3.16.3 案件の集計データのファイル出力
案件の状況を集計したCSVファイルは,次の図に示す[集計データのファイル出力]画面でダウンロードできます。なお,案件ごとに参照権限を設定している場合,案件の参照権限所有者として設定されていない案件も集計されたCSVファイルとなります。
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ファイル出力したい集計データの条件を指定して,[データのダウンロード]ボタンをクリックします。
集計データの絞り込み条件を次に示します。
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システム
出力したい対象システムのチェックボックスにチェックします。ユーザーが参照できる対象システムを選択できます。「全てのシステム」をチェックすると,表示されているシステムをすべて選択したことになり,個別のシステムのチェックボックスは非活性となります。
なお,多数の対象のシステムのチェックボックスをチェックして集計データを出力した場合,「Internet Explorerではこのページを表示できません」の画面が表示され,案件の集計データを出力できないことがあります。この場合の対処を次に示します。
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「全てのシステム」をチェックして集計データを出力する。
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出力された案件の集計データのファイルを開き,手動で不要なシステムの案件集計データを削除する。
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プロセス
出力したいプロセスのチェックボックスにチェックします。ユーザーが参照できるプロセスを選択できます。なお,プロセスにはプロセスの表示名が表示されます。
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集計単位
集計の単位を「日単位」,「月単位」または「年単位」から選択します。
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集計範囲
集計単位での指定に合わせて,集計範囲を指定します。あらかじめjsscollectdataコマンドで集計したデータを基にCSVファイルに出力されるため,集計範囲に指定できるのは前日までです。
何も指定しない場合は,次の期間のデータが集計されます。
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日単位:前日から過去30日
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月単位:過去12か月
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年単位:過去5年
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データ種別
CSVファイルの種類を,「案件データCSV」,または「コードデータCSV」から選択します。
- 〈この項の構成〉
(1) 出力されるCSVファイルの内容
[集計データのファイル出力]画面からは,案件データCSVファイル(OutputItemData.csv)およびコードデータCSVファイル(OutputItemCodeData.csv)を出力できます。
出力されるCSVファイルは,ヘッダー部とデータ部から構成されます。ヘッダー部の出力項目は,案件データCSVファイルとコードデータCSVファイルで共通です。
案件データCSVファイルとコードデータCSVファイルのヘッダー部の出力項目を,次に示します。
項目 |
説明 |
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製品名称 |
「JP1/Service Support」。 |
バージョン情報 |
出力されるファイルのバージョン。 |
文字コード |
出力されるファイルの文字コード。 |
データ集計日 |
案件集計コマンドを実行した日付。 |
集計単位 |
出力した集計単位。 |
プロセス表示名(インシデント管理)※ |
インシデント管理プロセスのプロセス表示名。 |
プロセス表示名(問題管理)※ |
問題管理プロセスのプロセス表示名。 |
プロセス表示名(変更管理)※ |
変更管理プロセスのプロセス表示名。 |
プロセス表示名(リリース管理)※ |
リリース管理プロセスのプロセス表示名。 |
- 注※
-
CSVファイルの出力対象に含まれない場合も出力されます。
案件データCSVファイルのデータ部の出力項目を次に示します。
項目 |
説明 |
---|---|
システムID |
集計データを出力したシステムのシステムID。 |
システム名 |
集計データを出力したシステムのシステム名。 |
プロセス名 |
集計データを出力したプロセスのプロセス名。デフォルトのプロセス名が出力される。プロセス表示名を確認したい場合は,ヘッダー部の各プロセスのプロセス名を参照すること。 |
出力種別※ |
次の8種類の種別に対応した1〜8の数値。
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集計期間 |
集計期間内に集計された案件の数,平均所要時間,使用費用(実績)の合計のどれかの値。 |
- 注※
-
ここで示している「クローズ」はステータスID「JIMSD_STAT_CLOSE」のステータスのことです。ステータスのカスタマイズによって,ステータス名称が「クローズ」ではない場合があります。ステータスのカスタマイズについては,「3.15 ステータスの管理」を参照してください。
コードデータCSVファイルのデータ部の出力項目を次に示します。
項目 |
説明 |
---|---|
システムID |
集計データを出力したシステムのシステムID。 |
システム名 |
集計データを出力したシステムのシステム名。 |
プロセス名 |
集計データを出力したプロセスのプロセス名。デフォルトのプロセス名が出力される。プロセス表示名を確認したい場合は,ヘッダー部の各プロセスのプロセス名を参照すること。 |
フォームID |
案件フォームID。 |
フォームVR |
フォームバージョン。 |
コード種別 |
コード種別,実コードおよびコード表示名の詳細については,「13. 定義ファイル」の「コードマッピングファイル(jp1imss_itemimport_codemap.conf)」を参照。コード種別のJIMSD_CODE_XXXXのXXXX部分がセクション,実コードが値,コード表示名がキーに対応する。 |
実コード |
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コード表示名 |
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集計期間 |
集計期間内に集計された案件の数。 |
集計の対象となるのは,対象期間にクローズした案件だけです。
案件フォームをカスタマイズしてコードを追加した場合は,追加したコードも出力されます。
(2) マクロのダウンロード
出力したCSVファイルからレポートを作成するためのマクロ(サンプル)をダウンロードできます。マクロをダウンロードするには,次に示す方法があります。
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[マクロのダウンロード]メニューからダウンロードする。
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JP1/SSパス\home\public\report\jss_report.xlsをコピーする。
なお,サンプルのマクロは,変更したり,ユーザーが作成したマクロに置き換えたりすることもできます。
- 注意事項
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-
JP1/Service Supportに格納できるマクロは一つだけです。ユーザーが作成したマクロに置き換える場合にはJP1/SSパス\home\public\report\フォルダ内のjss_report.xlsを削除し,同フォルダ内にユーザーが作成したマクロを格納してください。なお,マクロのファイル名はjss_report.xlsで固定です。別名のファイルを格納しても,JP1/Service Supportの画面からはダウンロードできません。
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JP1/Service Supportは,サンプルのマクロのモデルファイル(JP1/SSパス\home\public\report\jss_report.xls.model)を提供しています。モデルファイルはカスタマイズしたマクロの内容をリセットする場合に利用してください。jss_report.xlsを削除し,モデルファイルをコピー,リネームすることでjss_report.xlsとして使用できます。
また,過去バージョンのCSVファイルに対応したマクロのモデルファイル(JP1/SSパス\home\public\report\バージョン番号_jss_report.xls.model)を提供しています。過去バージョンのマクロを実行する場合,CSVファイル(ヘッダー部)のバージョン情報とマクロ名のバージョン番号が一致している必要があります。なお,過去バージョンのマクロは,[集計データのファイル出力]画面からダウンロードできないため,必要に応じてJP1/Service Supportの管理者が配布してください。
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サンプルのマクロを使用したレポートの作成例を次の図に示します。
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サンプルのマクロでは,10種類のレポートを作成できます。作成できるレポートの種類を次の表に示します。
項番 |
種類(単位) |
説明 |
対象プロセス |
---|---|---|---|
1 |
案件総数(件) |
すべてのステータスに登録されている案件数が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。 プロセスごとの案件発生傾向を分析するために使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
2 |
案件処理平均所要時間(時間) |
一定期間の案件処理所要時間(クローズした案件の更新日時と登録日時の差)の和を,クローズした案件数で割った値が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。 プロセス内の案件の処理時間を確認して,早期回答の目安に使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
3 |
作業期限内処理率(%) |
作業期間内に案件がクローズした処理率が集計される。 期限内の回答の指標を出すために使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
4 |
一次サポート解決率(%)※1 |
クローズした案件で解決区分が設定されている案件のうち,解決区分が「ナレッジ」,「ドキュメント」に設定されている案件の割合が集計される。 プロセス内のサポート品質の状況を確認するために使用できる。 |
インシデント管理 |
5 |
問題分野の内訳(件および%)※1 |
クローズした案件で問題分野の項目が設定されている案件に対する,各問題分野の割合が集計される。 システムごとの傾向を分析するために使用できる。 |
インシデント管理,問題管理 |
6 |
結果の内訳(件および%)※1 |
クローズした案件で結果の項目が設定されている案件に対する,各結果の割合が集計される。 システムごとの傾向を分析するために使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
7 |
要因の内訳(件および%)※1 |
クローズした案件で要因の項目が設定されている案件数に対する,各要因の割合が集計される。 システムごとの傾向を分析するために使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
8 |
案件当たりの平均使用費用(なし)※2 |
クローズした案件で,費用(実績)が設定されている案件の平均値が集計される。 一案件当たりに使用する費用の確認や,全体的にコストが掛かっていないかを確認するために使用できる。 |
変更管理,リリース管理 |
9 |
案件の処理率(%) |
一定期間内で,クローズした案件数を登録された案件数で割った値が集計される。 作業の効率を確認するために使用できる。 |
CSVに出力された全プロセス |
10 |
類似案件率(%)※1 |
クローズした案件で,要因に「既知のソフトウェア不良」または「既知のハードウェア不良」が設定されている案件数が集計される。 同件の発生傾向を確認するために使用できる。 |
インシデント管理,問題管理 |
- 注※1
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案件フォームのカスタマイズによって,案件項目の選択肢を変更した場合,マクロが正しく動作しません。案件フォームと同様に,マクロのカスタマイズも検討してください。
- 注※2
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費用の単位はユーザーの運用によって異なるため,特に定めていません。
なお,レポート内のプロセス名は,プロセス表示名が出力されます。