfo SUNWsmmgr SUNWsmagt SUNWsmcmd
- Solaris 11の場合
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/usr/bin/pkg info system/management/snmp/net-snmp
/usr/bin/pkg info system/management/snmp/net-snmp/addons
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SNMPエージェントのインストールで,次のOSのファイルが変更されます。
- Solaris 10の場合
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/etc/init.d/init.sma(SMF機能を適用していないシステムの場合)
/lib/svc/method/svc-sma(SMF機能を適用しているシステムの場合)
- Solaris 11の場合
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/lib/svc/method/svc-net-snmp
また,/etc/servicesファイルにsnmp 161/udpが定義されていない場合は,/etc/servicesファイルに追加されます。
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SNMPエージェントのインストールで,次のSolarisネイティブエージェントの起動停止スクリプトが書き換えられます。
- Solaris 10の場合
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SMF機能を適用していないシステムでは,OSのファイル(/etc/init.d/init.sma)が書き換えられます。/etc/init.d/init.smaファイルをカスタマイズしていた場合やSNMPエージェントインストール後にsnmpdプロセスが正しく起動しなくなった場合など,必要に応じて/etc/init.d/init.smaファイルを編集してください。このとき,snmpdプロセスのudp:8161オプションは,ネイティブエージェントアダプターが正しく動作するために必要なオプションなので,削除しないようにしてください。また,SNMPエージェントを削除すると,/etc/init.d/init.smaファイルはSNMPエージェントのインストール前の内容に復元されます。この場合も必要に応じて/etc/init.d/init.smaファイルを編集してください。
SMF機能を適用しているシステムでは,OSのファイル(/lib/svc/method/svc-sma)が,SMF機能を適用していないシステムの場合と同様に書き換えおよび復元が実行されます。
- Solaris 11の場合
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Solaris 10の場合と同様にOSのファイル(/lib/svc/method/svc-net-snmp)の書き換えおよび復元が実行されます。
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Solaris 10で,SMF機能を適用していないシステムにSNMPエージェントをインストールしたあとで,SMF機能を適用する場合,次の手順を実行してください。
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snmpstopコマンド(引数なし)でSNMPエージェントを停止する。
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snmpcheckコマンドですべてのプロセスが"not running"であることを確認する。
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SMF機能を適用する。
snmpstartコマンド,snmpstopコマンド,およびsnmpcheckコマンドは変更不要です。
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snmpcheckコマンドでプロセスの状態を確認し,snmpdプロセスおよびsnmpdxプロセスが"running"となっている場合,次のコマンドで停止する。
svcadm -v disable -s svc:/application/management/snmpdx:default
svcadm -v disable -s svc:/application/management/sma:default
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snmpcheckコマンドですべてのプロセスが"not running"であることを確認する。
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/lib/svc/method/svc-smaファイルに次の行があるか確認する。
/usr/sfw/sbin/snmpd udp:8161
上記の行がない場合,次のように編集します。
<変更前>
else
/usr/sfw/sbin/snmpd
fi
<変更後>
else
/usr/sfw/sbin/snmpd udp:8161
fi
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snmpstartコマンド(引数なし)でSNMPエージェントを起動する。
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snmpcheckコマンドでextsubagtプロセス以外のすべてのプロセスが"running"であることを確認する。
なお,拡張MIBの定義を使用している場合,extsubagtプロセスも"running"となります。
上記の手順を実施した環境で,SNMPエージェントをアンインストールする場合,SNMPエージェントをアンインストールしたあとに,手順6で編集した内容を変更前の状態に戻す必要があります。
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