2.2.7 モニタリングの設定
NNMiは,ネットワーク検出によって検出したデバイスを対象として,周期的に監視(モニタリング)を行います。
(1) モニタリングとは
モニタリングとは,検出したネットワーク上の各ノードが正しく動作しているかを周期的に監視することです。NNMiは,SNMPやICMP(Ping)によって監視対象のデバイスをモニタリングします。監視はデフォルトでは5分周期で行い,監視対象の状態を確認します。
通信と検出およびモニタリングの設定と,通信プロトコルSNMPとICMP(Ping)の関係を次に示します。
設定対象 |
説明 |
設定個所 |
設定項目 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|---|
プロトコルの動作 |
SNMPやICMP(Ping)のプロトコルでの,1通信ごとのタイムアウトやリトライ数を設定します。この設定に基づいて,検出および監視の通信が行われます。 |
[設定]ワークスペース−[通信の設定] |
SNMP |
5秒 (リトライ数2回) |
ICMP(Ping) |
||||
ネットワーク検出時の動作 |
検出は,通常は構成が頻繁に変わらないため,日単位で再検出する設定にします。 |
[設定]ワークスペース−[検出]−[検出の設定] |
再検出間隔 |
1日 |
ネットワーク状態を監視するときの動作 |
監視は,障害を迅速に検出するため短い周期にします。ただし,監視負荷を適切にするため,分単位でポーリングする設定にします。 |
[設定]ワークスペース−[モニタリング]−[モニタリングの設定] |
障害ポーリング周期 |
5分 |
NNMiで監視できる項目は,[インベントリ]ビューに表示されます。NNMiの監視項目とデバイスとの対応を次に示します。
(2) モニタリング定義を参照して監視方法を確認する
NNMiでは,すぐに監視を始められるように,モニタリング定義が標準で設定されています。このため,モニタリング方法やポーリング周期をカスタマイズしなければ,特に設定を変更する必要はありません。ここでは,監視の仕組みを理解するために,標準のモニタリング定義を参照し,監視方法を確認してみましょう。
操作手順
[設定]ワークスペース−[モニタリング]−[モニタリングの設定]を選択します。
[デフォルト設定]タブを選択します。
モニタリングのデフォルトの設定が表示されます。
何を監視する設定になっているか,監視間隔は何分間かなどを確認しましょう。
[インタフェースの設定]タブや[ノードの設定]タブを選択して,モニタリングの定義を参照します。
[ノードの設定]タブに定義されているモニタリング定義は次のとおりです。
ルーター
ネットワーキングインフラストラクチャデバイス
Microsoft Windowsシステム
非SNMPデバイス
モニタリング定義項目をダブルクリックします。
それぞれのモニタリングの定義が表示されます。
ノードの種類ごとに適切なモニタリング方法が定義されています。監視対象の違いや監視間隔など,それぞれの違いを比較しながら見てみましょう。
次の作業
これで,デフォルトのモニタリング定義を確認できました。次は,インシデントを設定しましょう。
(3) モニタリング定義の設定項目
NNMiには,ネットワークを監視するための設定として,適切なモニタリング定義が標準で提供されています。モニタリング定義とは,モニタリングするときに実行されるポーリングの種類や周期を定義したものです。このモニタリング定義によって,NNMiを導入後,すぐに適切な方法でネットワーク監視を始めることができます。
監視方法は,[モニタリングの設定]ビューで設定できます。定義できる主なモニタリング定義項目について次に示します。
設定場所 |
モニタリング定義項目 |
説明 |
---|---|---|
[グローバル制御] |
状態ポーリングを有効にする |
SNMPエージェント,インタフェース,およびIPアドレスの稼働状態を監視します。 ・SNMPエージェント:SNMPで監視 ・インタフェース:SNMPで監視 ・IPアドレス:ICMP(Ping)で監視 |
カードポーリングを有効にする※ |
「カード」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
シャーシポーリングを有効にする※ |
「シャーシ」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
物理センサーポーリングを有効にする※ |
「物理センサー」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
[デフォルト設定]タブ |
管理アドレスポーリングを有効にする |
管理アドレスに分類した「IPアドレス」を,ICMP(Ping)で監視します。 管理アドレスとは,NNMiがそのノードのSNMPエージェントと通信する場合に使用するIPアドレスです。 |
IPアドレス障害ポーリングを有効にする |
「IPアドレス」を,ICMP(Ping)で監視します。 |
|
インタフェース障害のポーリングを有効にする |
「インタフェース」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
カード障害ポーリングを有効にする※ |
「カード」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
シャーシ障害ポーリングを有効にする※ |
「シャーシ」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
物理センサー障害ポーリングを有効にする※ |
「物理センサー」の状態を,SNMPで監視します。 |
|
障害のポーリング間隔 |
状態の監視を行う周期を指定します。 |
|
[ノードの設定]タブ |
ネットワーキングインフラストラクチャデバイス |
ネットワークの中核機器が対象となります。SNMPデバイスだけでなく,コンポーネント(ファン,電源など)も監視対象として設定されます。 |
非SNMPデバイス |
SNMPに応答がないデバイスは,自動的に非SNMPデバイスとして管理されます。ICMP(Ping)でモニタリングするように設定されるため,死活監視ができます。SNMPへの応答ができるようになったら,SNMPによる管理が開始されます。 |
注※ カード,シャーシ,および物理センサーは,NNMiがサポートする特定の機種だけで監視できます。