5.1 システムログ情報抽出機能の概要
PFM - Agent for Enterprise Applicationsで,SAPシステムで発生したイベントおよび障害を記録するシステムログ情報を定期的にテキストファイルに出力できます。PFM - Agent for Enterprise Applicationsのシステムログ情報抽出機能を使用すると,次のようなシステムログ情報をテキストファイルに出力できます。
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メッセージ記録時刻
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メッセージを記録したサーバ
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メッセージを記録したユーザー
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メッセージを記録したプログラム
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メッセージ番号
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メッセージ
テキストファイルに出力されたシステムログ情報は,ほかのプログラムと連携することで,SAPシステムの状態の監視に利用できます。ここでは,JP1/BaseとJP1/IMとの連携による状態監視の例を説明します。
JP1/Baseのログファイルトラップ機能を使用すると,システムログ情報をJP1イベントに変換できます。このJP1イベントをJP1/IMから監視することで,SAPシステムの状態をJP1/IMから監視できるようになります。
JP1/BaseおよびJP1/IMと連携してSAPシステムの状態を監視する例を,次の図に示します。
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PFM - Agent for Enterprise Applicationsがシステムログ情報を格納するファイルの形式には,次の2種類があります。
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WRAP1形式
システムログ情報が一定の容量に達すると,ラップアラウンドして再び先頭からデータを上書きする形式のファイルです。ファイルの先頭には,管理情報として1行のヘッダーがあります。WRAP1形式で格納できるファイル数は1個です。WRAP1形式を使用してシステムログ情報を監視する場合には,動作定義ファイルに次のパラメーターを指定してください。
FILETYPE=WRAP1 HEADLINE=1
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WRAP2形式
システムログ情報が一定の容量に達してラップアラウンドするとき,データを削除して再び先頭からデータを書き込む形式のファイルです。WRAP2形式では複数のファイルに格納できます。WRAP2形式を使用してシステムログ情報を監視する場合には,動作定義ファイルに次のパラメーターを指定してください。
FILETYPE=WRAP2
- 注意事項
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監視対象プログラム中のSAP NetWeaver 7.0 EHP2以降,SAP NetWeaver PI 7.1以降,SAP NetWeaver 7.3以降のSAPシステムログを監視する場合,SAPプロファイルに次のパラメーターを追加し,SAPシステムログの収集方法をHTTPからRFCに変更する必要があります。これは,SAPセントラルログ機能でのSAPローカルシステムログの収集方法が,デフォルトでHTTPとなっているためです。
rslg/central/log/new = 0
この設定をするとHTTPが前提としているSAPセントラル機能が使用できなくなるので,変更前にSAPセントラル機能を使用しているアプリケーションへの影響を確認してください。なお,PFM - Agent for Enterprise Applicationsでは,SAPセントラル機能を使用しないため,この変更を実施しても影響はありません。