1.7.6 ネットワークリソースの監視
ここでは,KVMシステムのネットワークリソースを監視する方法について説明します。
(1) 概要
KVMシステムでは,複数の仮想マシンで物理サーバ上のNICを共有します。各仮想マシンに割り当てられるNICを仮想NICと呼びます。
仮想マシン上で稼働するOSは,仮想NICを通常のNICとして認識します。
仮想環境では,各仮想マシンが物理NICを同時に利用するため,各仮想マシンが利用できるネットワーク帯域が狭まります。このことから,各仮想マシンのネットワークデータ送受信速度が低下するおそれがあります。
ネットワークのパフォーマンスデータを監視することで,こうした仮想マシンの性能低下を把握できるため,対策を講じることができます。
ネットワークリソースを監視するレコードには,次の2つがあります。レコードの詳細については,「5. レコード」を参照してください。
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PI_HNIレコード
物理NICのパフォーマンスデータを監視できます。
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PI_VNIレコード
仮想NICのパフォーマンスデータを監視できます。
次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。
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(2) 監視例
ここでは,仮想NIC1〜2および物理NIC1〜2のリソース監視を例に,ネットワークリソースに関連して発生する可能性のある問題と,その対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。
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(a) 仮想NICのデータ送受信速度を監視する例
仮想NICに掛かる負荷は,仮想NICのデータ送受信速度から評価できます。仮想NICのデータ送受信速度は,PI_VNIレコードのRateフィールドで確認できます。
仮想NICのデータ送受信速度の監視例を次の図に示します。
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- 確認する監視テンプレートレポート
この例では,仮想NIC2のデータ送受信速度を示す値が大きく,高い負荷が掛かっています。高い負荷が掛かっている仮想NICがある場合,仮想マシンの通信状況に応じて,次に示す対処を検討してください。
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仮想マシンが外部ネットワークと通信する場合
物理NICを追加して,仮想NICに掛かる負荷を分散させる
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仮想マシンが同一仮想環境の別の仮想マシンだけと通信する場合
内部ネットワーク用の仮想スイッチを作成して,仮想マシンに接続しているNICを変更する
(b) 物理NICのデータ送受信速度を監視する例
物理NICに掛かる負荷は,物理NICのデータ送受信速度から評価できます。物理NICのデータ送受信速度は,PI_HNIレコードのRateフィールドで確認できます。
物理NICのデータ送受信速度の監視例を次の図に示します。
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- 確認する監視テンプレートレポート
この例では,物理NIC2のデータ送受信速度を示す値が大きく,高い負荷が掛かっています。高い負荷が掛かっている物理NICがある場合,物理NICの追加を検討してください。