11.2.12 案件保存DBの拡張
案件を保存するときに案件保存DBの案件領域または添付ファイル領域の容量が不足した場合,案件保存DBの容量を拡張する必要があります。なお,案件保存DBの容量を拡張する場合は,保存対象案件のデータサイズを見積もる必要があります。
- 注意事項
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異なるドライブに案件保存DBを格納すると,どれか一つのドライブにハード障害が発生した場合,JP1/Service Supportを運用できなくなります。
案件保存DBの容量を拡張する手順を,次に示します。
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jssitemcountコマンドを実行する。
JP1/Service Supportに登録されている案件数を確認するため,引数には-ALLオプションを指定して実行してください。jssitemcountコマンドについては,「12. コマンド」の「jssitemcount(案件数確認)」を参照してください。
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jssitemcountコマンドを実行する。
案件保存DBに保存する対象となる案件数を確認するため,引数には-ctオプションを指定してください。その際,開始年月日と終了年月日には,保存対象となる案件の期間を指定してください。jssitemcountコマンドについては,「12. コマンド」の「jssitemcount(案件数確認)」を参照してください。
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jssdbstatchk.batコマンドを実行する。
jssdbstatchk.batコマンドを実行し,案件管理DBおよび案件保存DBの案件領域と添付ファイル領域のデータベース容量と使用率を確認します。jssdbstatchk.batコマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)」を参照してください。
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保存対象案件のデータサイズを見積もる。
手順1〜3で確認した値から,保存対象案件のデータサイズを見積もります。
見積もり例を次に示します。
- 案件管理DBの状態
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JP1/Service Supportに登録されている案件数:20万件
保存対象となる案件数:10万件
案件管理DBの案件領域のデータベース容量と使用率:40GB,80%
案件管理DBの添付ファイルのデータベース容量と使用率:30GB,50%
- 見積もり結果
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保存対象案件のデータサイズ:40 * 0.8 * 10 / 20 = 16GB
保存対象添付ファイルのデータサイズ:30 * 0.5 * 10 / 20 = 7.5GB
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案件保存DBの空き領域を算出する。
手順3で確認した値から,案件保存DBの案件領域と添付ファイルの空き領域を算出します。
- 案件保存DBの状態
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案件保存DBの案件領域のデータベース容量と使用率:128GB,90%
案件保存DBの添付ファイル領域のデータベース容量と使用率:64GB,70%
- 算出結果
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案件保存DBの案件領域の空き容量:12.8GB
案件保存DBの添付ファイル領域の空き容量:19.2GB
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案件保存DBに保存できるデータサイズか確認する。
手順4と手順5で見積もりおよび算出した値から,保存対象案件が案件保存DBに格納できるか確認します。
- 見積もりおよび算出結果
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保存対象案件のデータサイズ:16GB
保存対象添付ファイルのデータサイズ:7.5GB
案件保存DBの案件領域の空き容量:12.8GB
案件保存DBの添付ファイル領域の空き容量:19.2GB
- 確認結果
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案件保存DBの案件領域空き容量より保存対象案件のデータサイズが上回るため,案件領域が容量不足ということになります。なお,ここで示しているデータサイズの見積もりは概算です。個々の運用ケースでは,計算結果の容量と実際の容量で,差異が出ることがあります。
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次に示す順序でサービスを停止する。
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JP1/Service Support - Task Serviceサービス
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JP1/Service Support - Web Serviceサービス
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JP1/Service Supportサービス
なお,jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行して,案件保存DBを拡張しない場合,この手順は不要です。
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jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行する。
jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行して,案件保存DBを拡張します。なお,手順6で確認した結果,案件保存DBを拡張しないで保存対象案件を保存できる場合,この手順は不要です。jssitemstoredbexpand.batコマンドについては,「12. コマンド」の「jssitemstoredbexpand.bat(案件保存DB領域拡張)」を参照してください。