jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)
機能
JP1/Service Supportのデータベースをリカバリーします。このコマンドは,スタートメニューの[プログラム]−[JP1_Service Support]−[JP1_SSコマンドプロンプト]から実行します。
形式
jssdbrecovery.bat {-f バックアップファイル名 | -i バックアップファイル出力先フォルダ名 {-ALL | -mdb | -sdb}} {-maint | -expand}
実行権限
Administrators権限
格納先フォルダ
JP1/SSパス\tools\
引数
-f バックアップファイル名
JP1/Service Supportのデータベースのバックアップファイル名を絶対パスで指定します。案件保存DBを使用している場合,案件管理DBだけでなく,案件保存DBもリカバリーされます。
バックアップファイル名を指定するときは,次のことに注意してください。
-
JP1/Service Supportのデータベースの格納先フォルダは,バックアップ時と同じフォルダを指定してください。
-
バックアップファイルの格納先には,必ずローカルドライブを指定してください。ネットワークドライブは指定できません。
-
UNCパスでは指定できません。
-
バックアップファイルのパスは,259バイト以内の絶対パスで指定してください。また,フォルダに格納したバックアップファイル名は,255バイト以内で指定してください。バックアップファイル名が全角文字を含む場合,全角文字は2バイトに換算されます。
-
バックアップファイル名にマルチバイト文字は指定できません。また,OSで指定できない文字列も指定できません。
-
jssdbbackup.batコマンドに-oオプションを指定して取得したバックアップファイルは,jssdbrecovery.batコマンドの-fオプションのバックアップファイルに指定できません。
-i バックアップファイル出力先フォルダ名
JP1/Service Supportのデータベースのバックアップファイル出力先フォルダ名を絶対パスで指定します。jssdbbackup.batコマンドに-oオプションを指定して作成したバックアップファイルをリカバリーするときに指定します。
バックアップファイル出力先フォルダ名を指定するときは,次のことに注意してください。
-
バックアップファイル出力先フォルダは,jssdbbackupコマンドの-oオプションを指定してバックアップしたバックアップ出力先と同じフォルダを指定してください。また,このバックアップ出力先フォルダ内のファイル名およびフォルダ名は変更しないでください。
-
バックアップファイルの格納先には,必ずローカルドライブを指定してください。ネットワークドライブは指定できません。
-
UNCパスでは指定できません。
-ALL
-iオプションで指定したバックアップファイル出力先フォルダに格納されている案件管理DBと案件保存DBのバックアップファイルをリカバリーしたい場合に指定します。
-mdb
-iオプションで指定したバックアップファイル出力先フォルダに格納されている案件管理DBのバックアップファイルをリカバリーしたい場合に指定します。
-sdb
-iオプションで指定したバックアップファイル出力先フォルダに格納されている案件保存DBのバックアップファイルをリカバリーしたい場合に指定します。
-maint
jssdbbackup.batコマンドの-maintオプションを指定して作成したバックアップファイルをリカバリーするときに指定します。
-expand
jssdbbackup.batコマンドの-expandオプションを指定して作成したバックアップファイルをリカバリーするときに指定します。
戻り値
戻り値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了 |
実行時の前提条件
-
コマンド実行時のサービスの状態については,「12. コマンド」の「コマンド実行時のサービスの状態」を参照してください。
-
jssdbrecovery.batコマンドの実行中に,ほかのJP1/Service Supportのコマンドを実行しないでください。
-
-fオプションで指定するバックアップファイル名の,大文字・小文字は区別されません。
-
jssdbbackup.batコマンド実行時に指定したバックアップオプションによって,取得できるバックアップファイルが異なります。このため,jssdbbackup.batコマンド実行時に指定したバックアップオプションによって,jssdbrecovery.batコマンドで指定できるオプションが異なります。jssdbbackup.batコマンドで指定したバックアップオプションごとにjssdbrecovery.batコマンドで指定できるリカバリーオプションを,次の表に示します。
表12‒12 バックアップオプション(jssdbbackup.batコマンド)ごとに指定できるリカバリーオプション(jssdbrecovery.batコマンド) 項番
バックアップオプション
(jssdbbackup.batコマンド)
リカバリーオプション(jssdbrecovery.batコマンド)
-f
-i
-maint
-expand
-ALL
-mdb
-sdb
-maint
-expand
-maint
-expand
-maint
-expand
1
-f
-maint
○
×
×
×
×
×
×
×
2
-expand
×
○※
×
×
×
×
×
×
3
-o
-ALL
-maint
×
×
○
×
○
×
○
×
4
-expand
×
×
×
○※
×
○
×
○※
5
-mdb
-maint
×
×
×
×
○
×
×
×
6
-expand
×
×
×
×
×
○
×
×
7
-sdb
-maint
×
×
×
×
×
×
○
×
8
-expand
×
×
×
×
×
×
×
○
-maintオプションを指定してリカバリーする場合,バックアップ取得時と同じデータベースサイズにする必要があります。また,案件保存DBをリカバリーする場合は,バックアップ取得時と同じデータベース構成(拡張回数および拡張先ディレクトリ)にする必要があります。
-expandオプションを指定してリカバリーする場合,バックアップ取得時のデータベースサイズよりも小さいサイズのデータベースにリカバリーしないでください。
-
jssdbrecovery.batコマンドの実行時には一時ファイルが作成されます。そのため,JP1/Service Supportのインストール先フォルダには,案件管理DBのサイズによって次の空き容量が必要です。
-
案件管理DBがSサイズの場合:250メガバイト
-
案件管理DBがMサイズの場合:450メガバイト
-
案件管理DBがLサイズの場合:900メガバイト
-
案件管理DBがLLサイズの場合:1.8ギガバイト
-
案件管理DBがXLサイズの場合:1.8ギガバイト
-
-
異なるバージョンの環境で取得したバックアップファイルはリカバリーできません。同じバージョンの環境でバックアップとリカバリーを実行してください。異なるバージョンの環境で取得したバックアップファイルを使って,jssdbrecoveryコマンドを実行し,JP1/Service Supportを運用し続けた場合,その間にデータベースに登録されたデータやデータベースの状態が異常となります。
-
案件管理DBと案件保存DBは別々にリカバリーできますが,jssitemstore(案件保存)コマンド実行前のバックアップファイルと実行後のバックアップファイルでそれぞれのデータベースをリカバリーするとデータの不整合が起こるおそれがあります。このため,案件管理DBと案件保存DBの両方をリカバリーする場合は,jssitemstore(案件保存)コマンドの実行前と実行後のバックアップファイルを使用しないでください。案件保存DBのリカバリーについては,「11.2.15 案件保存DB使用時のリカバリー」を参照してください。
注意事項
-
jssdbrecovery.batコマンドを実行すると,システム内部で複数の子プロセスが起動します。[Ctrl]+[C]キーなどでコマンドの実行を打ち切った場合も,子プロセスは実行を継続します。このため,コマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーなどで実行を打ち切らないでください。もし実行を打ち切った場合は,maintオプション指定時は「pdrstr」というプロセスが実行していないこと,expandオプション指定時は「pdrorg」というプロセスが実行していないことを確認し,しばらく時間を置いてからJP1/Service Support - DB Serviceを再起動してください。
-
jssdbrecovery.batコマンドの実行時にKNAB26103-Eのエラーメッセージが出力された場合は,次の原因に該当するかどうかを調査し,該当する場合は対策を実施してからコマンドを再実行してください。
-
ファイル名を相対パスで指定している。
-
バックアップファイル名にフォルダを指定している。
-
UNCパス指定になっている。
-
絶対パスで指定したバックアップファイル名が,259バイトを超えている。
-
フォルダに格納したバックアップファイル名が255バイトを超えている。
-
ファイル名にマルチバイト文字が含まれている,またはOSで指定できない文字列を指定している。
-
-
KNAB26103-Eのエラーメッセージが出力された場合,次の要因が挙げられます。原因を取り除き,コマンドを再度実行してください。
-
jssdbbackup.batコマンドの-maintオプションを指定して作成したバックアップファイルを,-expandを指定してリカバリーした場合。
-
jssdbbackup.batコマンドの-expandオプションを指定して作成したバックアップファイルを,-maintを指定してリカバリーした場合。
-
バックアップを行ったデータベースのサイズより,小さいサイズのデータベースにリカバリーした場合。
-
-
案件管理DBを拡張する場合の手順は,「11.2.4 案件管理DBのサイズ拡張」を参照してください。
-
リカバリー後は,JP1/Service Supportの運用時にメイン画面(案件状況)が表示されるかどうかを確認してください。
-
-expandオプションを指定してjssdbbackup.batコマンドを実行してバックアップファイルを取得する場合,データベースの再編成も同時に実行されます。そのため,バックアップファイルをjssdbrecovery.batコマンドを使用してリカバリーする場合,バックアップ前に案件管理DBで使用していた容量よりも多くの容量が必要となるときがあり,リカバリーに失敗するおそれがあります。この場合,次の手順を実行してください。
-
-maintオプションを指定して取得したバックアップファイルを,jssdbrecovery.batコマンドを使用してリカバリーする。
-
jssdelrecコマンドを実行し,削除待ち状態のデータを削除する。
-
jssitemdeletionコマンドを実行し,不要な案件データを削除する。
-
-expandオプションを指定してjssdbbackup.batコマンドを実行する。
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4の手順で取得したバックアップファイルをリカバリーする。
-
使用例
バックアップファイル(c:\backup\backup)を使用して案件管理DBのデータをリカバリーするときの指定例を次に示します。
jssdbrecovery.bat -f c:\backup\backup -maint