8.2.1 セットアップやサービスの起動について
セットアップやサービスの起動に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない
考えられる要因およびその対処方法を次に示します。
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PFM - Managerが停止している
PFM - ManagerとPFM - Agentが同じホストにある場合,PFM - Managerが停止していると,PFM - Agentサービスは起動できません。PFM - Managerサービスが起動されているか確認してください。PFM - Managerサービスが起動されていない場合は,起動してください。サービスの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
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Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している
Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合,Performance Managementのプログラムのサービスは起動できません。デフォルトでは,ポート番号は自動的に割り当てられるため,ポート番号が重複することはありません。Performance Managementのセットアップ時にPerformance Managementのプログラムのサービスに対して固定のポート番号を設定している場合は,ポート番号の設定を確認してください。Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合は,異なるポート番号を設定し直してください。ポート番号の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
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Storeデータベースの格納ディレクトリの設定に誤りがある
次のディレクトリを,アクセスできないディレクトリまたは存在しないディレクトリに設定していると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリ名や属性の設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
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Storeデータベースの格納先ディレクトリ
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Storeデータベースのバックアップディレクトリ
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Storeデータベースの部分バックアップディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合)
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Storeデータベースのエクスポート先ディレクトリ
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Storeデータベースのインポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合)
また,これらのディレクトリを複数のAgent Storeサービスに対して設定していると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリ設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
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指定された方法以外の方法でマシンのホスト名を変更した
マシンのホスト名の変更方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。指定された方法以外の方法でホスト名を変更した場合,Performance Managementのプログラムのサービスが起動しないことがあります。
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サービスコントロールマネージャでエラーが発生した
Windowsでjpcspm startコマンドを実行した場合,「Windowsのサービスコントロールマネージャでエラーが発生しました」というエラーメッセージが出力され,サービスの起動に失敗することがあります。この現象が発生した場合,jpcspm startコマンドを再実行してください。頻繁に同じ現象が発生する場合は,jpcspm startコマンド実行時にサービス起動処理がリトライされる間隔および回数を,jpccomm.iniファイルを編集して変更してください。リトライ間隔およびリトライ回数を変更する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
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WebLogic Serverがインストールされていない
WebLogic Serverがインストールされていない場合,Agent Collectorサービスは起動できません。PFM - AgentホストにWebLogic Serverをインストールしてください。
(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
jpcspm startコマンドを実行してから,または[サービス]アイコンでサービスを開始してから,実際にサービスが起動するまで時間が掛かることがあります。次の要因で時間が掛かっている場合,2回目の起動時からはサービスの起動までに掛かる時間が短縮されます。
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スタンドアロンモードで起動する場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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システム停止時にサービスを自動で停止させる設定をしないで,システムを再起動してサービスを起動すると,Storeデータベースのインデックスが再構築される場合があります。この場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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エージェントを新規に追加したあとサービスを起動すると,初回起動時だけStoreデータベースのインデックスが作成されます。そのため,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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電源切断などによってStoreサービスが正常な終了処理を行えなかったときは,再起動時にStoreデータベースのインデックスが再構築されるため,Storeサービスの起動に時間が掛かることがあります。
(3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,このサービスが使用していたポート番号で,ほかのプログラムがサービスを開始した場合,通信が正しく実行されないことがあります。この現象を回避するために,次の設定をしてください。
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Performance Managementのプログラムのサービスに割り当てるポート番号を固定する
Performance Managementのプログラムの各サービスに対して,固定のポート番号を割り当てて運用してください。ポート番号の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
Performance Managementのプログラムのサービスのポート番号を固定しても通信が正しく実行されないときは,次の設定をするとよい場合があります。ただし,システム全体に影響を与えるおそれがあるため,十分注意して設定してください。
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TCP_TIMEWAIT値の設定をする
OSごとに,TCP_TIMEWAIT値で接続待ち時間を設定してください。
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HP-UXの場合:240秒
tcp_time_wait_interval:240000
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Solarisの場合:4分
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Windows Server 2008 R2,Windows Server 2012の場合:2分(デフォルト値)
Linuxの場合,接続待ち時間のデフォルト値(60秒)は変更できません。Performance Managementのプログラムのサービスのポート番号を固定する方法で対応してください。
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これらの対処を実施したあとも通信が正しく実行されない場合は,保守資料を採取したあと,システム管理者に連絡してください。保守資料の採取方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,トラブルへの対処方法について説明している章を参照してください。
(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスが停止する
Storeデータベースが使用しているディスクに十分な空き容量がない場合,Storeデータベースへのデータの格納が中断されます。この場合,「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスが停止します。
このメッセージが表示された場合,次のどちらかの方法で対処してください。
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十分なディスク容量を確保する
Storeデータベースのディスク占有量を見積もり,Storeデータベースの格納先を十分な容量があるディスクに変更してください。Storeデータベースのディスク占有量を見積もる方法については,「付録A システム見積もり」を参照してください。Storeデータベースの格納先を変更する方法については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」(Windowsの場合)または「3.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」(UNIXの場合)を参照してください。
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Storeデータベースの保存条件を変更する
Storeデータベースの保存条件を変更し,Storeデータベースのデータ量の上限値を調整してください。Storeデータベースの保存条件を変更する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,稼働監視データの管理について説明している章を参照してください。
これらの対処を実施したあともMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスが起動されない場合,Storeデータベースに回復できない論理矛盾が発生しています。この場合,バックアップデータからStoreデータベースをリストアしたあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。利用できるバックアップデータが存在しない場合は,Storeデータベースを初期化したあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。Storeデータベースを初期化するには,Storeデータベースの格納先ディレクトリにある次のファイルをすべて削除してください。
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拡張子が.DBであるファイル
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拡張子が.IDXであるファイル
Storeデータベースの格納先ディレクトリについては,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」(Windowsの場合)または「3.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」(UNIXの場合)を参照してください。
(5) PFM - AgentのAgent Collectorサービスが起動しない
PFM - AgentホストがWindowsの場合,PFM - Agentの起動時にAgent Collectorサービスの起動に失敗して,Windowsの再起動時,Windowsのイベントログに次のどちらかのメッセージが出力されることがあります。
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「サービス名サービスは起動時に停止しました。」
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「サービス名サービスは開始時にハングしました。」
この現象は,Windowsのサービスコントロールマネージャのタイムアウトによって発生するため,PFM - Managerへの通信負荷が高く,PFM - Managerからの応答に時間が掛かるときに発生しやすくなります。次の条件にすべて該当する場合に発生します。
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JP1/PFM - Managerへの通信負荷が高い
例えば,多数のPFM - Agentの起動処理が同時に実行されている場合などが該当します。
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PFM - Agentの各サービスについて,Windowsの[サービス]アプレットでスタートアップ種別が「自動」に設定されている
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OSを再起動する
この現象を回避するためには,次のどちらかの設定をして運用してください。
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OSの再起動と同時にサービスを起動する場合,Windowsのサービスコントロールマネージャから起動するのではなく,jpcspm startコマンドを実行して起動する
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PFM - Agentホストで次の設定を行って,PFM - Agentの起動時間を短縮する
この設定で,PFM - Agentのサービスの起動時に,PFM - Managerに接続できない場合の再接続処理が短縮されます。この場合,PFM - Agentのサービスがスタンドアロンモードで起動する確率が高くなります。
PFM - Agentの起動時間を短縮するには,起動情報ファイル(jpccomm.ini)の[Agent Collector x Section]※および[Agent Store x Section]※の「NS Init Retry Count」ラベルを,「NS Init Retry Count =2」から「NS Init Retry Count =1」に変更します。
- 注※
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「x」には,PFM - AgentのプロダクトIDが入ります。プロダクトIDについては,「付録C 識別子一覧」を参照してください。同一ホスト上にPFM - Agentが複数インストールされている場合は,それぞれのプロダクトIDごとに「NS Init Retry Count」ラベルの値を設定してください。
起動情報ファイル(jpccomm.ini)の格納先は,次のとおりです。
- PFM - Agentホストが物理ホストの場合
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インストール先フォルダ\jpccomm.ini
- PFM - Agentホストが論理ホストの場合
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環境ディレクトリ※\jp1pc\jpccomm.ini
- 注※
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論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリを示します。