10.4.1 Windowsの場合
- 〈この項の構成〉
(1) プロセスの状態を確認する
Windowsのタスクマネージャを使用して,プロセスの動作状態を確認してください。正常に動作している場合に表示されるプロセスを次に示します。
(a) JP1/IM - Manager
JP1/IM - Managerのプロセスについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「付録B.1(1) JP1/IM - Manager」を参照してください。
(b) JP1/IM - View
JP1/IM - Viewのプロセスについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「付録B.1(1) JP1/IM - Manager」を参照してください。
(c) JP1/IM - IM構成管理・ビューアー
JP1/IM - IM構成管理・ビューアーのプロセスを次に示します。なお,表内の括弧( )内の数値は同時に実行するプロセス数です。
親プロセス名 |
機能 |
子プロセス名 |
機能 |
---|---|---|---|
jcfview.exe (3) |
JP1/IM - IM構成管理・ビューアーの画面制御 |
jcfview_evt.exe (3) |
スレッドダンプ出力イベントの送信 |
java.exe (3) |
JP1/IM - IM構成管理・ビューアーの画面制御 |
一つのマシンからログインして起動できるJP1/IM - IM構成管理・ビューアーの数は三つまでです。JP1/IM - IM構成管理・ビューアーを一つ起動するごとに,一つのプロセスが起動します。
(2) JP1/IM用スレッドダンプを出力する
(a) JP1/IM - View
次の手順に従いダンプファイルを出力してください。
-
タスク マネージャを開く。
-
[アプリケーション]ページ上でJP1/IM - Viewを選択し,ポップアップメニューから[手前に表示]を選択する。
これによって操作不能になったJP1/IM - Viewかどうかを特定します。操作不能なJP1/IM - Viewを特定できた場合,次に進みます。
-
ポップアップメニューから[プロセスを表示]を選択する。
[プロセス]ページに切り替わります。JP1/IM - Viewのjava.exeが選択された状態で表示されるため,これによってプロセスID(PID)※を特定します。
注※ PID項目がない場合はメニューの[表示]−[列の選択]を選択し,[列の選択]画面で[PID(プロセスID)]チェックボックスをチェックしてください。
-
特定できたプロセスIDを引数にして,jcothreaddmpコマンドを実行する。
jcothreaddmpコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「jcothreaddmp(Windows限定)」(1. コマンド)を参照してください。
(b) JP1/IM - Manager
ヘルスチェック機能によって,JP1/IM - Managerのイベントコンソールサービス,イベント基盤サービス,または相関イベント発行サービスの異常を検知した場合に,JP1/IM - Manager用のダンプファイルを出力してください。次のようにjcogencoreコマンドを実行します。
jcogencore
jcogencoreコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「jcogencore」(1. コマンド)を参照してください。
(3) WWWページ版のJP1/IM - Viewに関連する情報を採取する
WWWページ版のJP1/IM - Viewの使用時にトラブルが発生した場合は,この節で挙げているほかの資料に加えて,次の資料を採取してください。
ビューアー側
-
Javaのスタックトレースログ
- 採取手順を次に示します。
-
1. [Javaコンソール]画面を選択し,「v」を入力する。
Javaのスタックトレースログが[Javaコンソール]画面上に出力されます。
2. コピーしてテキストファイルなどに手動で貼り付ける。
3. テキストファイルを保存する。
-
JavaTM Plug-inのJavaトレースファイル※
- Javaトレースファイルは,次の場所にあります。
-
システムドライブ:\Documents and Settings\ログインユーザー名\Application Data\Sun\Java\Deployment\log\
注※ WWWページ版のJP1/IM - Viewが非プラグインモードの場合は,採取不要です。
- 重要
-
JavaTM Plug-inのJavaトレースファイルは,JavaTM Plug-inの再起動時に消去されてしまいます。トラブルが発生したら,再起動する前にこのトレースファイルの内容を別ファイルに保存してください。
マネージャー側
-
HTTPサーバのエラーログ
-
HTTPサーバのアクセスログ
(4) 資料採取ツールを実行する
資料採取ツール(jim_log.batまたはjcoview_log.bat)を実行します。
JP1/IM - Managerで提供しているjim_log.batを実行すれば,同ホスト上のJP1/IM - Manager,JP1/IM - Viewの障害調査に必要な資料を採取できます。
また,JP1/IM - Viewで提供しているjcoview_log.batを実行すれば,JP1/IM - Viewの障害調査に必要な資料を採取できます。
運用に合わせて使い分けてください。
なお,資料採取ツールで採取する資料の総容量は膨大になるため,実行する前に容量を見積もり,ご使用のマシンの空き容量を確認する必要があります。jim_log.batで採取する資料サイズについては,JP1/IM - Managerのリリースノートを参照してください。
jcoview_log.batで採取する資料サイズについては,JP1/IM - Viewのリリースノートを参照してください。
次に,ツールの実行例を示します。
C:\>"C:\Program Files\Hitachi\JP1IMM\tools\jim_log.bat" -f 資料格納フォルダ
資料格納フォルダは絶対パスで指定してください。また,資料格納フォルダが空白を含むフォルダの場合,"で囲んで指定してください。
ツールを実行すると,資料格納フォルダに指定したフォルダ下にjp1_defaultフォルダができ,そこに採取した資料がコピーされます。なお,採取した資料は,圧縮ツールを使用して圧縮してください。
(5) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
-
オペレーション内容の詳細
-
発生時刻
-
再現性
-
JP1/IM - Viewからログインしている場合は,ログインユーザー名
-
マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,セントラルコンソールの構成)
(6) 画面上のエラー情報を採取する
画面にエラーが表示された場合は,その情報も採取します。次に示すハードコピーを採取してください。
-
エラーダイアログボックスのハードコピー
詳細ボタンがある場合はその内容をコピーしてください。
(7) ユーザーダンプを採取する(Windows限定)
WindowsでJP1/IM - Viewのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,エラーダイアログボックスが表示されている状態で,次の手順でユーザーダンプを採取してください。
-
タスクマネージャを起動する。
タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。
-
タスクバーの空いている場所で右クリックをして「タスクマネージャ」を選択する。
-
[Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押してタスクマネージャを起動する。
-
-
[プロセス]タブをクリックする。
-
アプリケーションエラーで停止したJP1/IM - Viewのプロセス名を右クリックし,「ダンプファイルの生成」を選択する。
-
ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。
- 重要
-
エラーダイアログボックスを消してしまうと正常なダンプは取得されないため,ユーザーダンプを採取できなくなってしまいます。誤って採取前にエラーダイアログボックスを([OK]ボタンなどをクリックして)消してしまった場合は,現象を再現させてからユーザーダンプを採取してください。
(8) RAS情報を採取する
リモート監視時にトラブルが発生した場合,RAS情報を採取します。RAS情報の資料は,マネージャーホストと監視対象ホストで採取します。
採取方法は,監視対象ホストとの接続方法によって異なります。リモート監視のホスト情報収集では,収集するログ情報,およびマネージャーホストのOSと監視対象ホストのOSによって,接続方法が異なります。リモート監視の接続方法の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「6.6.2 収集できるログ情報とリモート監視の接続方法」を参照してください。
ここでは,マネージャーホストのOSがWindowsの場合の採取方法について説明します。
接続方法 |
資料を採取するホスト(OS) |
採取方法の参照先 |
---|---|---|
WMI接続 |
マネージャーホスト(Windows) |
|
監視対象ホスト(Windows) |
||
NetBIOS接続 |
マネージャーホスト(Windows) |
|
監視対象ホスト(Windows) |
||
SSH接続 |
マネージャーホスト(Windows) |
|
監視対象ホスト(UNIX) |
(a) WMI接続の場合
WMI接続でトラブルが発生した場合にマネージャーホスト(Windows)で資料を採取する方法について,次の表に示します。
項番 |
採取方法 |
---|---|
1 |
コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して結果を採取する。
|
2 |
WMI接続の認証情報を採取する。
|
3 |
WMI接続のログを採取する。
|
4 |
マネージャーホストから,コマンドプロンプトで「runas /user:ユーザー名 wbemtest」を実行していることがわかるスクリーンショットを採取する。 ユーザー名は[システム共通設定]画面の[IMホストアカウント]ページの[ユーザー名]に設定する値を指定する。また,コマンドの実行後にパスワード入力を要求された場合は,[IMホストアカウント]ページの[パスワード]に設定する値を指定する。 |
5 |
wbemtestで[接続]ボタンをクリックしたときの,名前空間,資格証明のユーザー入力値がわかる状態のスクリーンショットを採取する。 |
6 |
wbemtestで[接続]ボタンをクリックしたあとの正しく接続できている状態,または[接続]ボタンをクリックしたあとに表示されるエラーメッセージのスクリーンショットを採取する。 |
7 |
wbemtestで[クエリ]ボタンをクリックし,次のクエリを入力して,[適用]ボタンをクリックする。
このクエリを実行したあとに,[クエリ結果]画面に表示されるクエリの実行結果のスクリーンショットを採取する。 |
WMI接続でトラブルが発生した場合に監視対象ホスト(Windows)で資料を採取する方法について,次の表に示します。
項番 |
採取方法 |
---|---|
1 |
監視対象ユーザーが監視対象ホストにログインし,コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して結果を採取する。
|
2 |
WMI接続のログを採取する。
|
3 |
|
4 |
監視対象ホストで正しくイベントログが生成されていることを確認する資料を採取する。
|
(b) NetBIOS接続の場合
NetBIOS接続でトラブルが発生した場合にマネージャーホスト(Windows)で資料を採取する方法について,次の表に示します。
項番 |
採取方法 |
---|---|
1 |
コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して結果を採取する。
|
2 |
[管理ツール]-[ローカルセキュリティポリシー]-[セキュリティの設定]-[ローカルポリシー]-[ユーザー権利の割り当て]-[ネットワーク経由でのアクセス]を右クリックし,表示されたメニューから[プロパティ]を選択し,設定されたユーザー名がわかるスクリーンショットを採取する。 |
3 |
[IMホストアカウント]に設定したユーザー名でログインし,エクスプローラの[アドレス]に「\\リモートの監視対象ホスト名」を入力して接続し,監視対象ファイルを参照できたことがわかる資料を採取する。 |
NetBIOS接続でトラブルが発生した場合に監視対象ホスト(Windows)で資料を採取する方法について,次の表に示します。
項番 |
採取方法 |
---|---|
1 |
監視対象ユーザーが監視対象ホストにログインし,コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して結果を採取する。
|
2 |
[管理ツール]-[ローカルセキュリティポリシー]-[セキュリティの設定]-[ローカルポリシー]-[ユーザー権利の割り当て]-[ネットワーク経由でのアクセス]を右クリックし,表示されたメニューから[プロパティ]を選択し,設定されたユーザー名がわかるスクリーンショットを採取する。 |
3 |
監視対象ファイルを採取する。 |
(c) SSH接続の場合
SSH接続でトラブルが発生した場合にマネージャーホスト(Windows)で資料を採取する方法について,次の表に示します。
項番 |
採取方法 |
---|---|
1 |
コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して結果を採取する。
|
2 |
SSH接続の認証情報を採取する。
|
3 |
配置した秘密鍵を使って,リモートの監視対象ホストにSSH接続できたことがわかる資料を採取する。 |
SSH接続でトラブルが発生した場合に監視対象ホスト(UNIX)で資料を採取する方法については,「10.4.2(7)(a) SSH接続の場合」の「表10-26監視対象ホスト(UNIX)で資料を採取する方法(SSH接続の場合)」を参照してください。